広報かつら No.275 1993(平成5)年 2月
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いかがでしたでしょうか! 「ふるさとの伝説」シリーズと して、桂村の伝説十話を作者で ある 種村阿波山王五大-二 元御前山村立野口小学校長 現種村教育委鼻 徳宿邦息先生が、 平成四年四月号 〝 五月号 〃 六月号 〃 七月号 平成五至月号 1遠い昔のお話です」から始 まるそれぞれのお萄、 // // // /J 八月号 九月号 十月号 十一月号 十二月号 ダイダラ坊の足跡 延命淵の大亀 弘法大師の踏止め川 夜泣き地蔵 琴の穂のお恵み 観世音の観音様 一本杉のお婆さん 奴田のお米 小豆坂のお婆さん 午子后神社の土と瓦 郷土の人々の語り草として、 今の世までも語り継がれている ことを素直に認め、私達祖先の 素朴な感情と、敬神崇祖の心の ほとばしりとして語り継がれた 一つの伝説をご理解いただきた いこと、そしてこのように、生 きた故郷の心の歴史、感情の歴 史こそ、無形の文化財として、 後世に残しておくことも私達現 代人の責務ではないか、との思 い(考、え)から、物語風に書き直 し、次代の郷土を担う子供たち が、低抗なしに読めるよう現代 語に善かれた小冊子から、掲載 させていただきました。 ▼有線放送番組用としての「ふ るさとの伝説」のシナリオを書 き、その放送が行なわれてから、 その筋の方々からの要望により 「何か記録として残してはどう だろう」とのことで、急拠徳宿 先生がワープロを打ち小冊子を 発行し、関係当局や、小・中学 校に献本(七十冊)されたとこ ろ、その活用が、ある小学校で は劇化して発表したり、また ( ある小学校では、「民話を聞 く時間」とし、再度にわたり 先生が招かれて、子供たちに お詰をしてあげたり、はた又、 異郷の地に住む郷土出身の方か ら、「子供に聞かせて、親の故 郷に少しでも関心を持たせたい から……」と、録章丁-プを希 望されたり、更に村内のある有 志の方から、放送した録音テー プのダビングを望まれ、「杜村 の伝説」として長く残したいと のことで全十話を届けるなど反 響が大きく、又、平成元年九月 には、NHK水戸放送局から 「FM夕べのひととき」の時間に 「延命淵の大亀Lを、徳宿先生 の語りで放送されたりして、「ふ るさとの伝説」の見直しの時代 になったわけです。そこで先生 が更に「子供の為の民話」を夢 見て、既版「ふるさとの伝説L を全面的に書き直し、漢字にか なを付け、表現も一部書き直し、 子供に読んで聞かせるように書 いたものを再発行された。(改定 版について原文掲載)▲ すばらしい現在があるのは、 すばらしい先人の築いた過去が あることを忘れてはなりません。 こうしたふるさとの民話・伝説 は豊かな経験と、人知れぬ苦し みや悲しみの中から生れ、語り 継がれてきたもの、子供の情操 を培い、故郷に親しみを感じ、 豊かな郷土愛の育成に、「ふる さとの伝説」(桂村の伝説十選) 小冊子を発行され、広報〝かつ ら″に掲載のご協力、ご籍導い ただきました徳宿先生にお礼と 感謝を申し上げます。ありがと うございました。この「ふるさ との伝説」を〝ふるさとだ・より〞 として、ご覧になった他県にお 住まいの方より同じような伝説 のコピーを送っていただいたり お手紙をいただいたりもいたし ました。あらためまして御礼申 し上げます。 最後にふるさとの伝説(杜村 の伝説十話)改版発行冊子のお わりに、次のように先生が善か れていますので、原文のまま掲 載いたしてふるさとの伝説シリ ーズを終ります。 ※しめくくりとして、「伝説と 迷信」について、私の考えの一 端を申し上げて、民話・伝説な どについてのご理解をいただき たいと思います。 私がかつて、社中学校に在職 中、同僚の教師から、 「なにいー、松を植えてはいけ ないって、そんな非科学的な迷 信を打破しなければならない。 まして学校がそんな迷信に拘泥 していて近代教育ができるのか い。特に、理科・数学を教えて いる先生がそんな迷信を信じて いるとは……… 」(先生とは私を 指す)。こんな言葉を耳にした ことがあった。(昭和四十年 頃) 内容は、こうなのです。 「松を植えられないって?…… ………そんな馬鹿な′.植えると、 その家の誰かが怪我をするって ′全く馬鹿ばかしい話だ」 この話は、どうも勘違いして いるらしいのです。つまり伝説 と迷信とを混同しているような 考え方なのです。 阿波山上神社を郷土の氏神と して仰ぐ、現在の菜・阿波山・ 下阿野沢・上阿野沢の氏子人は 何時の時代からかは分かりませ んが、「菜の穂のお恵み」のと ころでお話し申し上げたような 伝説をもっております。二十有 余年たった今日においても、青 から在住している家の庭には、 一本の松の木も見ることはでき ません。 それが現実なのです0 7Pに続く 泣広報かつら 2月号♯ポ(6)#

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