広報かつら No.228 1989(平成元)年 3月
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;‡7・豆!広報かつら 3月号・・・・・・;・i・・i・・・・・t・・i・i.i・・iI■・・・・・・・・・・・・・・・・ 動脈硬化を予防する 心臓が全身に酸素や栄養素を 送り出すためのポンプだとすれ ば、動脈はそれらを運ぶホース ということになります。しかし、 動脈はビニールホースと異なり、 内皮細胞、筋肉層、弾性繊維層 の三層からなっています。 内皮細胞は非常に薄いのです が、直接血液に接するために、 血が固まるのを防ぐ物質を出す など、多彩な働きをしています。 なんらかの理由でこの内皮細 胞に傷がつくと、この傷を治そ うと内側の筋肉細胞が集まって きたり、血小板が固まったりし て、班と呼ばれるものができま す。この故に次第にコレステロ ールと脂質が蓄積して粉癌を形 成し、さらに筋肉が厚くなった り、血液中のカルシウムが沈着 して動脈壁が硬くなり、内陸が 狭くなります。こうしてできた のが動脈硬化です。 粉痛が動脈を塞ぐ程度に大き くなると、その先の組織が酸素 健康について(その四) 沢山診療科医師 菊 池 宏 典 欠乏になり死んでしまいます。 これが心筋梗塞や脳梗塞と呼ば れるものです。 では、動脈硬化を防ぐにはど うすればよいか。食事の面で考 えると、これに対して最も効果 をあげたと思われるのは、医者 ではなく発明家のネイサン・プ リティキンでしょう。彼は自分 自身の心臓病を治すために開発 した食事を多くの人に応用して、 その効果を実証しました。 彼の食事の秘密は、脂肪とい っさいの精製炭水化物(砂糖・ 精白した小麦粉・精白米)を減 らすことにあります。(実はこれ は西欧化する前の日本食に近い 食事です)これがなぜ動脈硬化 を防ぐかは、彼自身は気付かな かったようですが、今日の栄養 医学では説明がつきます。 要するに穀物、豆類、野菜、 果物、海藻などを中心とした食 事には、動脈硬化を防ぐ作用の ある、ビタミンE、C、酎、B6、 カロチンや亜鉛、マンガン、マ グネシウム、レシチンなどの徽 取る方がよいからです。 しかしこうした食事は、日本 においてさ、え、主流になること は難しいのではないかと思われ ます。食事は手軽な商業食中心 となり、砂糖は食べ放題であり、 子供たちのご馳走は、脂つこい 肉料理となってしまっているの ですから。 われわれ医師にできることは、 せいぜいコレステロールを下げ る薬を出すことくらいかも知れ ません。 植物油をたくさん取ると、 なるべく大豆や胡麻などの形で 傷つける原因となるので、 化脂質が生じ易くなり、 量栄養素や繊維が豊吉に含まれ ているのです。また、精製した 血 油 管過 は を 酸 冤 二。逓送遷撃謬誓一ニw二川▼=㌃ 山茶花の花もつぼみも陽に明る し老の命も明日につながむ 広木葉津乃 秋の日の短き里を夕暮れの鐘響 きゆく遠く近くに 宮本ふみ江 こた 土曜日の夕べ来る孫の手草にと ぬりえクレヨン買ひ揃えてまつ 杉山みち子 千二百年前に彫られし石偶の尊 顔おろがみ安らぎおぼゆ 石井きぬ子 晩秋の陽ぎし中ゆく姑の背に紅 葉いくひらひそやかに散る 大森 久子 落葉舞ふとき静かなる法の天 金長 渓夫 耳遠き友と夜長をもて余す 仲宮 亀次 喪に服す心灯火に親めず 桐原 肇 白鳥の来る沼ありて村は過疎 小林 忠之 ( かつら文芸 小林 忠之 以上文化協会文芸部会員作品 お詫び 二月号短歌桜井肇さんの歌 「夫款羅に」は「天款羅に」の間違 いでした、お詫びして訂正いた ふくらませ何か言いおる 山形 式妙 ではと去る長身の息を見送りて 心細しも上野の雑踏 綿引 栄子 おちば踏む音のみが我について くる雑木林をひとり歩めば 渡辺千妙子 秋深み路傍花壇の花朽ちてマリ ーゴールドのみ咲き残る 桜井 肇 や 夫逝きてより九年の家の遷さを .」 身に耐えつつ今若きらと経る た 八 帆ほ十 待重路 様 な ぎる 宣 掃‾の します。 十三夜の月を手鏡にて愛でしと ふ病める帝の心痛まし 高 しヽ か に せ ロ を 仰 き て 佐川あや子 お婆今日もま をり 青 堀 蛙 よ が し 喉;の 「あいさつは,笑顔をそえて心から」
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