広報じょうほく No.298 1987(昭和62)年 7月
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七月は薬物乱用防止広報強化月間です。今月は、破滅への片道切符といわれる〃覚せい剤卒の恐ろしさについて改めて考えてみましょう。二・三年前、「覚せい剤やめますか、それとも人間やめますか」という標語が話題を呼んだことがあります。「人間をやめる」という意表をついた表現が私たちをドキッとさせ、覚せい剤の恐ろしさを改めて知らされました。つまり、ひとたび覚せい剤に手を出すと反復作用は避けられず、やがて慢性中毒となり、身も心もむしばまれてしまう〃破滅への片道・縛悔Iそれが堂置い割嬢のです。覚せい剤には絶対に手を出さないようにしましょう。最近は〃注射〃によるもののほか、飲用として密売されている場合(通称「金魚」)がありますので十分気をつけましょう。(写真上参照)それでは、白い粉の恐怖の恐ろしさを訴えた手記がありますのでご紹介しましょう。覚せい剤には手を出すな形を変えた覚せい剤柵柵M1§鋼輔い蝉鎚榊蒸誰擬驚癖猟蕊》鍛鰯》匙翻班輔》震金魚〃私の長男は、十八歳で覚せい剤のとりことなり、精神に異常をきたし、とうとう逮捕されてしまいました。この間の半年以上、私どもの家庭は、生きている希望もなく、地獄のような毎日を送ったのです。l記覚せい剤に手息子を奪われて◇◇◇息子はもともと気の弱いほうで手した二高校を卒業してある会社に就職して少したったころから、これまで聞いたことのない人から電話がかかったり、夜遅く帰宅するようになりました。やがて、少少のことでイライラして怒るようになり、あまり食事もとらず、だんだんやせて目だけがギラギラして顔は土色になってきました。そうしているうちに、会社を無断で休み、働かなくなり、質入れのため部屋からはステレオやカセットが消え、私からお金をせびるようになりました。やがて人の話し声が聞こえるといっては部屋の中を歩きまわり、のぞく者がいるといっては鍵穴から外をうかがったりするようになりました。また、あるときなどは、血走った目つきをして座布団の綿を全部出し、その中を何回も調べ、私が声をかけても全く見向きもせず、同じ動作を繰り返えしていました。この様子は、町内会の回覧板で読んだ覚せい剤乱用者の特徴とそっくりで、他に原因が思い当たらないことから、「間違いない」と考えないわけにはいきませんでした。しかし、親としては確認することが恐ろしかったので、そのままにしていたのです。このころになると家族に対する乱暴もひどく、正常でないだけに手に負えず、息子が家にいると、家族みんながただ息を殺しているだけでした。夫と、ひと思いに息子ともども死のうかと、真剣に話し合ったほどでした。◇◇◇あとで聞いたところ、町で偶然出会った同窓生の覚せい剤乱用者に、好奇心で注射してもらったのが病みつきとなり、あとはただ覚せい剤欲しさで、前後の見境がつかなかったと話していました。現在、息子は、保護観察処分となって帰宅が許され、就職もしました。それにしても覚せい剤の待つ魔力は恐ろしいものです。二度とあのような苦しみを味わわないようにするために、これから家中でお互いに戒め合ってゆきたいと考えています。〈資料提供・警察庁〉去る六月十日に、役場前と城北病院前の二ケ所において行いました〃愛の献血〃につきましては、皆さん方のあたたかいご協力により、前回を上まわるたくさんの方々より献血を賜わりました。また、今回より実施されました四○○邸(前回までは二○○噸)の希望採血を申し出られた方々の善意にも愛の献血に感謝深く感謝申しあげる次第です。今後とも尚一層のご協力を賜わりますようお願い申しあげます。一毎年ワ月は〃社会を明るくする運動〃月間です一“社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯た人たちの更生について理解をi采め、それぞれの立せ、犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする全犯罪の防止と罪を犯し場において力を診合わ国的な運動です。次代を担う少年を非行から守り、非行に陥った少年の立ち直t)を助けるため、地域に理解と協一く防力の輪を広げましょう。ごう非行.助けよう立ち直り:’5:広報じようほく!-387-
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