○城里町土地開発事業の適正化に関する条例

平成17年2月1日

条例第129号

(目的)

第1条 この条例は,土地開発事業の施行に関し,必要な基準等を定めてその適正な施行を確保することにより,開発区域及びその周辺の地域における災害を防止するとともに,自然保護及び環境の保全を図り,もって町土の利用の合理化及び町民の福祉の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「土地開発事業」とは,一団の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。

2 この条例において「開発区域」とは,土地開発事業を行う土地の区域をいう。

3 この条例において「土採取事業」とは,土の採取に係る土地開発事業をいう。

4 この条例において「事業主」とは,土地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないで,自ら工事を施行する者をいう。

5 この条例において「工事施行者」とは,土地開発事業の工事の請負人又は請負契約によらないで,自ら工事を施行する者をいう。

6 この条例において「土提供者」とは,土採取事業に係る事業主に自ら所有する土地の土を提供する者をいう。

(適用事業)

第3条 この条例は,次の各号のいずれかに該当する土地開発事業を除き0.2ヘクタール(土採取事業にあっては0.2ヘクタール又は2,000立方メートル)以上の一団の土地開発事業について適用する。

(1) 国,県及び町その他規則で定める公共的団体が事業主となって行う土地開発事業

(2) 鉱業法(昭和25年法律第289号)に規定する鉱業に係る土地開発事業

(3) 採石法(昭和25年法律第291号)に規定する採石に係る土地開発事業

(4) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第2条に規定する砂利採取業に係る土地開発事業

(5) 農業,林業又は漁業の用に供する土地開発事業で規則で定めるもの

(6) 非常災害のため必要な応急措置として行う土地開発事業

(7) 都市計画法(昭和43法律第100号)第29条第1項又は第2項に規定する開発行為に係る土地開発事業

(8) その他公益の用に供する土地開発事業で規則で定めるもの

(事業主の責務)

第4条 土地開発事業を行おうとする者は,土地開発事業の計画を策定しようとするときは,次の事項を順守しなければならない。

(1) 県及び町の定める土地利用に関する計画その他の施策と調和すること。

(2) 地域住民の意見を尊重し,その理解及び協力が得られること。

(土提供者の届出)

第5条 土提供者は,事業主と土提供に係る契約を締結するときは,あらかじめ規則で定めるところによりその旨を町長に届け出なければならない。

(町長との協議)

第6条 土地開発事業を行おうとする者は,当該土地開発事業の計画についてあらかじめ町長に協議し,その同意を得なければならない。

2 前項の規定による協議を申し出ようとする者は,協議申出書に規則で定める図書を添えて町長に提出しなければならない。

(町長の同意)

第7条 町長は,前条第1項の規定による同意については,次に掲げる事項を勘案してするものとする。

(1) 農業振興地域内農地,集団的優良農用地及び埋蔵文化財並びに天然記念物の保全が図られること。

(2) 地形,地質その他の自然環境条件からがけ崩れ,土砂の流出,地滑り及び出水等の発生が予測される区域は含まないこと。

(3) 次に掲げる自然環境の保全及び災害の防止等の措置が講ぜられること。

 雨水(処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄されたものを含む。)が流入する河川等の排水能力に支障を及ぼさないような措置

 がけ崩れ,土砂の流出,地滑り及び出水防止等の万全な措置

 ため池その他の水面の保全措置

 樹林地の積極的な配置及び保護措置

 地形の最小限の変更,植生の回復等の適正な措置

 治山,治水及び水源涵養に支障を及ぼさない措置

(4) 開発区域以外の道路の保全,整備及び開発に支障を及ぼさないこと。

(5) 農林漁業との健全な調和及び地域住民の生活環境の保持等地域との調和が図られること。

2 町長は,前条第1項の規定による同意については,城里町宅地等開発審査会の意見を聴くことができる。

3 町長は,前条第1項の規定による同意をするときは,その旨を,同意をしないときは,その理由を明らかにして,その旨を協議申出書を提出した者に通知しなければならない。

(設計の基準)

