広報かつら No.318 1996(平成8)年 11月
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部(食べられる部分)一 〇〇グラム当たりに、カ ロチン (カロテンともい う)を六〇〇マイクログ ラム (=〇・六ミリグラ ム)以上含んでいるもの を有色野菜としており、 成分表の備考欄には、㊨ の符号が付いています。 近年、健康的な食生活 を送る上でカロチンが注 目されており、それを多 く含んだ有色野菜への期 待もますます高まってい るのです。 有色野菜は ビタミンAの供給源 カロチンはだいだい色をしています。 カロチンを多く含んでいる野菜は通常、 クロロフィル (葉緑素)も多く含み、 その強い緑色にカロチンのだいだい色 の野菜」 に分類されます。「日本食 品模準成分表」 では、野菜の可食 野菜は、「有色野菜」 「その他 が隠れてしまい、全体的には緑色をし タミンAの約七〇%を、カロチンから 摂取しています。カロチンは、人間の 体内に入るとビタミンAに変換されて 働くため 「プロビタミンA」と呼ばれ ている場合が多くあります。果皮(野 菜の表面)だけでなく、中の果肉まで 赤や黄、緑といった濃い色 をしています。代表的なも のに、ホウレン草、カボチャ、 ニンジン、青菜類、シソ、 ニラ、パセリなどがありま す。 野菜は一般的に、熱量 (カロリー)が少なく、ビタ ミンCやカリウム、食物繊 維、ミネラルであるカルシ ウムを多く含んでいます。 とりわけ有色野菜はビタミ ンBIB2、Eや、鉄分など そのはかの、、、ネラルに富ん でいます。しかし、有色野 菜が重要視されているのは ビタミンAの供給源として の役割が大きいからです。 日本人は、一日に必要なビ (、 ています。 食卓を彩る 有色野菜 ビタミンAは、不足すると目や 皮膚などにさまざまな症状を引き 起こしますが、逆にとり過ぎても よくありません (過剰症)。しかし、 カロチンはピタ、、、ンAへの転換率 があまり高くないので、過剰症の 心配はありません。 プロビタミンとしての役割のほ かに近年では、カロチン (特にベー タ・カロチン)ゐもつ 「抗がん作 用」が明らかにされつつあります。 このように、カロチンは今後、ま すます注目されるでしょう。 カロチンをたくさん含んだ有色 野菜は、栄養的に優れた 「健康食」 です。と同時に、食卓を美しく彩 る黄、緑、だいだいなどは、食欲 をそそるための 「健康食」 といえ るでしょう。新鮮な旬のものを毎 日、食卓にのせたいものです。 健康と栄養・ひとロメモ ▼カロチン含量の多い野菜を、栄 養指導上は 「緑黄色野菜」と呼ん でいます。カロチン含量が六〇〇 マイクログラム以下の野菜でも、 摂取頻度や一回の摂取量が多いも のは緑黄色野菜に分類されます。 例えば、グリーンアスパラガス、 サヤインゲン、オクラ、キンツァ イ、ジュウロクササゲ、シシトウ ガラシ、タイサイ、トマト、ピー マン、芽キャベツなどです。 ▼カロチンは、油脂類と一緒にと ると吸収率がよくなります。ニン ジンなどはゆでるより、油でいた めるなど、調理の際にひと工夫し てみましょう。 ●nl)●●広報かつら 11月号●
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