広報かつら No.356 2000(平成12)年 1月
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新成人に贈るメッセージ 2000 伊達公子さん (元プロテニスプレーヤー) 高校を卒業と同時にプロの世 界に入りましたが、プロになっ たのは、もっとテニスがしたい、 強くなりたいという気持ちから でした。 高校三年ごろから二十歳にか けて、やっと「自分のテニス」 に対する意識が出てきて、ただ テニスが強くなりたいと、がむ 一年後、どんな自分でありたいか。 自分なりの目標を見つけてほしい。 ′T\ しゃらに突っ走っていましたね。 そんなわたしが具体的な目標 をもつようになったのは、プロ 転向後のケガがきっかけでした。 テニスができなくて落ち込みま したが、を補強できるいい 機会なんだと、気持ちを切り替 えました。そして、身近なとこ ろから目標を定めてやっていこ うと思うようになったのです。 成功も失敗も糧にして 最初の目標は、世界ランキン グの百位に入ることでした。手 が届きそうで届かないくらいの 目標を定めて、それがクリアで きたら、また新たに次の目標… と。そんなふうにいつも身近な 目標をもっていましたね。 そのころ、日本人で一位の選 手が世界ランキングで二十五、 六位だったんですけど、それよ りもっと上にいきたいというの がわたしの夢でした。夢はなか なか叶えられないものですが、 夢に近づくための身近な目標な かな ら叶えることができるんです。 テニスは個人競技ですから、 自己管理を自分でやらなければ いけません。練習をさぼろうと 思えば、いつでもできたけれど、 負ければやはり悔しいですから、 何がいけなかったのかを考える んです。悔しい思いが次の意欲 になって、目標をクリアできた のだと思います。成功も失敗も 次の目標の糧にする、それがと ても大事だということを、現役 時代に学びました。 身近な目標への努力が 次の意欲になる いま、わたしは「カモン!キ ッズテニス」というテニス教室 を開催し、子どもたちにテニス の楽しさを伝えるため、全国を 回っています。ただテニスの技 〆魁「 術を教えるのでなく、スポーツ をしてると、素晴らしいことに 出会えるのだということを子ど もたちに伝えたい。子どもたち の可能性を引き出すきっかけづ くりができれぼと撃っからです。 引退して三年余りがたち、以 けいこ 前からやりたかったお茶の稽古 もできるようになり、これまで と違う新たな目標づくりをと思 っています。皆さんもぜひ何か 目標を見つけてください。 まず、一年後、二年後にこう なりたいという、自分の姿を描 いてみてください。小さな目標 でも、それに向かって努力すれ ば、必ずパワーになると思いま す。そしてその力は、次なる意 欲へときっとつながっていくと 思うのです。 (談) ●だて・きみこ●1970年生まれ。89年、プロテニスプレーヤーとしてデビューし、94年WTAランキング自己最高4位、 95年フレンチオープンペスト4、96年ウィンブルドンベスト4など、世界のトッププレーヤーとして活躍。96年に引退。 現在は子どもたちにテニスを教える「カモン!キッズテニス」の主宰や執筆活動などで幅広く活躍。 (9)

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