第8条 事業主は,工事の設計(以下「設計」という。)を定めるに当たっては,別表に定める設計の基準(以下「基準」という。)に適合するようにしなければならない。

(協定の締結)

第9条 事業主は,土地開発事業の施行について,町長と協定を締結しなければならない。

(設計の確認)

第10条 事業主は,工事を施行しようとするときは,第7条の規定による同意を得た後,当該工事に着手する前に町長の確認を受けなければならない。

2 前項の規定による確認を受けようとする事業主は,次に掲げる事項を記載した確認申請書に規則で定める図書を添えて町長に提出しなければならない。

(1) 氏名及び住所(法人にあっては,名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 開発区域(開発区域を工区に分けたときは,開発区域及び工区)の位置,区域及び面積

(3) 工事の着手及び完了の時期

(4) 開発区域の敷地(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第1条第1号に規定する敷地をいう。以下同じ。)の区画数及び予定建築物の用途

(5) 請負契約によって工事を施行しようとする場合は,当該工事の請負人の氏名及び住所(法人にあっては名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

3 町長は,前項の規定による確認申請書を受理した場合において,設計が基準に適合することを確認したときはその旨を,適合しないことを認めたときはその理由を明らかにして,その旨を当該確認申請書を提出した者に通知しなければならない。

(知事の意見)

第11条 町長は,第6条第2項に規定する協議申出書又は前条第2項の規定による確認申請書の提出があったときは,知事の意見を聴くことができる。

(設計の変更)

第12条 事業主は,第10条第1項の規定による確認を受けた設計を変更しようとするときは,当該変更に係る部分の工事に着手する前に,当該変更に係る部分の設計が基準に適合するものであることについて,町長の確認を受けなければならない。ただし,規則で定める軽微な変更をしようとする場合は,この限りでない。

2 第10条第2項及び第3項の規定は,前項の確認について準用する。

(防災等の措置)

第13条 事業主又は工事施行者は,工事の施行に当たっては,当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において,次に掲げる事態を生じさせないように適切な措置を講じなければならない。

(1) 土砂崩れ,出水等による災害が生ずること。

(2) 河川及び水路の利水又は排水に支障を及ぼすこと。

(3) 排水路その他の排水施設の使用に支障を及ぼすこと。

(4) 交通に支障を及ぼすこと。

2 事業主又は工事施行者は,工事を廃止し,又は中止しようとするときは,当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において,前項各号に掲げる事態を防止するため,必要な措置を講じなければならない。

(変更等の届出)

第14条 事業主は,次に掲げる場合においては,速やかに規則で定めるところにより,その旨を町長に届け出なければならない。

(1) 第12条第1項ただし書の規定による軽微な設計の変更をしたとき。

(2) 工事施行者を変更したとき。

(3) 工事の着手又は完了の時期を変更しようとするとき。

(4) 工事を2月以上中止し,又はその工事を再開しようとするとき。

(5) 工事を廃止しようとするとき。

(工事の完了検査)

第15条 事業主は,開発区域(開発区域を工区に分けたときは,その工区)の全部について工事が完了したときは,速やかに規則で定めるところにより,その旨を町長に届け出なければならない。

2 町長は,前項の届出があったときは,速やかに当該届出に係る工事が第10条第1項の規定により確認を受けた設計(第12条第1項の規定による変更の確認を受けたときは,その変更後のもの)に適合しているか否かについて検査し,当該工事が当該確認を受けた設計に適合していると認めたときは,検査済証を事業主に交付しなければならない。

(監督処分)

第16条 町長は,工事がこの条例の規定に違反して施行されたときは,当該土地開発事業の事業主,工事施行者又は工事管理者に対して,当該工事の停止を命じ,又は相当の期限を定めてその違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

2 町長は,前項の規定により工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命じようとするときは,当該工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命じようとする者に対し,あらかじめ期日及び場所を通知して聴聞を行わなければならない。ただし,当該工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命じようとする者が正当な理由がなく聴聞に応じない場合は,聴聞を行わないで,当該工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命ずることができる。

