広報かつら No.288 1994(平成6)年 3月
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圏じ 木 村 勢 津 子 さ ん ( 上 阿 野 沢 ) 県内の高校生が取り組んでき た研究の成果を披露する県高等 学校家庭クラブ連盟研究発表大 会が、過日大成女子高校で開か れ、種村上阿野沢 木村勢津子 さん(水一∈ニ高普通科二年)が 見事県知事賞に輝きました。尚 八月に長野県で開催されます全 国大会に茨城県代表として出場 いたしますむ 学校家庭クラブ活動(共同研 究)とホームプロジェクト(個 人研究)に分かれ、八学区(93 校参加) で予選を通過した9校 の代表のなかから受章きれたも のです。 木村さんが個人研究で取りあ げたテーマは、「祖母に労りを〜 今私にできること〜㌔ 畑仕事やゲⅠトポールなどを 通した主体的な生き方、毎日と ても活動的な生活を送る85歳の 祖母を、表面的な姿を見るだけ で高齢者という立場の姿に目を 向けることに欠けていたことか ら、このテーマ選択となった理 由のようです。 研究のなかで、現代の高齢社 会の実態、数年先の予想、世論 調査の結果、桂村における老人 の実態調査、高齢者に対する福 祉事業等を理解したうえで、祖 母の一日の様子(レクリエーシ ョン・畑仕事・生活等)毯細か く観察しており、更に消ガ器・ 運動器・神経系の生理的老化現 象についても毎日の生活のなか から理解を深め、問題点を把握 されました。そのなかで実践さ れたのが 一、廊下での滑り止めのため、 底をビニール製の布にし、保 温性のため底にクッションを 入れ、更に足にフィットさせ るためゴムを入れた室内履き を製作。 二、四季を通して使用できる繊 維は綿がよいとの結論から、 仕事着に十分なゆとりをとっ ( た〝かっぽう着ともんペ〞を 製作。2着日となったこの作 品は、布の色や柄を重視した 〝前かけと手さし〞の1着日 の製作から反省点を生かし作 られたもので、祖母の仕事着 に対する要望から、手を伸ば した時では+柑%、手を上に 上げた時では十25%、しやが んだ時では+42%、立位前屈 では+32%の変化、いわゆる 動作に伴うゆるみの必要性を 研究した作品で科学的分析を 入れて取り組み説得力があり ます。 三、ゲートボールの中で、お茶 の時間として健康を考え伍お 菓子について研究し、消舟券 の生理的老化についての便秘 という現象を考慮し繊維が多 くピタ、ミンも豊富な大学いも くり、お年寄りの方々に大学 いもを入れてお土産とし、ふ れあいがもてたこと。 四、タンスの奥にあった風呂敷 やハンカチを利用し、ひざ掛 けやポンチョを製作、又、マフ ラーを作り祖母の誕生日のプ レゼントとしたこと。 『これらの研究、実践活動から 家族の一員としての祖母の存在 の大きさを知り、労りの気持ち をもって接することの大切さを 実感し、それによって自分自身 を見直す機会となったことや、 家族というものの尊さを感じ、 現代の高齢化社会の中で生きて いく自分に大切なことは、思い やりの心であり、若者の課題で あることを学びました。』と一年 間にわたっての研究成果を結ん だ発表でありました。 祖母ためさんと勢津子さん 古き家の濡れ縁の上にかさかさと 枯葉散りくる冬の足音か 大森 久子 梅もどきの実入り待ちゐたる椋鳥 らわれを窺ひつつしきりに疎む 高堀よしの 車内より右に見えたる富士の山 いつしか左に暫し動かず 佐川 あや 田舎ならではののどけき「忍野八 海」の富士の涌き水兵ルトブルⅠ 杉山みちこ 山間を色とりどりに飛ぶ蝶と 見まがふばかりのパラグライダー 宮本ふみ江 賽銭を三ニー吠るるやチャリリーンと ふ快よき斉して身がひきしまる 山形 式妙 わづかなる空地にも花を咲かせゆ く泡立草より秋は広がる 渡辺千妙子 初任給にて子が買ひくれしスカー フを忘失せしかと深き悔恨 うみ へ 槻の辺に建つ養老院を慰問せる 我に寄りくる車椅子あり 青柳 京子 心不全にて突如従弟は亡くなりぬ 昨日陸田を排起しおりしに 線引 栄子 石井きぬ子 簿広報かつら 8月号麓烹(2)罫

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