広報かつら No.378 2001(平成13)年 11月
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お年寄りの住まいの 高齢になると、階段やお風呂など家の中でけがをするのではないか、 賃貸住宅への入居を断られるのではないか、といった住まいに関するさまざまな不安が生じてきます。 そうした不安をなくし、高齢者が安心して生活できる居住空間をつくるため、 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が今年四月に制定されました。 次のような≡つの柱で、高齢者にやさしい住まいづくりが進められます。 民間賃貸住宅では、「家賃 の不払い」や「病気」 「火災」 などの不安から「高齢者入居 不可」としているところが少 なくありません。 この法律では、高齢者が円 滑に入居し、安心して生活で きる賃貸住宅市場を整備する ために、次のような新たな制 度が導入されました。 高齢者世帯の入居を拒まな い賃貸住宅が、都道府県知事 (またはその指定機関) に登 録し、高齢者にその賃貸住宅 情報を提供する体制が整備さ れます。 「高齢者向け優良賃貸住宅 制度」 の助成を受けた住宅は、 必ずこれに登録することとな っています。 高齢者世帯の入居を拒まない 賃貸住宅の 登録・閲覧制度 高齢者がバリアフリー化さ れた賃貸住宅に終身にわたっ て安心して住み続けられるた めの仕組みとして、「終身建 物賃貸借制度」が創設されま す。これは、知事の認可を受 けた賃貸住宅について、賃借 人が生きている限り続き、死 亡したときに終了する、借り た人本人の一代限りの借家契 約です。 なお、配偶者など一定の同 居者は、借家人死亡後も継続 して居住できるように配慮さ れています。 また、登録された住宅には、 万一、入居した高齢者が家賃 を滞納した場合、高齢者居住 支援センターが家賃の債務保 証(六か月を限度)を行います。 高齢者が安心して 住み続けることのできる 終身建物賃貸借制度 階段や部屋の入り口などに段差が多く、お風呂やトイレに手す りがなく、廊下などのつくりも狭い日本の住宅。看いころには不 便がなかったこうした住宅も、高齢になり、身体能力が衰えてく ると段差につまずいたり、転びやすくなったりするなど使い勝手 が悪くなってきます。そのため、家の中での移動や入浴などの動 作にも、周囲の人の手助けが要ることが多くなります。住宅のバ リアフリー化によって、そうした不便が解消され、高齢者が自分 で動きやすくなり、介蓋青も介護がしやすくなります。 手すりは連続して設置 部屋の仕切りの 段差を解消 (資料提供=国土交通省) 無感 ・…‥広報かつら11月号……
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