広報かつら No.320 1997(平成9)年 1月
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桂村の皆様、新年おめでと うございます。村民の皆様に はお健やかな新春をお迎えの こととお慶び申し上げます。 本年もより良い年であります ようお祈り申し上げます。 昨年を振り返って見ますと 怒りと悲しみの激動の年でし た。国内外とも思いもかけな 桂村の皆様、明けましてお めでとうございます。 本年も又、厳しい食糧環境 下でございますが、私共農業 委員一同、日本国民の生命を 守る米の需給と価格安定のた め、懸命に運動を続けてまい ります。 米過剰を招いた基本的要因 桂村農業委員会長 桂村教育委員長 小 林 弘 輝堺市の小学校において発生し た病原性大腸菌0157によ 林る食中毒が大量発生し、一気 に全国にまん延し多くの犠牲 \ バ.者が見られ、不安をもたらし ましたが、幸い本村において はその発生が見られなかった ことに対し、関係者皆様方の 御指導御協力によるものと厚 くお礼申し上げます。この後 遣症はこれからも続くと思わ れますので、益々の安全性を 保つよう実践して参りたいと 思います。何かと大きな影響 を及ぼしてきた年ではなかっ たかと思います。国内の政治 男 は、国の農政の欠陥でありま す。なぜ国民食糧の安定供給 のための政策が国をあげて行 われないか、生産者の努力だ けではどうにもならないこと を十分承知して行動を願いた い。昨年農地改革50周年を迎 えました。戦争に負けて、土 地開放政策がなされ、平等な 土地所有者が実現しましたb 農地は、耕作者白からが所 有すること、耕作目的以外は 排除された50年後の今日、後 継者不足、高齢化による耕作 放棄があらわれており、農地 改革とは果して何であったか い重大な出来事が起こりまし た。特に、昨年7月、大阪府 /l 経済も、めまぐるしく変化し、 行財政改革を最大の課題に掲 げた第二次橋本内閣が発足し たところでありましたが特養 ホームへの補助金交付に対す る不祥事と全く不透明な年で した。こうした世の動きの中 にあっても本村の教育振興に あっては行政関係者の皆様、 村民の皆様が真筆に築きあげ てきたお陰をもって着実な歩 みを進めていることに厚くお 礼申し上げます。本年は、こ うしたことを踏まえて、高度 情報化・国際化・高齢化など の激しい変化に対応して、心 豊かな人間の育成が求められ ていると同時に知・徳・体の 農政の不手際に疑健の念をい だかざるを得ません。 しかし、私共は、過去の遺 産を受け継いで、現在を手に しておるのですから、過去を 捨てる愚行は許されないこと です。佐賀県に住む農民作家 の山下惣一さんは「物におぼ れて心忘れた日本人」 と題し 次の様に論説されております。 「黒字国日本は、見違える程豊 かになった。だがそれは物基 準としての事象に過ぎない。 肥大した物質文明の陰で心が 押しっぶされている。物が増 えた分だけ他人への配慮をな バランスのとれた教育と一人 一人が自ら自分のよさや可能 性を伸ばし、その自己実現方 を支援することが必要であり 積極的に展開されることを期 待します。本年は心の豊かさ を醸成する生涯学習の推進と 文化の更なる活性化への図書 館等の建設が進められており ます。村民の皆様にも深い御 理解のもとご協力をいただき、 行政・学校・家庭・地域の皆 さんの心の豊かな桂村が実り 多い年となりますよう、ご祈 念申し上げまして、年頭のご 挨拶といたします。 くし、自分だけ良ければと無 意識な考え、行動が相手を傷 つけている」と極めて理路整 然としております。鋭意農業 と取り組み、農業にて食べて 行ける農家群の育成こそ急務 の策でございます。認定農家 の育成、農業後継者による請 負耕作の仕組、村をあげて運 営の妙を見い出していただく ことが緊要であります。桂村 の土地を愛し、種村に住むす ばらしさを心に刻み、ご健勝 にて過ごされますことをご祈 念いたし、年頭のごあいさつ といたします。 ′\ 見も知らぬ若夫婦がその老い 母を労るさま湯宿に心暖まる 佐川 あや 連動ボタンを押せば小さく灯 かん の点る鳥取図に孫の瞳輝く 杉山みち子 えん 梨の園に久しぶりに出でぬ病 癒えて家族と共に働ける幸 宮本ふみ江 や 学び舎と動員終戦引き揚げ後 生き来し苦労話止まぬ同窓会 山形 式妙 花嫁となる日も近き娘の姿見 ることなく逝きたり汝は 渡辺千妙子 墓石を撫でつつ老いがつぶや けり「来年は来られぬ歩けぬ から」と 綿引 栄子 ふる里の庭に旅人のごとく仔 ち露草の藍深き花摘む 青柳 京子 乾きたる畑を台風の過ぎゆき ぬ早も芽生えし野菜痛めて 石井きぬ子 遠ざかる能登の海辺に岩のり を然して採りゐる老女が一人 大森 久子 夜つぴいて乾燥機の音の響き さか つつ稲のとり入れ盛るわが村 高堀よしの かつら文芸 」 .._‖._.._.._.._.._.. 税金を 納めて潤う 我が暮らし 峯島 厚(桂中3年) (4)
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