広報かつら No.75 1974(昭和49)年 4月
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第75号 (2) ヽ ら つ カ 報 広 昨年末物価高騰により次第に「イ ンフレ」様相を呈しっつあった時 たまたま中東戦争の勃発によって 生じたいわゆる「石油危機」 のた め国を挙げて厳しい試練に直面し、 緊急対策として成立をみた国民生 活安全法と石油需給適正化法との 施行に伴い政府は明年唐子算編成 に当り物価の早期安定をはかるた め息い切った財政規模の圧縮を行 い総需要抑制を基本方針として、 この難局を乗り切ろうとしている。 県もまた呼応して緊縮予算を編成 し補助、起債等の圧縮が行はれ国体 の開催と相まってまさに大きな試 練の年であると思います。かかる 緊迫した現在の諸状勢から.みて村 の予算編成においても年次計画以 外の新たな事業は繰り延べて教育 と福祉重点に国や県の施策に協力 しそれを活用し、村民と手を携え 健康で住みよい郷土づくりのため に村財政のゆるす範囲で総合計画 基本構想に則り教育の振興生活環 境の整備、福祉対策の推進に努力 を傾ける考えで一般会計予算総額 五〇七、七六五千円(前年対比一 七、四%増の編成をいたしました。) 先づ教育費については一二九〇 〇万円を計上し年次計画どおり岩 船小学校の屋内運動場の建設と整 備及び沢山小学校の水泳プールの 建設をとりあげ体育施設の整備を いそぎ、桂中学校の修理塗装と、 資料室の整備をはかり、小、中学校 全体を通じて教材の充足、施設の 修理、修学旅行費の増額と体育指 導面に意をそそぎ、幼稚園に対し ては園児の負担金補助交付金とし て計上し、国体費は、国体への協力 費を計上いたしましたが、公民館 の建設、沢小の改築等が繰延べの やむなきに至りました。 土木費については人間優先の生 活環境整備の重要性から一億余万 円をもって前年に引続き道路改良 改修と舗装新設を考え梅ヶ沢線及 び岩船線の延長は山急土地改良事 業として申請し観世音線は継続工 事として進めることとし、前年道 路債の減額によって繰り延べとな った諸路線の改修舗装等を行うこ とといたし住宅建設については前 年度分十六戸の完成が遅れたため 下坪地区に敷地を確保しながら繰 り延べとし、ダンプの更新をはか って工事の進捗をはかりたいと思 います。 保健厚生費として七九〇〇万円 を計上しましたが各種医療費無料 化等一連の福祉対策を推進し村民 福祉の向上をはかる方針のもとに 村の敬老年金をはじめ国や県の施 策に応じた施策を実施し高額老人 医療制度も7月より実施の予定で あり、その上医療費の値上げに伴 う老人医痺福祉費等の増額となり ました。更に受診率の向上と療養 諸費の増とは国民健康保険の運営 に大きな影響をもたらし被保険者 の負担増を来し五三%の保険税の 値上げによっても賄きれず国保会 計へ千三〇〇万円の繰出を要する こととなり岩船診療所会計への繰 出二〇〇万円と合わせて千五〇〇 万円の繰出となりました。更に水 戸地方広域圏の施設総合老人保健 センターの附属老人休養ホーム建 設が計画されその分担金と国民宿 舎御前山荘の経営分担金を計上し し尿、ゴミ処理場の建設について は、尚、検討を加えたい。 簡易水道事業もいよいよ岩船地 区に拡張することとなり水頂探査 の結果確実な見通しが困難なため やむをえず沢山地区に水源を求め て二ケ年継続事業として岩船地区 全域に工事を進める方針で、第一 年度計画約二億円を要しますので 村債の外九百七十余万円の繰出を 予定しております。 農林水産費については第二次農 業構造改善事業の一還と■Lて施行 したほ場整備後の換地事務委託料 をあげ、施設整備事業については 農協の行う事業が多いのでたまた ま資材不足を来し前途の不安感も あり、次年度に躁り延べ、ごぼう 生産組合による堀取機の助成にと どめたいと考える。尚、米生産調 整に基づく稲作転換作物について の籍導が強く打ち出されて釆まし たので農協指導陣との杏な体制を 強化し農畜産物流通対策協議会の 活動と相まって農業の非常時対策 を講じてゆきたいと考え各近代化 施設事業及び和牛導入に対する資 金の利子補給を継続し肥育牛に対 してもーオ年限補給を続け病虫害 防除も従前通り実行し、災害につ いては共済事業運営による災害補 償の実をあげたいと思います。城 北放牧事業の負担金及び土地改良 区関係の助成と負担金を計上し野 猪対策として補獲さくをつくる外、 有害鳥獣駆除隊の成果に鑑み連絡 用トランシーバの必要性を感じ二 組を備えることにいたしました。 商工費については商工会の育成 と自治・金融基金の充実をはかり会 員の金融の道を拡大し観光事業は 御前山荘の発展に伴う県立自然公 園御前山付近の施設の修理等をは カリたいと思う。 消防費については既に自動ポン プの購入、消火栓の増設を終り、 人件費の増と大型貯水池四基と消 防器具置場二ケ所の改築を予定い たしました。 選挙費については参議院諸口貝選 知事選の準備、土地改良区役員改 選の委託費を計上いたしました。 その外交通安全対策、消費行政 対策としての消費者団体の育成を はからんとし、尚、農村工業導入 計画に伴う地域開発のための諸費 と土地取得のため所要費を計上い たしました。こうした必要経費の 財源として村税十二%の伸びと歳 入の五十九・二パーセントを占め る地方交付税の額を三億円(前年 比二十七二パーセント増)を見 積り国や県の支出金を加え更に村 債四千八百七十万円を予定して予 算編成をいたしました。 このほか特別会計総碩三九、九 七九万円に達しました 稔体的には人件費の増加と物資 の値上りに見合う支出増は考えた が前年どおりの予算にとどめたも のも多いので実質的には節約によ って目的達成をはからねばならぬ 面も多くありますので十分時代の 推移を理解され認識の上村民の協 力を求めて一層の前進をはかりた いと思いますので御協力賜ります ようお願い申しあげます。
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