広報 しろさと No.086 2012(平成24)年 3月
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○貧血症の原因貧血症(狭い意味では赤血球減少症のこと)はその原因により細かく分類されていますが、きわめて単純化しますと(イ)赤血球の造血障害つまり骨髄で赤血球をつくる過秘のどこかにトラブルがあるものと、(ロ)赤血球はつくられるが出血により失ってしまう場合や免疫の作用により本来の赤血球寿命(約4カ月といわれます)よりはやく体内で破壊されることによるものがあります。(イ)には免疫の働き等により骨髄の造血幹細胞自体が少なくなってしまう再生不良性貧血(しばしば白血球数、血小板数も少なく汎血球減少症を呈する)、造血に必要な物質たとえば鉄分やビタミンが不足した場合の貧血が含まれます。ビタミンB理が欠乏すると赤芽球(将来赤血球となる元の細F1■⑳健康コラム貧血検査からわかること(2)国保七会診療所上井雅哉○平均赤血球容秋による貧血の分緬貧血の診断に有用な指標がもう一つあります。平均赤血球容秋(MCVと略される)がそれです。貧血検査の指標を組み合わせ、平均赤血球容秋(フェムトリットル)Ⅱ血球容讃(%)×、.|・赤血球数(100万/マイクロリットル)で算定され、基準値の例は副〜100(施設により異なる)です。MCVが80以下の小球性貧血胞)のDNA合成がうまくいかないため血球は骨髄内で壊れてしまいます。また、鉄欠乏はへモグロビンが合成されないためやはり赤血球になれずに崩壊します。(ロ)のうち赤血球寿命の短縮をきたす貧血を溶血性貧血と呼んでいます。造血能が低下している(イ)と血球が減ったことが引き金となりむしろ赤血球を盛んに作り出している(ロ)とを見分けるために役に立つ指標があります。網赤血球とは赤芽球から核が失われたばかりの若い赤血球をいいますが、その絶対数を知れば骨髄の造血の状態がわかります。網赤血球数の明らかな増加があれば骨髄での赤血球造血が盛んであるといえます。P園○鉄欠乏性貧血貧血検査で小球性貧血があり、貯蔵鉄の指標であるフェリチンが低下していれば診断はそれほど難しくありません。また、胃腸障害に注意すれば、経口鉄剤の内服で貧血が劇的に改善することも少なくありません。ただし、背景にある貧血の原因がなんであるか調べることがとても亜要です。思春期であれば急激な成長、偏食、月経開始による鉄需要増加から不足するでしょうし、成人女性であれば妊娠、出産、授乳にともなう貧血が起こるでしょう。また、中年期以降であれば、消化管、尿路系の病的出血や、月経異常の有無をよく調べることが大切です。痔の出血は少量としても毎日少しずつ繰り返し起これば鉄欠乏性貧血の原因になります。貧血検査ががんの早期発見のきっかけとなることもあるので、定期的な検診はきちんと受けていただきたいと思います。の代表として、鉄欠乏性貧血があげられます。一方MCVが101以上の大球性貧血には、ビタミンB理欠乏症などの巨赤芽球性貧血が含まれます。ちなみにそれらの間の数値を示す場合は正球性貧血と呼んでいます。一町では、特定健診の対象となる40歳から74歳までの方の健康診査結果を継続的に管理することで身体状況の把握に努めています。また、その結果生活習慣の改善が必要と判定された方に対して特定保健指導を行うことで、生活習慣病の予防に努めています。今年度(平成23年4月1日~平成24年3月31日)において、町で指定した会場で実施した健康診査(町補助のドックを含む)を受診した方は、12月末現在で対象者全体の47.6%(平成23年度城里町の目標値60%)となっています。町の健康診査以外に勤務先や病院等で、健康診査診を受診された方についても、結果を把握し、必要な特定保健指導を行う必要があるため、勤務先や病院等で受診した健康診査結果(写し)の提出にご協力をお願いし藷こ提出満みの方は引き縦き来年礎もご協力をお願いいたします。’問合せ・提出先保険課(常北保健福祉センター1階)特定他診担当公029-288‐3111(内線372)⑲2012年3月・広報しろさと

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