広報 しろさと No.060 2010(平成22)年 1月
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国保七会診療所上井雅哉健診で血中脂質検査の異常を指摘されたら〈前編〉「LDLコレステロールが高め」は狭心症、心筋梗塞の危険因子となる、ということは特定健診事業や最近のテレビCMでの啓蒙を通してかなり認識されるようになってきました。食の欧米化や運励不足を背景として冠動脈疾服や脳梗塞のリスクが増えてきており、LDLコレステロールの管理が予防のうえで大変璽要です。動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版によると、高コレステロールの診断基準から総コレステロール値が外され、LDLコレステロール高値(140唾/亜以上)、HDLコレステロール低値(如雌/“未満)、中性脂肪高値(150噸/亜以上)が基準とされました。また、低HDLコレステロール血症を含むため、a表現として違和感のある一’高脂血症」より「脂質異常症」が使われるようになっています。コレステロールや中性脂肪はアブラですので、リポ蛋白というかたちになって初めて血液中に溶け込むことができます。粒子状のリボ蛋白は、脂質が多く比重が低い順にカイロミクロン、超低比重リポ蛋白(VLDL)、中間比重リポ蛋白(IDL)、低比重リボ蛋白(LDL)、高比重リポ蛋白(HDL)に分類されます。このうち末梢組織にコレステロールを運ぶLDLコレステロールは増えると動脈壁にコレステロールを蓄執させてしまうため「悪玉」と呼ばれます.一方動脈壁から余ったコレステロールを肝臓内に回収するHDLコレステロールは「善玉」と呼ばれるわけです。食べすぎや脂肪の取りすぎでLDLが増えすぎたり、HDLが減ったりするとHDLが回収しきれないコレステロールが出てくるようになり、これが動脈硬化につながるのです。過剰では疾患のリスクとなるコレステロールですが、体の細胞膜の材料、また副腎皮「質ホルモン、性ホルモンや胆汁酸(脂肪の消化を助けるとともにコレステロール排池の意瀧をもつもの)の材料としてなくてはならないものです。体に必要なコレステロールのうち3分の2は肝臓で合成され、残りは食物から取り込まれますが、総量が一定となるよう調節されています。同じ人でも冬期は夏季より1〜2割高値、また、閉経前の女性は同年齢の男性より低値の傾向があるといわれます.一方中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールが結びついたもので、輔質摂取が足りなかったり、通勤でエネルギー不足になったりしたとき、脂肪酸に分解されエネルギーとして使われます。しかし必要以上の中性脂肪は肝臓に取り込まれるか、体脂肪として蓄積されます。蓄績されすぎた中性脂肪は、肥満や生活習慣病の原因になる恐れがあります。中性脂肪値は食事の影響を受けやすいため、正確に評価するためには空腹時の採血が望ましいとされています。(続きは3月号に褐戦します)『、生活習慣病を予防するために回一‐コミュニティセンター城里広場ほか特定健診を受診し生活習慣病になる可能性が高いと診断された方だちが、生活改善のためのカリキュラムに取り組んでいます。特定健診を受診し生活習慣病になる危険が非常に高い方などに対して6か月の行程で行われている特定保健指導積極的支援「メタボ大捜タ灘’査線」。平成21年度は21人の参加者が2グループに分かれ生活改善のだめの指導や支援を受けており、皆さん毎日万歩計を装着し理想の身体づくりに励んでいます。また、生活習I慣改善が必要とされる方に対し行っているのが生活習慣病予防教室「元気チヤしンジ教室」で、運動指導を中心としだ全6回の行程になっています。11月24日には第2回目の教室が行われ、「ウオーキングのススメ」と題し、現役の女子サッカー選手でもある運動指導士、菅野先生の指導を受け、役場敷地内のスダジイの木の周りをウォーキングしました。牛活習慣病予防に非常に効果があるとされている運動やウオーキン久参加者は日ごろの運動不足をしみじみ感じたようで、「時間をつくって歩かないといけないね」との声が聞かれました。※特定保健指導積極的支援は、生活習慣病の治療をしていない40歳から64歳までの方で、内臓脂肪の蓄積(腹囲男性85cm以上・女性90cm以上またはBM!が25以上)に、高血圧、脂質異常、高血糖、喫煙などの危険因子が2つ以上重なった方が対象となります。(BMIでは3つ以上)L』⑲2010年1月・広報しろさと

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