広報かつら No.306 1995(平成7)年 10月
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わたLたちにできることって リ寸ク心 いったいなんだろう 戦後の貧しい一時期を乗り越え、高度経済成長を遂げた日本。生活ガ豊 かになった半面、大量生産、大量消費に伴うごみの排出量は、増加の一途 をたどっています。何年か後lこは処分場がいっぱいになってしまう…… そんなギリギリのところまで問題は深刻化しているのです。だからこそ 使い捨ての時代からリサイクルの時代へ。いままでごみとして処分され ていたものを、いかに再利用するかが問われる時代となりました。 ●容器包装廃棄物が問題に● 一般廃棄物のなかで高い割合を占めているの が容器包装廃棄物です。この容器包装廃棄物と は、商品を買うことによりついてくる瓶や缶、 紙やプラスチック製の容器や包装のこと。これ ら容器包装廃棄物が、ごみの約6割(容積比) をも占めているのです。 一般廃棄物全体に占める 容器包装廃棄物の割合 ●ちりも積もればごみの山● 実際に、ごみがどれくらい出ているのかを、 平成3年度のデータをもとにおさらいしてみま しょう。 家庭から出るごみを中心とLた一般廃棄物の 量は年間約5,080万トン。東京ドームの約136杯 分に当たります。これでは処分場がいくつあっ ても足りません。最終処分場の残余年数は、全 国平均で7.8年、首都圏では4.8年と、深刻な事 態を迎えています。新しい処分場の確保につい ても、用地確保の問題などで非常にむずかしい 状態です。一方、ごみの処理には多額のお金が かかります。全国のごみ処理経費を合計すると 約1兆6,000億円。国民一人当たり年間約1万 3,000円も支払っている計算になり、これは10年 前の2倍近い額です。 ●使わず、捨てず、回収に協力を● 今年の6月、容器包装リサイクル法が成立し ました。これは市町村、事業者、消費者がそれ ぞれに責任をもち、リサイクルの役割分担をし ていくことを決めたものです。市町村は容器包 装の分別回収々行うことで、また事業者は分別 収集された容器包装廃棄物を再商品化すること でリサイクルに参加します。では、わたしたち 消費者がリサイクルに参加するには、どのよう な方法があるのでしょうか。 まず、ごみになってしまうようなものはなる べく使わない、家庭内で再利用できるものは捨 てずにリサイクルする、自分の住んでいる市町 村が分別回収をしていればそれに協力するなど の方法があります。みんなで協力してごみを減 らし、快適な生活環境をつくっていきましょう。 ●なかなか進まぬリサイクル● 一般廃棄物をリサイクルす れば、ごみの量は着実に減っ ていきます。ごみをごみとし て処分するのではなく、再利 用できるものは回収し、資源 として活用していこうという わけです。ところが市況の変動などの影響も受 けて、一般廃棄物のリサイクル率は3.4%にとど まっているのが現状です。工場などから出るご み、いわゆる産業廃棄物のリサイクル率が39.6 %であるのに比べ、かなり低い率になっていま す。また、なんらかの形で分別回収を実施して いる市町村は全体の約4割に上っていますが、 その対象については、缶や瓶などにとどまって いるところがほとんどです。 ÷(3)÷÷広報かつら 10月号÷
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