広報かつら No.127 1979(昭和54)年 8月
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第127号 広 報 か つ ら 昭和54年8月20日(2) 年を中心と する第一のピーク、三十九年の第 二、そして四十九年から始まる第 三のピーク期〝三つの汲〞があり ます。そして第三のピークは、年 々増加を続け、昨年は過去十年間 で最悪の記録となりました。 その背景には、少年をとり巻く 社会環境の悪化、享果的風潮の増 大、あるいは進学競争のおちこば れなど、さまざまな間葛がありま す。しかし、少年を自殺に走らせ るのも、思いとどませるのも、や はり「家庭」ではないでしょうか。 子供に対する無関心、放任、話 し合いの欠如などが親子間の断絶 増え続ける少年非行 一昨年は過去10年間で最悪- 〝インベー ダー〞のゲ ーム代金闇 しさに、友 だちをおど してお金を まきあげた り、万引を して知人に 売りつけた り………少 年非行が相 変わらず増 加の一途を たどってい ます。 戦後の少 年非行は、 昭和二十六 昨年一年間に、凶悪犯や窃盗犯 など刑法上の罪を犯して補導きれ た少年は、全国で釣十三万七千人 を数、え、前年に比べで約一万八千 人(約一五%)もふえています。 罪種別に見ますと、窃盗が八割 近〈を占めており、その手口はい わゆる「遊び型非行」といわれる 万引や乗り物盗(自転車、自動車 オートバイ)などの盗みが一番多 いのが特徴です。 これらの刑法犯少年を年齢別に 見ますと、四人に一人が十五歳で 一番多く、次いで十六歳、十四歳 の順になっており、学職別では中 学、高校生が全体の約七割を占め ています。 を生み、子供の不平不満を高め、 その結果、非行に走るというケー スが多く見られます。 「うちの子に限って…」上いう 自信も結構ですが、この機会にあ らためて、家庭でのコミュニケー ションについて考えてみましょう。 データー 中学、高校生が七割 前年に比べ十五%の 大幅増 「オゼは万病のもと」といわれ ます。いろいろな病気の、引き金 になるわけですが、そのカゼにも 本格的になる前に潜伏期間があり ます。 タンャミしたり、体が何となく 熟っばかったり、だるかったり… こうした潜伏期間のうちに的確な 処置をしておけば、大事にいたら ないですみます。 非行という〝心の病〞にも潜伏 期間があります。早目に手当てを するためには、ふだんの〝健康状 態〞に注意していて、変調を一日 も早く察知することがまず第一で す。非行化への〝潜伏期間〞に見 られる典型的な症状の一つに「ウ ソLがあります。 ウソをついていけないと知りつ つも、時にはウソをついてしまう のが人間です。そこで、何のため についてい、るのか、ウソの背景を 見分けることが大切になります。 ついてもかまわないウソ、開い ている方がウソだと心得ていれば 害のないウソ、かくしごとや惑い ことをしていて非行化につながる ウソ……いろいろなパターンを判 別することが大切です。 非行の年齢は、反抗期と密接に 子供の「ウソ」について 非行のきざしと親の関係 関連します。「自分がウソをつき ました」というよりも「さっき自 分じゃない・といったのはウソでし た」という方がいいにくく、勇気 のいるものです。 ウソの〝追求″が逃げ場のない 厳しい追及や非難では、せっかく 見つけた非行化のきざしも、つみ とるどころか逆に大きくしてしま 、γことにもなりかねません。 ウソがウソを生んでいくのです。 ふだんから子供の 〝心の健康状 態〞をよく知って「ウソは患いこ と」と頭から決めずにその原因を よく理解してから措置すること これが非行のポイントです。 自己中心の思いが 強いと他人や社会が 憩いとしか思えない 1解説」 この世の中はすべてのものが つながり合って、お互い・に相手 のために役立つはたらきをする ことで成立って居り、一日たり とも他人様のお世話にならずに は社会生活は営まれないのであ ります。他人のことなど考えず、 すべて自己中心に考えて行動し て居りますと、自分の立場はだ んだん世の中から見放されて孤 立してしまいます。 自己中心ということは、自分 だけの考えから、自分に都合の よいことを望んで生きていくこ とですから、常に自分が正しい という思いあがった気持があり ますから、自分を反省しようと もせず、自分のことは棚にあげ て気に入らぬことはすべて他人 や世の中のせいばかりにするこ とにせってしまいます。最近の 混乱した世相をみる時この標語 のもつ意味を深く味わっていき たいものです。
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