広報かつら No.306 1995(平成7)年 10月
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昔は、嫁は、「ご飯が上手に 炊けて一人前」 と姑さんが言 ったものです。ところが、炊 飯器が登場して以来、ご飯炊 きには苦労がなくなりました。 しかし、おいしいご飯を炊く には、〝技術〞がいります。 お米は袋に入れたままにし ておくと、蒸れて昧が落ちま すので米びつに移すのがよい てしょう。 お米を炊〈前に、お米に十 分に水を吸わせます。炊く一 時間半前にお米をといで、ザ ルに移します。そのまま30分 ほどサルにあげて水気を切り ます。その後で炊飯器に移し、 一時間ほどおいてから、スイ ッチを入れます。お米は、と いだ後、少なくとも野分は水 を吸わせましょう。こうすれ ば、お米はおいしく炊き上が 十分に水を吸わせて ご飯め上手葦炊き方 早いので、とい てから川分ほどおくだけで炊 けます。 昔と違ってお米の品種改良 が進み、おいしいお米がたく さん出回っていますが、おい しいのは、なんといっても新 米と精米したばかりのお米で しょう。新米は水加減が大切。 普通は、お米の分量の20%増 しの水で炊きますが、新米は お米自体の水分が多いので、 水はお米と同量か10%増しぐ らいの控えめにします。古米 は逆に乾燥していますから、 水を30%増しとやや多めにし ます。 しんの残ったお米ほど、ま ずいものはありません。我慢 して食べる前に、お酒で蒸し てみましょう。炊き上がった 炊飯器のご飯に、手早くハシ でいくつかの穴を開け、米3 カップに大さじ一杯の割りで 日本酒を振りかけ、弱火で5 分ほど蒸すと、お米のしんが 抜けます。 ります。 急ぐときは、 ぬるま揚で炊き ます。ぬるま湯 だとお米が水を 吸収する時間が 白菜をおいしく漬けるには、 必ず新鮮な材料を使うように しましょ、つ。 白菜は、縦四つに割るか六 つに割ります。根元に切り込 みを入れて、手でさくように して割ります。切り口を上に して、半日ぐらい天日で干し ましょう。直射日光に当てる と、甘味が出ます。干した後 はよく水洗いをして、軽〈水 を切ります。 白菜漬けは、下溝けをした 後に本漬けをします。下溝け は、白菜と塩だけで漬けます。 白菜二株(約五キロ)に対して 塩百二十五グラム (白菜の重 きの二・五%) で漬け込みま す。容器の底に分量を計った 塩の一部をふり、白菜の切り 口を上にして菓と茎を交互に 一列に並べ、その上に塩をふ っていきます。二段目以降も 半日ぐらい天日で干す 白菜をあいしく漬ける ださい。 漬け終わったら上からきつ く押し、容器より一回り小さ めの押しぶたを乗せ、白菜の 二倍の重さの重しを置きます。 二、三日すると白菜のかさが 減り、水が上がってきます。 ここまでが、下漬けです。 本漬けには、ユズ一個 (輪 切り)、赤唐がらし二⊥二本 (へたを取り、細かく刻んで種 を出す)、コンプ三十センチ (砂や汚れを取り、細切りにす る)を用意します。下溝けを した白菜を取り出し、水を捨 てます。容器には下溝けで上 にあったものが下になるよう に漬け込んでいき、一段ごと に用意したユズ、赤唐がらし、 コンプを入れていきます。 漬け込んだ後に押しぶたをし て重しを乗せますが、下溝けよ りも軽量で、白菜と同じ重さの ものを使います。水が出たら重 しをさらに軽くし、覆いをして 涼しい場所に置きましょう。四 〜五日もすると、おいしい白菜 漬けの出来上がりです。 同じ要領で、こ れを繰り返しま す。上段になる ほど、塩を少し ずつ多めになる ようにふってく かつら文芸 山谷俳句噛みしめて読む極限 の生に息づく人の思ひぞ 綿引 栄子 人の世に報いてサリン撒きし 人ら〝儀悔せよ〞とぞひばりさ えずる 青柳 京子 雨多き今年の梅雨期庭先のあ やめ残らず咲き揃ひたり 石井きぬ子 葱苗を隣の畑に学びつつ植ゑ ゆけり梅雨の降りゐる中を 大森 久子 錆び若きわが感性を研ぎくれ んフィトンナット溢るる山路 ゆけば 高堀よしの リュック背に気力で歩く帰り 道霞が浦の大橋長し 佐川 あや サリンとオウムしかとつなが る調べにも黙すか悪の極まる は 杉山みち子 八十路越ゆる会員なれど鍬持 ちて堅き花壇の土耕せり (長 宮本ふみ江 寿会) 料理せん夕べの材料は我が子 かた と同類物にて互みに笑ふ 山形 式妙 病む母に又訪うる日を告げ帰 りくる関りもなくぎわめく街 を 渡辺千妙子 ÷(9)÷÷広報かつら 10月号÷
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