広報かつら No.302 1995(平成7)年 5月
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島根県の西北部に位置し、 山村地帯で急な山が多い。町 の中央で書賀川と津和野川が 合流し、高津川となっている。 これらの河川流域とその支流 に沿って約三〇〇hの耕地が 拓けているが耕地わずかに一 ・八%である。人口釣五、00 0人、戸数約一、七〇〇戸、面 積約一六七加、約九一%が山 林である。町の主産業は農林 業で農業は水田が耕地の三分 の二強で稲作が中心である。 近年農業より第二次産業に従 事する者が増えてきており、 その中でも建設業は、現在業 者が八社あり、そこで働く者 が三二七名、生産額三五億円 である。又この町には中国地 方唯一の生糸工場があり、養 蚕農家は減少しつつあるが、 桑の生産がない時、蚕を人工 飼料で飼うための工場化を進 めている8 山林農家には木材 の生産供給のための施策とし て町で製材工場を建設し、森 林組合に利用させている。 。日原町繚合開発株式会社 町の過疎の歯止と人口の若 返りを計ると共に、停滞しっつ ある地域経済にはずみを付け る引金となり地場産業の振興 に期待してできた第三セクタ ーの会社である。その事業は、 ①木材の生産及び販売 ②宅 地開発及び分譲 ③各種建築 物の建築及び分譲 ④観光施 設の経営・駐車場の経営・娯 楽施設の経営 ⑤前号に付帯 する一切の事業、を行うこと を目的としている。町の面積 の九〇%を越える山林に、林 業農家か植林に努めてきてお り、数年後に伐期を迎えよう としているが、外材の輸入等 により木材価格の低下、需要 の停滞等により林業農家の生 産意欲の減退を救うために役 立てる施策でもある。 。日原天文台 日原町は、「アユとワサビと 絹の町」をキャッチフレーズ に町の発展をめぎしているが 空気が澄み切っていて、星が よく見えるという自然を利用 し、人との出合をめざして、 日焼町に天文台がつくられた。 標高二五五mの山頂に大口径 七五Cmの天体望遠鏡が設置さ れている。 ◎施設の視察 町内には国道九号と国道一 八七号が通っている。国道以 外の道路は狭い。天文台へも 大型バスは通れない。この施 設の利用には不便もあるよう 一・■ ( に思われた。一 行は町役場の人 の厚意で乗用車 に分乗して天文 台へ行った。 。日原天文台 まず、星と森 の科学館に入る と、中には「宇宙 から見た環境問 題」を基本テー マに、星につい ての基本的な知 識や、星と森の 不思議な関係な どがわかりやす く展示されてい る。案内人がい て説明をしてく れる。別棟にべ ンション北斗星 があり宿泊施設 になっている。 奥の方に大口径 75Cmの天体望遠 鏡のある天文台 と、そのまわりに、 四つのレンタル 小ドームがある。 この天文台に他 所から多くの人 が来ることによ って町の活性化 がはかられる。 ▲星のふる里 日原天文台 JR因美線に沿って通ずる 道路を鳥取県境近くで山合に 入っていくと、しばらくして 遣が狭くなる。阿波村に入る と道は広くなった。両側には 雪が積っていた。村役場に着 くと本年三月一日より使用し 始めた新しい庁舎に案内され た。三階建で中にはエレベー ターが設置されていた。身障 者が利用できるようにとの説 明があった。人口約七五〇人、 世帯数二〇〇戸、面積約四二 如、稔面積の九四%が山林原 野で占められている。人家は 高い山々に囲まれており、山 ふところの村である。県道を 北に行くと高い山で行きどま りであるという。阿波村は明 治二二年町村制施行のとき旧 一村で成立し、その後も合併 をしていないとのことである。 住んでみたくなる、住んでよ かったという村づくりを目標 に、自然を生かした村づくり に努めている。現在、生活環 境の整備では、上水道の完備、 下水道の工事着手、県道、村 道、農道、林道の整備ができ たとのことである。自然を利 用しての施設としては、パラ グライダー場、大ケ山スキー や広報かつら 5月号●●(4)●
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