広報じょうほく No.488 2003(平成15)年 1月
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第12回を迎えた「国際ボラ ンティア作文コンクール」に おいて、川又さゆりさん(常 北中3年)がい関東郵政局長 賞を受賞しました。 今回の応募稔数は、全国で 23、786点。県内からは 関東郵政局長賞に6人が入賞 国際ボランティア 作文コンクール 川又さん(常北中)ガ開棄郵政局長賞 に選ばれました。 川又さんは「同年代の人々 が戟争で亡くなっている現状 をテレビで見て、とても悲し くなった。平和の大切さと幸 せになってもらいたい気持ち を込めて書いた」と話しまし た。 受賞した川又さん(右は伝達した 石塚郵便局吉田局長) 世界の仲間として ≡年五組 川又さゆり 私は比較的平和で豊かな日本で今生きてい る。うぬぼれかもしれないが、世界を単位に して考えればとても恵まれているし、幸せな 方であると思う。そんな生温い環境の中で育っ た私にとって、ある日目にしたテレビでのよ その国の中継放送は、あまりにも衝撃的で ′」ツクな出来事だった。 その時の中継の内容は、今思いだしただけ でも鳥肌が立つ。銃を撃ち合っている兵士の すぐ近くで、あまり大きくない金属の箱に必 死になって身を隠す、私とあまり年の違わな い男の子とその父親と思われる二人がいた。 私が息をのんだ次の瞬間、その二人はあっと いう間に銃撃されて動かなくなってしまった。 私はただただ、テレビで見ていることしかで きなくて呆然としてしまった。 私がこうしている問にも二つの命がうばわ れた。こんな恐ろしい環境の中で、いったい どうして生活できようか。 その映像は今でもなまなましく、その時の 気持ちと一体になって、残像のように焼きつ いている。そして、私たちの豊かすぎる社会 の存在の陰には、多くのつらく貧しい生活を 送る人々、国があることを痛感した。 いったい何人の人が争いで命を落し、巻き 添えになっ美のだろう。怒りとそれ以上の悲 しみ、どうしようもない虚しさが消えること がない。 今までの長い歴史の間、人々は常に争いを してきたのではないだろうか。その皮に決まっ て、犠牲になるのは弱者だ。 何のために戦うのか、私にはその意味が少 しも理解できない。命よりも大切な事なんて あってはならないはず。なのに人間は同じよ うな争いを何度くり返しても、それに気付く ことができない。争いの傷跡にはズタズタに なった心や命、大切だった物だけである。そ れは本当に悲しいことだと思う。今の私たち からは想像がつかない。しかしこんな状況の 国は、世界に実際多くある。いつまでもこの ままではいけないのだ。現在こんなにも国の 格差がうまれた事を反省し、改善しようと努 めるべきではないのか。 今、私たちがすべき事は争いではない。私 達は道具でもなぐ物でもないのだ。幸せにな る権利を全ての人が持つ以上、一人でも多く の幸福の実現を助け合っことの方がずっとずっ と大切であるはずだと思う。 争いを起こすのが人間なら、争いを防ぎ、 傷跡を癒すことも人間にしかできない。そん なふうに考えてみてはだめだろうか。私は最 近、その手助けとなる一つの手段として国際 ボランティア貯金を知った。利子を援助団体 に寄付し、その活動を支えている。直接的な ボランティアはもちろん大切であるがこういっ た活動こそ誰にでもできる小さな事だし、小 さいけれど重要な国際協力だと、私は思う。 一人でも多くの方の協力を願いたい。 広報じようほく
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