広報かつら No.95 1976(昭和51)年 10月
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、b つ か 報 広 第95号 国々のいろいろ ③ イギリスの農村 イギリスでは、現在村に住む人 の数が、都会の人口の凡そ三%し かありません。日本では約半々と 云ったところでしょう、どうして こんをにも違うのでしょうか、私 の眼から感じたことを書いてみま しょ,フ。 ロンドンからヒースロー国際空 港まで二十六キロの間、坦々とし たハイウエーが田園の中を真つ直 ぐに走っています。大都市のロン ドンから一歩郊外へ出ると、途端 にそこは遠く地平線に続くほどの 緑の平原で、静寂とのどかさの中 に画のような放牧地が展がってい ました。遥かに草を喰む羊の群と いくつかの数少ない牛の姿が見え 遠く近くにミズナラの大木が点在 するほかは、不思議にもそこに働 く人の姿は一人も見えませんでし た。 イギリスの都市と農村の姿は、 日本ではみることの出来ないほど 極端に違っています。なぜでしょ う、それは今から凡そ二百年ほど 前に、イギリスが世界で一番早く 町に大工場を造ってからば農村の 海外リボ ート 田 仰 二 若者が急に町へ集まっていったた めでした。農村では残った年寄り 達が広くをった農場を預りました 現在でも一戸当り四〇ヘクタール もあります。耕作機械の幼稚な当 時としては、これを放牧場にする より外にありません(第一次産業 革命) このため牧畜老が非常に多 くをり、今でも一戸平均で牛が二 五頭、羊が六〇頭にもなっていま ロンドン郊外の酪農村。 大木はミズナラの●木 す。現在生乳の自給率は一〇〇% 食肉は六〇%ですが、穀物などの 農産物は、国内需要の一割を支え るだけで、あとは海外から買って います。イギリスは雨の多い海洋 性の気候で毎日が陰鬱です。いろ いろを点で日本と似ている気がし ませんか。 ヨーロッパの農業問題 ヨーロッパでも日本と同様、農 業のことではさわいでいました。 その根本原因はやはり農家所得が 他の産業より低いことにあるよう でし.た。あちらでも農業の技術は 高度に進んでいるので、反当収量 はもはや上限に釆ています。従っ て農産物価を引上げるか、耕地を 拡げるかの外に増収の方法はあり ません。ところがあちらでは十七 年前にE・C共同体と云って、農産 物をどの価格を各国共通にして、 相互の共栄を図ることにしました。 然し今ではこれが却って自国の国 内事情を複雑にしてしまったので す。つまり農産物や畜産物をどの 日用品が、すべて協定値段になっ たので、それが自国の国内値段よ り安い国では、差額を国が補助し てくれますが、逆に高い国では生 産意欲が高まり過剰生産にをりま す。これを共同体の外へ輸出しよ うとすると、国際値段より二倍も 四倍にもなってしまうので、事実 上輸出は出来ません。生産と消費 流通のつり合いは、どこの国でも むづかしいものですね。 (次号へつづくし 北国から南へと今年も紅葉前線 がやってき£す。落葉樹が紅葉 する様子は大自然という手品師 が壮大な舞台を一気に作り出し てくれます。一日の最低気温が 六度台に下がると紅葉が始まる といわれますが、北の方必ずし も美しい色が見られるというわ けではありません。紅葉の仕組 はは葉緑素が分解して緑色でを くをってしまい、糖類から花音 素が形成されて紅色となるわけ ですが、日照時間が多く続いた 郵便局からのお知らせ 季節の 話 題 ㊨の手続きはお済みでしょうか お確かめください。 あなたの定額貯金証書 モミジ狩り 後に急激な冷え込みがあると色 があぎやかになるといわれてお ります。どんより曇っていたり、 雨が降り続いた時は黄色にをっ たりして色はさ戊ません。また 反対に雨が少なすぎても落葉し てしまうので、これまた観賞す るどころではないわけです。昨 年は異常高温の後急に冷え込ん だため、あぎやかな色彩が野山 に満ち、十和田、奥日光、大山 面河渓をどは観光客が大挙押し かけたといわれています。 ただいま郵便局では、昭利四九 年九月二三日以前にお預けにをっ た定額貯金のお利息が有利になる 手続き(亀の手続き)をお取り扱 いしています。 手続きは簡単です。定額貯金証 書をお近くの郵便局の窓口ヘお持 ちいただければ、郵便局では、貯 金証書に「㊧」 の表示をいたしま す。このお取扱いは、昭和五二年 一月一三日までとをっております ので、お手もとの定額貯金証書を お確かめのうえ、まだお済みでを い場合は、おついでの折にでもお 近かくの郵便局でこの手続きをお 済ませください。

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