広報かつら No.266 1992(平成4)年 5月
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琵(5)潔壷広報かつら 5月号#凝#繋#賛課業罫洋認諾義淀我意義妹#滋養茶業認諾詳諾濫許諾認諾某 隠電車色濃(金砂 『ふるさとの伝説』 で そ 原空し の三ふ 覆蓋し は た 近 美きそ わ て 広 が く か の れ ’い 、を ら 頃 、く 水 こ 流小おの 広ぬ 田 ち れ野の那 々 ぎ や ら て の珂 と 林桑側 お 下帥l し な 畑 の り 河がは た ど 、川かま 岸し、 えんめいぶちおおかめ 『延命淵の大電』 皆さん、雪延命淵b という言葉をお開きに な.ったことがあります か。延命とは、雪寿命を 延ばす』と言うこと、 つまり『長生きする』と いう意味です。 ぶち 『淵bとは、永がよどん で深くなっているとこ ろを呼んでおります。 さかい 阿波山と阿野沢の境 あたりの那珂川で、川 の流れがよどんで深く あた なっている辺りを、昔 の人は『延命淵』 と呼 んでおりました。この そこ 延命淵は深く底知らず のよどみで、時々大き うず な渦巻きができ、人々 はあまり近寄らず那珂 川の恐ろしい場所の一 つた つとして伝えられてお りました。 ヽ7 ( いわゆる河川敷地として、野う さぎをはじめ、いたち、きつね けもの などの獣と、四季折々の小鳥や ち⊥う 蝶などの住むかっこうの場所と なっておりました。 がわかけした 阿波山の側の崖下には大きな よどみの招があって、その周囲 みだけ あおくさおしげ には身丈もある青草が生い茂っ て、なかなか近づくこともでき ませんでした。崖の上から、そ のぞ っと水面を覗くと水は青くすん で、その深さはどのくらいある のかまるで底知らずの沼なので す。 空に浮かぶ白い雲がこの水面 に写し出され、写し出された婁 をが をじっと眺めていると、いつの きっ まにか青空を見ているような錯 か く 覚を趣こしてしまいそうな本当 ふLぎ に不思議な招なのです。村の人 たちはこの沼を『青空bとも呼 んでいたそうです。 むこ ある年の春のことです。川向 おおやま うのおじいさんが、大山(いま Lゆく の阿波山)の宿で買物をしての 帰りがけに、この『青空bと呼 ばれる延命淵の崖の上を通りか かりました。 空には川原から飛び上がった かす ひばりがさえずり、遠く春霞み はくさん かなた の彼方には、白山・御前山の山 かげろう ヒめん 並、地面からあがる陽炎とがマ かではありませんが、あまりに も暖かい春の日なので、この淵 そこ ひぎL の底から出てきて、春の陽射を あひるね 浴びて量産をしていたのでしょ う。おじいさんは、見たことも ない、この大きな亀のこを見て、 ッチして、絵のようなのどかな けLき 景色でした。 たかねさ′〜たいさんじ 高根山大山寺のお昼を知らせ る鐘が弓ゴーン』と聞こえてき ました。 おじいさんは、この美しい景 色に見とれながら、なにげなく みお この延命淵を見下ろしますと、 みずぎわ その水際にはいつもは見られな い、大きな岩が見えたではあり ませんか。おじいさんは不思議 る そ 何いこ れ 時っと は の が そ 頃分われ か か は に思ってよく見ると、岩と見え みあやま たのはおじいさんの見誤りで、 大きな亀のこであ りました。 さだ ら住みついたか走 「ほんとうかい′●あの延命淵に は、大きな亀のこが住んでいる、 とは聞いていたが、おろあー一 度もその亀のこを見たことがな こぎお い、三十何年漕ぎ竿一本の船頭 をしているが、延命淵の亀のこ には、ついぞ出合ったことがな い。その亀のこを見たというお 粥さんは、本当に確叩いいお人 じゃ。おろあーも是非みたいも のだ。すまねえが、このわしを 延命淵に案内してくれんかのお ー■」 二人は、おそるおそる大亀の 姿を見たという延命淵に行って みましたbしかし、その大亀の 姿はどこにも見当たりません。 お 「…………たしかに、ここに居 ったのだが?………大きな岩の ような亀のこ……・‥確かに、 この日で見たのだが?………L 「おじいさん、あんた本当に運 のいいお方じゃのー、鶴は千年、 亀は万年と言われるように…… その亀を、お前さんだけ見たと いうことは………やっぱり運の いいお方じゃ。お前さんは、き っと長生きすること間違いなし と ま た 腰 の で ’を 次L逃にが ぬ 第だげ ’か () さんばかりに驚きまし とせんば やっとのことで渡船場 て帰り、船頭さんに▼こ を話しました。 じゃ。延命淵の亀のこは、めっ たに姿を見せないと聞いておる んで、お前さんはよっぽど気立 てのいいおじいさんなんでしょ う。亀は神に通ず、と、言われ ております。このわしらは、ま だまだ修業が足らんで………だ から亀を見ることができなかっ たんペえー。 さーて、これからも清を出し て、l生のうちで一度でもいい から、延命淵の亀のこを、この おが 目で拝みたいものだ」 と、一 のおじいさんを、.無事に向う川 原まで送りとどけた七いう、昔 々のお話です。 終わり 雪延命淵の大亀』 のお話は、暗 いくたび 代が変わり、幾度となく繰り返 される大水のために、川の流れ かわ もだいぶ変ってしまい、このお 詰も次第に消え失せようとして いる今の世の中となりました。 ▼桂村有線放送自主番組では、 五月二十七日(朝・畳・夜の部) に神山有子(元放送劇クラブ 員)さんの担当により放送さ れますのでお聞きください。 来月は、〝弘法大師の踏止め川〞 を掲載いたします。

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