広報じょうほく No.474 2001(平成13)年 11月
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わいい子倶が危険な状況になってしまったら、悔 やんでも悔やみきれないはずなのに。 大切なのは、何があっても断る勇気を持つこと だ。この世に生まれた以上、どんな理由があって も自分の体、そして一生を大切にするのは私たち の義務ではないだろうか。私は何があっても絶対 に薬物を乱用したりするような事はしません。 私の父は警察官だ。留置場で捕らえられた人た ちを監視するという仕事をしている。私は、父か l 大会で作文を朗読する菊池さん らよく仕事の話を聞かされるのだが、ある日とて も驚いたことがあったのだ。 「留置場の人たちは、確かに悪いことをしてつか まっているけど、根は優しい人ばかりだよ。」 と、父がうれしそうに語ってくれたのだ。今まで 私は、犯罪を犯した人たちは、心が荒んでいるよ うな人ばかりなんだろう、と思い込んでいた。し かし、そうではないと知り、ホツとした。やはり 人間だからその時によって様々な感情が交錯し思 い余って、あるいは衝動的に犯罪に走ってしまう のだと思う。こういう犯罪にも薬物が関わってい ることは少なくないそうで、夢から覚めればごく 普通の人もいると聞いた。悩みや不安を紛らわす ために薬物に手を出してしまうのだろうか。 青少年の非行が今、大きな問題となっている。 今は、大人だけでなく子供までが犯罪を犯してし まうのだ。万引きや恐喝を繰り返してしまう少年 も、一たくさんいる。ある時見たテレビの中で少年 たちは、 「だってスリルが欲しいから。」 と言っていた。そんな自分勝手な理由でお店の品 物を盗んだりするのは許せない。偶然、友達と一 緒に買い物をしていたと㌢に、私は実際に万引き してる人を見つけてしまった。その時は勇気がな くて、その人に「やめなさい。」とは言えなかっ たが、店員さんには敢えてあげることができた。 そのときのことは、私は今でもよく思い出せる。 しかし、あの時になぜ止めなかったのだろう、ヒ ( 後悔している。私は、決して犯罪を黙認するよう なことはしたくない。悪いことは悪いと言えるよ うな意志の強い人間にならなくてはいけないと思っ ているからだ。 青少年は、なぜ非行に走るのだろうか。きっと、 その理由は生活環境にあるのではないかと思う。 例えば両親が冷たいとか、家族との会話が全く無 いとか、キーワードになるのは家族だと思う。非 行に走るということは家族への信号のようなもの だ。本当はもっとしやべりかけてほしいのに、愛 してもらいたいのに、と心の中では孤独なのだ。 中学生や高校生は、どんなに大人ぶっていても子 供なのだ。だから、かまってほしいのだ。私の家 では、必ず一家全貞でご飯を食べるようにしてい る。私はこういう日常の小さなことからでも非行 は防止できると思う。そして、親には子供の言う ことをちゃんと聞いてほしい。裁と子供がコミュ ニケーションを取れば、非行は少なくなるはずだ。 私は両親との会話を大切にすることを心がけてい る。 私たちにできる上と。それは思いやりを持つこ とと、悪に負けない強い意志を持つことだ。たっ た一人の力では何ともならないかもしれないけれ ど、二人、三人と増えていけば、この暗い世の中 を変える大きな原動力となるはずだ。そんな明る い未来をつくるのが、二十一世紀を生きる私たち の使命だと思う。そして、もし周りに非行の道へ 迷いこみそうになった人がいたらやめさせたい。 広報じようほく
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