広報かつら No.289 1994(平成6)年 4月
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お母さんは宇宙人 実母が81歳の時に痴呆性老 人となり看護・医療・施設・ 家族・生命・人間関係・心の 問題を宇宙人となった母から 教えられました、と話された 橋さん。 なぜ宇宙人なのか、現在の 平和な日本、経済大国の日本 を築いてきた高齢者の方々が、 寿命が延び、予期せぬ出来事 として〝ポケ老人〞となられ ノ′■lヽ ても、それは、宇宙にでて遊 泳している年令の人が出現し ているのだから、ボケとか痴 呆ということを忘れて、宇宙 人と見てはどうだろうか、考 えてはどうだろうか、又、や やもすると同様の状態になる かも知れない私達は宇宙人と 呼ばれた方が格好がよいので は、見方もふさわしいのでは。 との想いから宇宙人と名づ けたようです。 拍手で迎えられ、入場する橋幸夫さん 椿事夫さんは、 「痴呆(ボケ)とは、■脳の機 能の一部低下による病気です が、大変な病気・びっくりす る病気・ふしぎな病気がミッ クスした病気だと想います。」 そして 三、後期 彿御 と順を迫っ た実母のことばや行動を包み 隠さず、詳細に内容等を加味 して話されました。食事の件、 物を隠す動き、必ず自分で戸 締りする動き(家族が一度鍵 をかけたものを逆に開けてし まう)等24時間活動する危険 性、看護に疲れる妻の状態、 でも宇宙人となっている本人 (実母) に罪はないし、責め ることができない事実、母自 身葛藤しているのだろうな、 と思い、対処する側のやさし い愛、愛情表現、心の追求を 探すきっかけとなった。と言 います。 医療の介護より 心の介護を 一緒の同居生活では、病気 (痴呆性)の理解と、施設等 初期 妄想 中期 幻覚 ( で明るく行われている対処の 仕方、方法を身につけて実施 すべきであり、愛情表現から 「 できる限り否定せず、肯 定すること。 二、罪もない痴呆(ボケ)老人 の世界に私達が入ること。 三、高齢化であることを、罪 悪とややもすると想ってい ることを、私達の目標であ るおじいちゃん、おばあち ゃんの姿こそ、誇らしく、 たたえるべきであり、すば らしいと思う私達の心が必 要ではないでしょうか。 人間社会は、たった一人の 命でも生まれた使命を探り、 生きていこうとするものです。 出合い、ふれあいを大切に、 やさしい愛がもてる心を…… と、訴えました。 暗いイメージを持ってしま う痴呆(ボケ)老人のお話と思 わせない話し方であり明るい 宇宙人になれるような、聴衆 者の脳を刺激させるようとも 取れる講演でした。 強 く 支 え あ う 心 を・…‥ 謎qt)業某広報かつら 4月号詫

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