広報かつら No.191 1986(昭和61)年 2月
9/10
⑳ 詫(9)策謀広報かつら 2月号光義業法深遠蛋 剥き卵の如き頼寄せ孫たちはミ ニカー握りて無心に眠る ト 高堀よしの 荒ぶ息子のふと我に向けし目差 しの深き愁いの痛み身にしむ 猪野一江 どうだん 如何なる人住みて居るらむ満天 つつと の星美事に刈り込まれあり 石井きぬ子 授業に出なくなってしまった 中学生の食生活を調査したこと があります。驚くべきことに、 調査した八人のうち七人までが、 一週間、家庭で一度も食事をし ていませんでした。 彼らは、朝食を取らずに学校 へ行き、夜は外で何か食べてか ら帰宅する、という生活を繰り 返していました。 外食が増えれば、食べ物の中 身からは自然と野菜が減り、限 よい食卓・悪い食卓 秋さびの深山木の聞に我が里の 黄金H明るく見えて安らぐ 杉山みち子 樫の実は書高く落つかそかにも 散り敷く落葉行く秋を聞く 綿引 栄子 情熱のごとき色なるポインセチ アの一鉢を買ひて何を望まむ 渡辺千妙子 大胆に筆打ち付けし野心の書ま ずまずの出来に心安らぐ 河又 市街 若き日のわずかに残る笑顔もて 旧姓を呼びあふ同窓の友 られた種類のインスタント食品 を食べる割合が増えます。こう した食事を何過、あるいは何か 月も繰り返していると、栄養は 偏り、青少年の体によくない影 響を及ぼすことは明らかです。 また、不規則な食生活のために 体調を崩し、精神的にイライラ するなど、不安定な感情をさら に助長させてしまわないとも限 りません。 何気なく 会話を交わせる場 成長過程にある子供の心理状 態は、だれでも不安定なもので す。学校の成績や交友関係など で、毎日が試行鎗誤の繰り返し なのですから。それだけに、ふ だん、親や兄弟と考えなどを交 わし合うチャンスをできるだけ 作ってあげることが大切です。 しかし、中学生ともなると、 笠賢=″ぎ蓋象一=琵琶蜃ぎ葉〜萱薫蟄漁適 いでゆさと大越久子弼 女子栄養大学教授 食生藩学 足立 己幸 錦織りなす四方の山々 桜井 蒼天に消えゆく火葬のうす煙子 らそれぞれの思ひに見上ぐ 大森やよひ たつ 耐ふること多き日々なり我が生 ヽh 括耐ふるが故にきらめきて居り 大森 久子 紋様の花ひと日ごと育ちゆく八 手の精を飽かず見つめぬ 小林 忠之 桂村文化協会文芸部会員作品 釆て見れば温泉の郷は 秋 た 尊 け て ∨ ∵: 親子プtかすることも、顔を合 わす機会さえもめっきり減って しまうのが一般的です。とすれ ば、ふだん家庭生活の中で何気 なく会話を交わすことのできる 食事こそ、親子関係のあり方に 重要な役割を果たすのではない でしょうか。 子供がいわゆる非行への誘惑 に引きずり込まれそうになって も、日ごろの家族同士のきずな が強ければ、子供自身が気がつ かなくても親が気づくこともあ るでし享つ。毎日子供と一緒に 食事をするような時間があれば、 子供の心理や行動のちょっとし た変化にも気づき、適切なアド バイスを与えてあげることもで きるのです。 小言やグチは 食卓で遥不物″ ところが、親の権威(主義)が 強すぎて、逆に食事の場が親子 関係をぎ〈しやくさせてしまう こともあります。 子供と顔を合わせるのは食事 の時だけ、とばかりに小言を言 い続けたり、仕事や家庭内のグ チをこばされたのでは、子供も たまったものではありません。 本来、楽しいはずの食卓で、「遊 んでばかりいないで勉強しなさ い」と、こんな言葉ばかり浴び せられたのでは、これから頑張 ろうと考えていた子供も逆に反 発したくなってしまいます。 食事は、親子が一緒に食べて いさえすればいい、というもの ではありません。ぬくもりのあ る食卓で家庭が子供の心のより 所となるか、家庭を嫌いにさせ、 非行の芽を芽生えきせてしまう か ー それは、毎日の食事のあ り方の積み重ねと関係が深いよ うです。 ・=・・・・…今月の星座……・・… 二月中旬、午後入時ごろ 南の空に見えます。
元のページ