広報かつら No.223 1988(昭和63)年 10月
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諾(7)黙諾広報かつら10月号業誰某※嘉菜罪業嘉滋養詫#試髄潔盛儀儲盛儀髄髄牒牒髄髄牒牒償閥戊牒 現代ほど健康の問題が、大き く取り扱われている時代はあり ません。新聞を開いてみても、「健 康」の字を見ない日はないし、 テレビからは最新の医学情報が 次々と流れてきます。また、健康 産業はわが国においても、有数 のお金儲けになりつつあります。 だが、いったい健康とはなん でしょうか? こうした社会の流れにあって 私たちは以前より健康になった のでしょうか? 世界保健機構(WHO)は、 国連憲章の中で健康の概念を次 のように述べております。「健康 とは完全に身体的、精神的、社 会的に健全である状態であり、 単に疾病、虚弱が存在しないこ とではない。達し得る最高水準 の健康を享受することは、人種、 宗教、政治信念、経済、及び社 会的地位による差別なく、すべ ての人間に与えられた基本的権 利であるノ 非常にむずかしい表現ですが、 これを読んでまず感じることは 「健康、そんなものはない」と ■健 康 に つ い て ( そ の 沢山診療所長 医師 菊池 宏典 いうことでしょう。なぜなら私 たちの社会には、いまだ病気が 存在しなかった時代はないから です。それどころか、現代は患 者の時代であるという人もいる くらいで、病気を待った人は確 実に増加し続けております。毎 年行われる「健康診断」も、実 は健康を目的にしているのでは なく、病気を見つけるために行 われているに過ぎません。むし ろ、病気の増加やマスコミ等か らの知識の増加による、病気へ の過度の恐れが、健康に対する 興味をかき立てているといえま す。では健康とは、ないものね だりに過ぎないのでしょうか? フランスの哲学者アランがこ んな逸話を書いております。「戦 争で片足を失ったある農夫がい た。彼はあらゆる努力をして、 平凡な農夫としての一生を全う した」 ここに一つの、健康に生きた 人間の例があるように思います。 私たちの中には、生まれなが らに障害を待った者もいるし、 明かな障害といえないまでも、 体質的に弱いところを持ってい る者もおります。また、かりに 健康な肉体を持って生まれたと しても、いつけがや病気でそれ を失うかわかりません。しかし、 こうした頼りなく不確かな人生 にあって、誰もが与えられた条 件の中で、自分らしい生き方を する権利がある。そのための一 つの条件が、健康なのです。あ えて言うならば、いかなる障害 を持っていても、自分らしい人 生を生き抜いた人が健康だとい うことでしょう。 わが国においては、近年健康 の問題が重要になっていますが、 これは国民の生活レベルが平均 的に向上し、余裕がでてきたた めです。健康を望むならば、そ のチャンスが以前より多く与え られているとも言われます。好 きな食べ物はどんどん食べられ るようになったし、病気を治療 するための薬は次々と開発され 病院・診療所では、高度な科学 技術を駆使した医療機器が使わ れております。それにも関わら ず、成人病の患者さんは減って いません。これは従来の医学が 故障を直すことに集中し過ぎて いたためでしょう。医師にも病 気を治すだけでなく、病気を予 防するナコuを強調すべき時がき ています。 昔から健康のための三本柱は、 「栄養・運動・休息」と言われ ておりますが、今回のシリーズ ではこれらを軸に、病気になら ないための方法を考えてみたい 風変るとき明の声代る 桐原 肇 ゐながらに汗の流るる日ありけ り 仲富 亀次 上り来し海女に貧しき晩夏光 金長 渓夫 七夕を立てて亡き子の年数ふ 小林 忠之 朝がほの垣根か萩の花むらかい く夜さ庭べさらぬまつむし 広木葉津乃 負けん気で言ってる暗が花なり とふ米寿の母に我はうなずく 山形 式妙 音延べて水盤の水呑む子猫舌は もも色春湧き日に 綿引 栄子 あLた 白髪染めし朝ひそかに弾みゐる かつら文芸 と思います。 ただし、毎日病気のことを気 にして、びくびくしながら生活 するのはやめましょう。先にも 述べたように、健康は、自分の人 生を平凡に全うするための、一 つの条件に過ぎないのですから∩ 女ごころはたわいなきもの 渡辺千妙子 二つ三つ数えくれゐる花びらは 姑の小さき手を淡く染む 大森 久子 窓越しに満開のサツキの花壇見 つつ厨に朝餉を食むは楽しき 桜井 肇 ばんばんと叩へて濯ぎ物干せば 忽ちみどりの夙にて乾く し 縞 き 蛇 性差の に 鎌 暫 首 し あ た げ じ て ろ 呪 石井きぬ子 雨に濡るる紫陽花の色は幼き日 友と遊びしおはじきの色 高堀よしの ふなどつ潜りゆく海女を見つむる舟人夫 手にしっかりと命綱持つ 小林 忠之 以上文化協会文芸部会員作品 て 温 ユ 浴l に マ 来 チ る に 老ひ羅 人とれ の る 杉山みち子 みつくる激 多しも 猪野一江 足 を 引 摺 「あいさつは,笑顔をそえて心から」
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