広報かつら No.302 1995(平成7)年 5月
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山口比より中国自動車道を 東へ、山の中復をしばらく走 り鹿野mに着く。四方山々に 囲まれた盆地が広がっている のが鹿野町である。人口約五、 000人、世帯数約一、六〇〇 戸、面積一八二加、約九〇% が山林であり、永田が約五〇 〇hで米の単作地帯であり、 山間部はワサビ (山口県生産 の三割)栽培で、平担地は夏 涼しいことを利用しての野菜 栽培をしている農林業中心の 町である。昭和三十年合併当 時九、000人の人口が平成二 年に五、000人となり過疎化 が進み、農家の高齢化と山間 部は勾配が急であり作業が困 難である。林業も不振の一途 をたどっている。こうしたな かで、活力ある町づくりをめ ざし、若者の定着への努力、 高齢者の生きがい対策、本年 ▼視察地(平成七年二月二十 七日〜三月三日) 山口県 鹿野町 島根県 日原町 岡山県 阿波村 ▼視察概要 四月開所の特別養護老人ホー ム建設等が行われている。 。若者定住対策 平成三年に「鹿野町わかも の定住促進に関する条例」 が 制定された。鹿野町にわかも のの定住促進のため、奨励措 置を講じ、地域の活性化を図 ることを目的としている。奨 励措置としては、①就業奨励 金の交付 ②出産奨励祝金の 交付 ③わかもの定住団地の 分譲、である。 わかもの定住団地の分譲と しては、町の中心部に、ニュ ータウン夢の台団地を町で造 成し、現在二七区画全部が分 譲できている。 。高齢者対策 高齢者生産活動センターは、 過疎化に伴う山村住民の老齢 化現象に対処して国土庁が昭 和五十一年度から推進してい る「高齢者生産活動センター 建設モデル事業しを昭和五十 三・四年の継続事業として誘 致建設したもので、この施設 を拠点として高齢者が白から 生産活動へ積極的に取り組ん でいき、働く喜びと生きがい を享受できるようにすること を目的としている、六十歳以 上の者が申込み、作業別のグ ループを組み生産活動をする しくみになっている。現在二 十名で、わさび漬・藁細工・ 紙すき・竹細工にわかれて生 産活動をしている。運営は社 会福祉協議会が行っており、 生産したものは販売している。 作業は午前九時より午後四暗 までの間に行い、 一日二千〜 三千円の配当があるとのこと である。 。あぐリハウス バイオテクノロジーによる 優良種苗の増進や新たな特産 物の開発研究を進めることに よって地域の農林業の振興を 図り、若者が進んで住みたく なるような地域の創造に寄与 する目的で作られている。現 在主としてワサビのバイオに よる苗の生産をしている。平 成三年開設で専属職員一名、 臨時職員二名で行われている。 ◎施設の視察 町役場の周辺に、公民館・ 幼小中学校、その他公共施設 が建てられている。又小さな 町で消防署をもっているのが 特徴である。 。あぐリハウス 二階建の建物で、二階は研 修室、加工実習室他になって ′し いる。一階は培養 のための諸作業の 部屋に別かれてい る。当日は培養操 作室でワサビの培 養の作業が行われ ていた。年間五万 本の純粋なワサビ の首をつくり生産 者に無償で配布し ているとのことで ある。外にはビニ ルハウスがあり ー ワサビの苗が栽培 されていた。 。高齢者生産活動 センター 玄関を入るとホ ー ルがあり、生産さ れた物の売店があ った。奥に入ると加 工室があり、当日 はここでの作業は みられなかったが、 製作室では藁細工 (縄ない・むしろ織 り)と竹細工の作 業をしており、次 の生産量では、和 紙の生産活動をし ていた。両方共女 の人が主であった が、生き生きとし て作業をしていた。 ト高齢者生産活動センタ1 一ワサビ栽培 ●(3)○●広報かつら 5月号●
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