七会村勢要覧 1996(平成8)年 3月
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DISCOVER-7 七会の人 生きるプロセスが、新しい作品を創造する。 春には4(I種100本の梼が咲き、欽には真っ赤な楓 の葉で地面がおおい尽くされる見晴らしのいい丘陵 地に、清水さんの工房がある。 七会村で生まれ、千葉県の製鉄会社に荊佃年勤務 した後、闊芸の道に入る。笠間市で2年、岐阜県多 治見市で1年、再び笠間市で3年修行を頼み、故郷 七会に慧を開いた。 「最初、技工場に入って、職人と一括にろくろを 回してました。幸いと感じたことはなくて、若かっ たし、楽しかったですよ。例えば、一日の潟のみが 100個しかできないHが続くとします。それがある 日急に200個になる時があるんです。手が付いてく るというか、階段を1段上がるように上達するl瞬間 があって、その手答えが嬉しかったですね。」 慧を開いた当時は、窯の中でガス状に熟した塩と 土の成分を化合させる塩軸兢を手がけ、現在は、炭 化焼締の技法で作品を作っている。 「形にしたものを薫も何も掛けないで木の箱に入 れ、そこに木炭やもみ殻を入れて蓋をして焼くんで す。するとカーボン(すず)が生地に一旦浸透し て、焼き終わるころに抜けるんですが、きめの荒い 土からは抜けて、きめ細かい土は簸き締まって中に カーボンが残るe その抜け具合がポイントでしよう か。さらに私の場合は、表面を削ってしまうんで す。そうすると中から、いい世界が出てくると。」 炭化鹿締を手がける人は、燃え上がる炎が表面に 残す模様を活かす場合が多いという。しかし清水さ んは、その一歩先をと「桝る」ことでオリジナリテ ィーを進化させた。繊細な日本菌の世界を見るよう な「竹」の作品は、平成7年度の茨城県芸術祭工芸 部門で特貴を受質している。 このところ東京や千葉など県外での個展が緩いた 清水さん。次回は水戸市で花器展を開くという。 「売ることを考えないで自由な作品を作ろうと患 っています。花器だからといって、水が漏らないと か生けやすいとかを考えると面白味がなくなってし まうから、水が漏ってもいいと(笑)。」 「作品づくりは、何を作るか、そのために何をす るかのプロセスが一番大事だと思うんです。そうい う意味で、これまでの知識や経験がある程度欄ほっ たのが竹の作品だと思いますし、次に新しいイメー ジを膨らませるためにも、プロセスを大事に、さら に勉強していかなければ患っています。そうした得 たものをうまく作品に出していければいいですね。」 生まれ育った七会は自然体でいられる場所、今の 静けさをなくしたくないと清水さんはいう。 清水 正章さん ( ”
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