広報かつら No.344 1999(平成11)年 1月
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海外研修視察に参加して 関 智美 この度、私は海外研修視察 に参加しました。イギリス・ ドイツ・フランスの三ケ国を 八日間で視察するという内容 でしたが、この短い期間での 内容の充実さに驚くとともに 多くの事を学ぶ事ができまし た。 この研修の中で最も強く印 象に残ったのが、社会福祉の 一環として訪問したイギリス のデイケアセンターです。我 が国の文化の歴史が、中国大 陸やヨーロッパの文化に影響 されて培われてきたように、 我が国の福祉においても時の 先進国がお守ぼした影響には 大きなものがありました。 私は仕事上、県内の老人福 祉施設を何施設か見る棟会が ありましたが、歴史は違うけ れども施設的には日本と大き く異なる点は見られませんで した。しかし、懇談をしてみ て、働いている人々の考え方 が根本的に異なる様に感じま した。日本人はこういった施 設を運営するにあたって、ま ず資金を考える。懇談会での 質問にもやはり補助金等の内 容が多かった。来年、補助金 が減額されてしまうという話 だったが、職員は動じていな い様だった。なぜならば、彼 らが一番に考えている事は、 「経営」 ではなく「ボランテ ィア」だからである。 ボランティア活動は、いわ ばしたくなければしなくても よい行為である。それでも尚、 これに取り組もうとする人々 を突き動かすエネルギーの源 は、一体何であろうか。単に 中世の教会、修道院を中心と する救貧・慈善事業が原点だ からとは言いきれない。しか し、彼らの熱意ある話を聞い ていて、理解することができ た。そこに浮かんでくるのは、 自分の人生を真剣に生きよう とする姿、富や名声その他の 利益を得る目的ではなく、他 から強制されたものでもなく、 自らの意思で人々の為に自分 を役立てようと望み、自分の 持てる知識・技能・労力・経 験・時間等を提供する真撃な 人間像である。今までの私自 身の仕事の価値観との違いに 大変驚かされ、そして強く反 省させられた福祉施設の視察 でした。 研修の中で最も多く滞在し たドイツでは、住み良い活力 のある村づくりを学ぶ為、バ ( イエルン州シェルナッハ町の グリーンツーリズム農家民宿 家庭へ宿泊しました。これは 「農家で休暇を」事業で、国 をあげて支援している観光農 業です。近隣には、環境保全 しながらも様々な娯楽施設が あり、観光客を呼び収入をあ げていて、町おこしにも成功 しているとの事でした。もち ろんグリーンツーリズムだけ での成功ではありません。 町長の案内で公共施設二 股廃棄物リサイクル分別基地・ 幼稚園・農協・銀行などを視 察させて頂き、働く人々の話 を聞いて感じたのは、ただ単 に裕福な町というだけでなく、 町民に魅力ある・環境に優し い・住み良い生活環境づくり を町民が一丸となって目指し ているという事だった。 その筋呆、十八歳以下の人 口が20%という若者に魅力の ある町になったのである。 これだけの成功があるにも かかわらず、町長は 「今はま だ成長途中である。」と言う。 私もこの向上心を見習い、 もう少し自分の住んでいる村 に日を向けて、まず小さな辛 から村づくりをしていきたい と思った。 この研修を通して感じたの Ⅳn 氏 名 住 所 年齢 性別 職業 備考 ロ 冨 田 仁 佐相大字上坪3896→1 39 男 会社員 2 三 村 優 子 ク 孫棍1206 23 女 会社員 3 関 智 美 ク 阿波山6211 23 女 会社員 4 青 木 走 司 〃 北方2941 60 男 無 職 5 小 林 健 治 ク 錫高野43 68 男 農 業 6 坂野辺 かなえ 〃 二孫根768-2 62 女 農 業 7 小 林 勝 夫 ク 高根144 59 男 農 業 8 加藤木 勝 利 ケ 高久299 59 男 会社員 9 今 瀬 忍 〃 下坪2140 38 男 Jヱほ戸壌員 幹 事 10 皆 川 静 夫 〃 下阿野沢418 69 男 農 業 田 大 畠 義 幸 〃 阿波山637 70 男 農 業 12 ト 部 道 子 〃 上坪1388-1 62 女 無 職 13 佐 川 圭 子 ク 上坪859 56 女 地方蛸員 幹 事 14 武 井 革 袴 ク 錫高野1988-2 69 男 農 業 団 長 15 大 津 浪 雄 ク 上坪542 50 男 飲食業 猪 野 一 江 ク 上坪2朝5 53 女 会社員 関 東 ケ 阿波山1026 60 男 無 職 幹 事 18 冨 永 典 明 ケ 北方2038 69 男 無 職 19 小 林 志曹江 〃 阿波山989 67 女 製造業 副団長 20 三 村 敏 男 ケ 錫高野1033-1 50 男 中央公民盤 事務局 21 関 根 一 利 ク 阿波山621-1 37 男 企画課 事務局 は、働く人達、地域の人達が、 常に人々に何をしてあげられ るか、どうしたら町全体が良 くなるかを考えているという 事でした。人々は皆、そうい った大きな観点でものを見、 行動している。 今までの私は、いつも自分 の周囲しか見えていなかった 気がします。このままでは、 自分の進むべき方向も見失っ てしまうでしょう。 これからは、もっと大きな 視野を持ち、自分は桂村の為 に、日本の為に、あるいは世 界の為にしていかなければな らない事は何であるか、常に 考えて生きていきたいと思い ます。 ′l (14)

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