広報かつら No.303 1995(平成7)年 6・7月 合併号
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鎚私のふる舌と ・ 会金金△△△△△ 見えて来ると私のふるさと字 都宮市に入ります。生家の辺 りは、戦後村から市に合併し た所ですので未だ田畑も残っ ていますが、のんびりとバス ふるさとを離れてからすで に三十四年、ふり返り見る幼 い日の風景は、幾つかの思い 出と共にセピア色に霞んでい ます。 国道一二三号線を北へ車で 約一時間、日光連山が遥かに に揺られて通った通学路も、 今は広い道路となり、辛が溢 れ、その上を新幹線が走って います。春には山つつじが咲 き、秋には茸とりにと親しん だ近くの雑木山も今は団地が 建ち並び、改めて時の流れを 感じさせられます。三十余年 という年月は大きな発展と幾 つかの思い出の地を失った事 も確かです。 現在の宇都宮市は、栃木県 渡辺千紗子さん (高根・高根3在住) の県庁所在地として政治、文 化の中心地であり、古くは日 光街道の宿場町として、また 城下町として栄、え、歴史の重 みをも持つ町でもあります。 産物としてはかんぴょうがあ り、市の北部には建築材科と しての大谷石の産地があり、 大きな平和観音像も有名です。 そんなふるさともいつか遠 いものとなり、今桂村の住民 であることに限りない幸せを 感じています。美しい自然、 心安らぐ風景を残しつつ、住 み良い村として更に発展して ゆく事を暗い、また少人口の 村であるが故の家族的な温か い心のつながりは、人として 生きて行くうえにいつ迄も大 切にしてゆきたいテーマであ ると思っています。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡一 ☆おわびと訂正 4月号10ページ、かつ ら文芸欄中27行〜29行を 次のように訂正させてい ただき深くおわび申し上 げます。 如来像ほほゑまれゐる寺 の中献歌の祝ひ和やかに 緋ふ 石井きぬ子 (6月) 埋ずみ火を堀りてお八つの餅 を焼き子等へ分けくれし母の 偲ばる 杉山みち子 打鳴らす大鼓の普のなほ激し 厄払ふ祭りは夜半に続けり 宮本ふみ江 恋心を持つはポケの防止とふ 持ちたし持てずポケたくはな し 山形 式妙 春近き日を髪切りてさばさば と居りしがらみも捨てし思ひ 渡辺千妙子 絹糸の如き細根の春の草たは やすく引く吾が細腕に 綿引 栄子 福寿草を置く冬の縁に老い母 ぬノ\ の髪椀りやる暖き陽の中 青柳 京子 広々と刈り取られたる陸田に 孫ほ奴凧をひと日上げゐる 石井きぬ子 「頑張って′」手術に向かう老 い母を送りし後のこの静寂さ 大森 久子 クラス会にゆくわれのためハ ンドルを執りくるる夫寡黙崩 さず 高堀よしの 我も人も同じ願ひに合掌すポ ケ封じ観音の慈顔にすがりて 佐川 あや 量 ㊨㊥④㊨㊨ (7月) 春の色一気に立たせる胡蝶蘭 の宅配届くわが誕生日 宮本ふみ江 まわり寿司板前は手早に作り ゆく彩とりどりの魚泳ぐごと 山形 式妙 ひたすらに冬を耐へ来し生命 かや引く草はあまた土を抱け ) 渡辺千妙子 妻と子に選べる土産叱られて 親馬鹿ぶりを剰軽に見す 線引 栄子 あ 宮島の入江の潮の光りつつ真 紅き鳥居の裾包みゆく 青柳 京子 莱大根まきたる夜の降雨にて 発芽早からんと夫と喜ぶ 石井きぬ子 街をゆく老いも若きもリユツ あLた ク負へり春一番の吹きたる朝 大森 久子 タンポポの放射状の繋とらえ んと孫は忙しく野径を駆くる 高堀よしの 夫逝きて十五年経し霊前に彼 岸会の和讃心して唱ふ 佐川 あや 瑠璃越しの陽に花咲けるサボ いつ主、お テンの鉢に小事も生続きて勢 ふ 杉山みち子 ●0カサヰ広報かつら 6・7月号÷

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