広報かつら No.131 1979(昭和54)年 12月
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ヽ 、b つ カ 報 広 昭和54年12月20日(6) 第131号 二月、二月に入れば彼岸前より いもっ 麦さく切りに心をおきそして芋植 えなどいたすがよい。そのころよ ほりはらい り村内江私(用水堀払)又は他村 においても用水の御部撃溜池私 などあれば早朝から出役すべきで、 おたちあい 特に御立合属る御負請では御立合 の目にかからないように働くべき で、お上の御負請と思っておろそ おくにおん かにして働かない者は、御国恩を 知らないためである。これらはみ な百性の作徳があるようにとのあ りがたい御負請である。それをう ばち かうかと扱っては罰になるもので ある。それかといって、いわれあ いえふしん る友達などの家負請などにたのま れては、我が仕事よりも多く働く 者も多いけれども、この理をわき まえて他所の御負請に出たなれば、 相応に働き日掛りにならないよう に心掛〈べきである。 又麦作二番切りも早く切るがよ ヽ l- 三月、三月は拝役の月であるか らそのように心がけて納めるべき である。 又三月節句は「曲水の書いなど ともいえ古事もいろいろある由で -V あるが、百性などでまず娘のある ものは雛を飾り、草餅をつき祝う 東浄「歳時ね 種村粟 広 木 守治郎 がよい。しかしながら分限に合 ったように心掛け、又菩提所、村 役人など坪内、他坪までも心安き 所へは礼に行くべきである。 甲つないは二月のうちから心が け、三月はとくに出精して苗代支 度、畦掛、草刈など心掛けて八十 八夜後には直ちに種蒔出来るよう 前日より工夫すべきである。 それとともに、その年の寒暖を 見合い、あるいは近所の精農家に 相談するのもよい。 種蒔後は毎日苗代を見廻り水の 廻らないところのないように注意 すべきである。叉その田によりて は蒔いた日を書付置き忘れないよ うにして日数を繰り合せ、又は種 子の芽切れをみてよく時々に水を 干すべきで、苗代にはぬるめの水を 苗代の列へ沢山に溜め置くべきで あるごJれは雷雨などのにわか雨の とき干したる苗代へ夕立雨強くか かるときは、種子を打流し、第一俄 雨は水が冷たくして苗には大きに 害であるからである。それゆえに ぬるめの揚なる水をかければ苗も 治り水もさわらぬものである。 又茄子、胡瓜などは早く蒔くべ きで、煙草代も前日にこしらえて 置き蒔くべきである。蒔付煙草は、 麦の出穂の様子にしたがい蒔付け るペきである。 二十四日は高根山愛宕の祭礼な ればこれも参詣すべきではあるが、 近村なれば酒屋に長居はいたさな いように心がけるべきである。 わけて蕎麦切にかかるペきではな い。子供は格別としても、大人や 若者は見苦しきものである。 又二十八日より三日間は村内雷 神の嵐除祈痛があるのでこれも前 日より仕事繰合せて、稼ぎ置き遊 ぶべきである。 おか 四月・四月に至れば(岡穂)陸 稲なども蒔くべきである。 それより十七日には東照宮の御 祭礼なれば、.十六日より行って見 ふこLとぎ⊥ るがよい。しかし神輿渡御の節、 数銭を上げて拝すべきでない。勿 体ないことであるからである。た だ平然して拝すべきである。 又荏胡麻・大小豆・大角屋「サ ひえとっきび サギ」、粟・稗・黍などまで土用前 の日数を繰り合せ、又その土地を 見計らい、付作すべきで、だんだ ん麦作出来てくれば、特に未明に 起きていろいろ仕事の繰り合せを いたし、男女ともに油断なく働〈 べきである。 のばり 五月、五月五日に臓を立てるこ とは、昔、神宮皇后三韓を退治し がいせん たまえ凱陣の節御船五月五日日本 に帰着した吉例なりと、俗説のいい伝 えによりなせるもので、その外古事も 多いとのことである。(次号につづく) ○おしなべてみな美しき秋草花の夕陽に映ゆるサルビアの花 桐原 肇 ○咲き揃ふ群より遅れ色さめて小さく咲けり腰折れ野菊 高堀よしの ○入選詩見つめ微笑む不具の子の肩抱かんとし涙して止む 仲宮 亀次 ○あじさいの花殻に風の過ぐる時終りゆくものの淋し音する 渡辺千妙子 ○見るほどに姿いじらし山道の群伏す野菊秋の嵐に 小林 息之 ○風そよぐ路傍にいでし萱の穂はまだ若ければ紅を含めり 宇野 英一 〇ゆうがおが咲きし夕に雨つよく傘をさしかけ声高き妻 小幡 水夫 ○くもまより陽のやわらかきlすじの光あおぎて心洗えり 猪野一江 ○稲刈りの済みて大きく息すれば暮れゆく空に赤とんば舞う 青柳 貞子 ○耳嶋りの続く日なりしが娘の晴着縫はむと思う朝まだきより 綿引 栄子 0あらためて吾に年間う母の顔よわいの深さひしと胸打つ 青柳 京子 ○稲刈りに精出すつまと汗拭う夕に映えて寺の鐘きく 加藤木柱泉 ○煙草穀くぐりて遊ぶ雀あり涼しさただよう朝の畑に ー 桜井 肇

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