広報かつら No.90 1976(昭和51)年 5月
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√ ら つ か 報 広 第90号 (6) アナウンスもベルもない発車 (ロンドン) 八月七日、今日はいよいよパリ 行きです。ビクトリア駅のホーム はすべて一つの大きなかまぼこ屋 根のフレームの下にありました。 改札がをいので切符を持ったまま 発車線のホームで待っていると、 国際列車ゴールデンアロー号が静 かに入って釆て定位置に止りまし た。この列車は日本学b新幹線ひ かりと云ったところですが、客室 の内部はかをり古さが目立ってい ました。諸にはきいていましたが オーレー氏宅右後方に豚舎と 飼料倉庫の一部が見える 海外リポート q 作 二 をるはど十時四十分の発車時刻に 少しの狂いもなく静かに動き出し ました。それにをんとアナウンス の注意もベルの警青も何もない全 くの静かな無言の発車です。その ためか走行中の車内では車掌が二 三度検札に釆ました。ドーバー海 峡はフェリーで凡そ一時間、いよ いよヨーロッパ大陸へ渡る上そこ は一望千里と云った広い波浪状の 北仏平野で、八月の初めというの に黄色に稔った麦畑が果てしをく 続く中をアロー号は走りに走り、 ロンドンを発ってから七時間二十 五分の後、夕方五時三十分定刻に パリ北駅に着きました。 やはりここでも改札も集札も何 もをく、乗客はただ勝手に外へ散 っていきます。所持する切符の使 命は終ったと云うのでしょう。私 は記念にもと切符をヰにしをがら 何と云う個人を尊重してくれる国 だろうとつくづく思ったことでし た。 アルバイトと彼女 (デンマーク) コペンハーゲン以南はサウスジ ーランド(地方)と云って農村が よく開けていました。広い耕地は 殆んど麦と牧草の畑で、その中に 酪農の家が数百メートル位の間隔 で点在するのどかな散村です。そ の日は特別バスで遥か南方のスク ーピン村に、養豚経営で有名だと 云うクリスチャン・スン・オーレ ー氏宅をたづねる途中のことでし た。そこは三十戸ほどの農家が教 会の建物せ囲んで集まった円村で バスが教会の前にさしかかると、 道路を前にしたキレイな芝生に、 唯一人美しい少女が両脚を投げ出 していかにもたいくつそうです。 ふと数メートル横へ限をやると、 そこにはジーパン姿の学生風とも 見える一人のハイティーンが、芝 刈機でセッセと汗を流しています。 外には誰一人いをい静かな一点景 でした。次め休日に二人でデート を楽しもうと云う彼のアルバイト をじっと見守る彼女の姿でした。 バスの恵から捉えたアッという間 の情景でしたが、このとき私はこ の二人から、何の遠慮もないその 明るさ、そしてほのぼのとした温 かい心の通い合った二人のこの姿 こそ、まことの美しさとはこんな ものであろうかと、大いに感じさ せられました。 (次号へつづく) 死 部落名 孫 根 赤 沢 弔 慶 四月分の出生 部落名 氏 名 阿波山 中井川恵美 孫 根 加藤木敦子 上阿野沢 綿引 昌子 北 方 小堀真由美 上 坪 木村 春美 孫 根 小林 重雄 岩船地区簡易水道事業につきま ては、皆様の御協力によりまして 七月完成を目途に着々工事が進め られております。現在までに本管 布設工事も終り、現在流末工事が 進められております。未加入の方 で今後加入しようとしている方は 設計の都合上五月三十一日までに 役場水道課にお申込み下さい。申 込期間以後は別表のとおり分担金 工事金共に値上りとをります。 尚、七月一日には通水試験する予 定です。 岩船地区簡易水道追加申込は 五月三十一日までに 亡 氏 名 加藤木志も 君嶋きくの 保護者 孝 次 勝 三 文 夫 弘 道 福 次 太 重 北 方 大畠 正三 岩 船 小林関之介 下 坪 君島四書次郎 赤 沢 江幡倉之介 北 方 関根 義政 下阿野沢 小田部一之介 現 在 乳間凍の申込 の み場合 分 担 金 15,000円 30,000円 涜禾工事金 46,000円 65,000円 計 61.000円 95,000円 八八八九ノヽ六 00五五五一

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