広報かつら No.312 1996(平成8)年 5月
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の絵を見るようだった。 斑鳩町に観光課が出釆たのは、 平成六年で、それまでは、観光 客が多すぎて(年間200万△ その対応に追われていた。ふる さと創生事業の他に、ポケット パークニカ所が完成していた。 ポケットパークのあずま屋も法 隆寺の夢殿を縮小した立派なも のであった。さすが歴史の町と いう感を強くした。 また、文化財を保護するのが 観光課の仕事というのもうなず けた。 町のバスで、藤ノ木古墳・道 標・案内地図板・ポケットパー ク・電線を地中下した法隆寺周 辺・上宮遺跡を見学した。 ∫甘一 「健康と福祉の町」 三重県青山町は、伊賀盆地 の南に位置し、町の80%が山 林で、面積108・68撼。 人口約12、000人の山村 である。 大阪へ電車で一時間の距離 にあり近年宅地造成が行なわ れ人口が増加している。 産業の主なものは農林業で、 農業では、米・そ菜類・シイ タケ等で特筆すべきものはな く最近無農薬米の出荷が増え ′lヽ ている程度である。 主幹産業は林業で、良質の スギ・ヒノキなどの素材産業 である。 今回は、青山町の 「健康管 理茶」に的をしぼって学んで 釆た。「健康管理センター」 は、新しく造成された団地の 中にあり、専任の相談員を配 置し、相談室・検診室・会議 室・調理室を備え、町民の総 合的な健康づくり対策を行な う拠点となっている。 はじめに、大橋センター所 長に案内されて青山町の地形 を鳥かんした。関西の軽井沢 といわれる高原の町で、宅地 のすぐ近くに棚田があり、そ の先は山また山であった。 この山野に自生している薬 草と、この地に古くから伝わ る民間療法龍注目し、大橋所 長が中心になって保健婦・看 護婦・栄養士らのスタッフが 123種の薬草を確認した。 この中から帥種の薬草を採取、 煎じて飲用を試みたそうであ る。さらに研究を重ね7種類 の薬草を選びブレンド▲して 「健康管理茶」(けんかん茶) を完成させた。 この「けんかん茶」作りは、 初めボランティアでスタート したが、四年目に入った今は、 「健康管理茶普及会」を結成 し、会員は自分の仕事量 (採 取量や作業時間)を自己申告 し、その仕事量に見合う完成 品を受け取っている。 平成6年度には約3-生産 し、現在愛飲者は3000人 と多く、県地域活性化センター から町おこし地域産品に指定 された。 厚生省の補助も受け、NH Kのローカル放送で放映され たこともあって、問い合わせ が殺到し、生産が追いつかな い程になっている。 住民の健康と福祉のために 始めたことが思わぬ収益にも つながった。 7種の薬草のうち、品薄の テキメン草とアマチャヅルは 休耕田を利用した栽培へと発 展し、高齢者の生きがいづく りや、町民の仲間づくりにも 役立っている。 さらに、この 「けんかん茶」 を飲むようになったら「体の 調子がよい」という人が33・ 5%にもなり町の医療費が減 少傾向にあるという。 当センターでは、「薬草入 り安眠枕」や「入浴薬草」な ども開発し、人気を集めてい る。 ▲人材育成事業参加者 ●(3)●●広報かつら 5月号●
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