3 町長は,災害を防止するため,緊急に必要な措置をとるべきであると認められる場合においては,前項の規定にかかわらず,聴聞を行わないで,当該工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命ずることができる。この場合において,当該工事の停止を命じ,又は必要な措置をとることを命じようとする者が当該工事の現場にいないときは,当該工事に従事する者に当該工事の停止を命ずることができる。

(立入検査)

第17条 町長は,前条第1項に規定する権限を行う必要がある場合においては,その職員に開発区域内の土地に立ち入らせ,工事の状況を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をするときは,その身分を示す証票を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。

(報告の徴収等)

第18条 町長は,この条例の施行に必要な限度において,事業主又は工事施行者に対し,工事に関し,報告又は資料の提出を求めることができる。

(施行の確保)

第19条 町長は,この条例の規定に違反して工事を施行した事業主又は工事施行者に対しては,この条例の適正な施行を確保するため,必要な行政措置を講じなければならない。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

(罰則)

第21条 次の各号のいずれかに該当する者は,10万円以下の罰金に処する。

(1) 第16条第1項の規定による命令に違反した者

(2) 第17条第1項の規定による立入検査を拒み,妨げ,又は忌避した者

第22条 第10条第1項又は第12条第1項の規定による確認を受けないで,工事に着手した者は,5万円以下の罰金に処する。

第23条 次の各号のいずれかに該当する者は,1万円以下の罰金に処する。

(1) 第14条第1号第2号第4号若しくは第5号の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者

(2) 第15条第1項の規定による届出をしなかった者

(3) 第18条の規定による報告若しくは資料を提出せず,又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料を提出した者

(両罰規定)

第24条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前3条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は,平成17年2月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(次項において「施行日」という。)の前日までに,合併前の常北町土地開発事業の適正化に関する条例(昭和48年常北町条例第20号)又は桂村土地開発事業の適正化に関する条例(平成7年桂村条例第1号)(次項においてこれらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分,手続その他の行為は,それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については,なお合併前の条例の例による。

(平成18年条例第29号)

この条例は,平成19年4月1日から施行する。

(平成25年条例第18号)

この条例は,平成25年4月1日から施行する。

(令和3年条例第9号)

この条例は,令和3年4月1日から施行する。

別表(第8条関係)

その1(土採取事業を除く土地開発事業に係る設計基準)

区分

設計の基準

1道路

(1)幅員等

ア 道路の幅員は,4m以上であること。

イ 主要な道路の幅員は,6m以上

(小区間で通行上支障がない場合は,幅員4m以上であること。)

ウ 主要な道路は,開発区域外の平均車道幅員4m以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは,車両の通行に支障がない道路)に接続していること。

(2)構造

道路は,砂利敷その他の安全かつ円滑な交通に支障を及ぼさない構造であり,かつ,雨水等を有効に排出するため必要な側溝・街渠その他適当な施設が設けられていること。

(3)すみ切り

道路が同一平面で交差し,又は屈折する場合は,その角地には,付表のすみ切りが設けられていること。

(4)階段道路

道路は階段状でないこと。ただし,専ら歩行者の通行の用に供する道路で,通行の安全上支障がないと認められる場合は,この限りでない。

(5)防護施設

道路が屈折し,又は道路に接してがけ,水路等があるため,交通上危険のある箇所には防護柵その他適当な防護施設が設けられていること。

(6)勾配

道路の縦断勾配は,9%以下であり,横断勾配は適当な値であること。ただし,縦断勾配については,地形等によりやむを得ないと認められる場合は,小区間に限り12%以下とすることができる。

2排水施設

(1)設置

ア 排水施設は,計画雨水量並びに生活若しくは事業に起因し,又は付随する廃水量及び地下水量から算定した計画汚水量を有効に排出する構造及び能力を有すること。

イ 開発区域内の排水施設は,放流先の排水能力,利水の状況その他の状況を勘案して,当該開発区域内の下水(雨水,処理された汚水等)を有効かつ適切に排出できるように,下水道,排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域に接続していること。

