広報かつら No.358 2000(平成12)年 3月
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未来を守る新エネルギー 現在、エネルギー生産の中心となっているのは石油、石炭、天然ガスなどの化 石燃料です。しかし、化石燃料には限りがあり永遠に使い続けることはできませ ん。そこで、期待されているのが、風力発電や燃料電池、天然ガスコージェネレ ーションなどの新エネルギーです。ここでは、「廃食油の再利用」「バイオマスエ ネルギー」「太陽光発電」など、未来を守る新エネルギーについて紹介します。 ふだん、みなさんの家庭では 使わなくなった食用油、いわゆ る廃食油はどのように処理して いますか? 多くの方は固めて 燃えるゴミとして処分している のではないでしょうか。 いままで、この廃食油が石け ん、塗料などの原料として利用 されている例はありますが、最 近、家庭から出される廃食油を 回収し、再生工場で化学反応さ せ、ディーゼルエンジン燃料と して再利用する新エネルギーに 関心が集まっています。 植物油にメタノールと水酸化 ナトリウムを加え化学反応させ ると、メチルエステル=ディー ゼルエンジン燃料とグリセリン ができ、グリセリンを主とする 副生成物に適正な処理をします。 この燃料を「エステル化燃料」 といいます。すでに一部の地域 で「エステル化燃料」を使用し た、配送車やゴミ収集車が走っ ています。 廃食油を利用した 新エネルギー 河川、湖沼などの水質汚染の 原因の一つである廃食油。各家 庭で使いきることが一番ですが、 個々の問題で、徹底するのは難 しい面もあります。 環境を守るために、廃食油を 「エステル化燃料」としてリサ イクルする新エネルギーは、い ま注目されています。 光合成によって太陽エネルギ ーを蓄えた植物を、エネルギー として利用するもので、森林資 寺;さ 源から得られる薪、木炭などの バイオマスエネルギー 個体燃料のほか、アルコール発 酵・合成などから得られる液体 燃料、家畜の抑献物などのメタ ン発酵から得られる気体燃料が バイオマスエネルギーといわれ ています。 バイオマスを燃焼させてエネ ルギーとして利用しても、もと もとは大気中の二酸化炭素が固 定されたものを使っていますの で、利用と同時にバイオマスを 育てれば、バランスを壊すこと はありません。バランスに気を つけて大切に使えば、無くなる ことのない再生可能なエネルギ ーです。 バイオマスは同じ土地から繰 り返し収穫できます。たとえば サトウキビのしぼりかすを使っ たり、大豆加工工場から出る廃 /′、ヽ 液をメタン発酵させたりして、 クリーンエネルギーをつくるこ とができます。 地球温暖化防止に役立つ新エ ネルギー形態の一つとして、期 待されています。 太陽光を利用したエネルギー は、無限のエネルギーといえま す。シリコン半導体などに光が 当たると電気が発生する現象を 利用した太陽電池を使って、「太 陽エネルギー」を直接電気に変 える発電方法です。 太陽電池は、時計、電卓、ソ ーラーカー、給油所、人工衛星 などに使われています。また、 太陽電池の直流電流をインバー タで交流電池に変えて、住宅に 利用する人も増えています。 太陽光発電 (13)
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