(2)構造

ア 排水施設は,堅固で耐久力を有する構造であること。

イ 排水施設は,コンクリート,れんがその他の耐水性の材料で造り,かつ,漏水を最小限度のものとする措置が講じられていること。

ウ 排水施設は,道路及び他の排水施設の維持管理上支障がない場所に設けられていること。

エ 排水施設の暗渠である構造の部分の内径又は内のり幅は,20cm以上であること。

オ 排水施設のうち,暗渠である構造の部分の次の箇所には,マス又はマンホールが設けられていること。

(ア) 管渠の始まる箇所

(イ) 下水の流路の方向,勾配又は横断が著しく変化する箇所。ただし,管渠の清掃に支障がないときは,この限りでない。

(ウ) 管渠の長さがその内径又は内のり幅の120倍を超えない範囲において管渠の維持管理上必要な箇所

3給水施設

 

ア 開発区域内の生活用水は,原則として町の公営水道の供給がうけられること。

イ 公営水道の供給を受けられない開発区域の生活用水は,次の条件を満たす施設によるものであること。

(ア) 水質が衛生上適当なもの

(イ) 水量が,当該開発区域内に居住することが予定される人口に応ずる必要量を満たすもの

4消防水利

 

開発区域又はその周辺の地域に消防水利として利用できる河川,水路,池沼等がない場合においては,消防の用に供する水利施設等が設けられていること。

5地盤

 

地盤の軟弱な土地,出水のおそれがある土地又は著しく傾斜した土地等が開発区域内に含まれているときは,地盤改良,盛土,段切り等安全な措置が講じられていること。

6擁壁

(1)設置

ア 開発区域内にがけ面があるとき,又は切土若しくは盛土をした土地の部分にがけ面が生ずるときは,当該がけ面が擁壁で覆われていること。ただし,切土をした土地の部分に生ずることとなるがけ又はがけの部分で,次のいずれかに該当するもの又はがけの部分のがけ面については,この限りでない。

(ア) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し,かつ,その土質に応じ勾配が同表の中欄の角度以下のもの

(イ) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し,かつ,その土質に応じ勾配が同表の中欄の角度をこえ同表の右欄の角度以下のもので,がけの上端から下方に垂直距離5m以内の部分

イ ただし書の規定により擁壁で覆うことを要しないときは,石張り,しば張り等の処置により,そのがけ面が保護されていること。

上質

擁壁を要しない勾配の上限

擁壁を要する勾配の下限

軟岩(風化の著しいものを除く。)

60度

80度

風化の著しい岩

40度

50度

砂利,真砂土,関東ローム硬質粘土その他これに類するもの

35度

45度

(2)構造

ア 高さが2m以上の擁壁の構造は,鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・間知石練積み造その他の練積み造であること。

イ 擁壁は,壁面の面積3m2以内ごとに1個の耐水材料を用いた水抜穴(内径7.5cm以上)が設けられ,かつ,擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な部分には,砂利等の透水層が設けられていること。

(3)地表水の処理

切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面の上端に続く地盤面は,特別の事情のない限り,そのがけの反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が設けられていること。

付表

 

道路幅員

4m以上6m未満

6m以上8m未満

8m以上11m未満

道路幅員

交差角

120°

90°

60°

120°

90°

60°

120°

90°

60°

8m以上11m未満

m

3

m

3

m

3

m

3

m

3

m

3

m

3

m

3

m

5

6m以上8m未満

3

3

3

3

3

3

4m以上6m未満

3

3

3

その2(土採取事業に係る設計の基準)

区分

設計の基準

1 土採取

ア 自然の景観を損なわないよう努めるとともに自然の保全に努めること。

イ くぼ地ができないようにするとともに,開発区域に隣接するいずれかの土地のうち,最も低い地盤の高さを下回って採取してはならないこと。

2 擁壁

その1に規定する擁壁に係る設計の基準を準用すること。

3 跡地の整備

土採取後の跡地は,平坦になるように整地し,樹林その他の方法により保全措置を講ずること。なお,跡地整備のため土砂以外の生活廃棄物又は産業廃棄物で,埋戻しをしてはならない。

城里町土地開発事業の適正化に関する条例

平成17年2月1日 条例第129号

(令和3年4月1日施行)