広報じょうほく No.453 2000(平成12)年 2月
8/10
県主催の平成11年度茨城県下水 道促進週間コンクールにおいて、 冨安慶悟君(小枚小6年)が作文 の部で県知事賞特選に輝きました。 慶倍君は、川の水を守るために必 要な下水道整備や日常生活での心 がけを、自らが学校の中で取り組 んでいるホタルの飼育活動と関連 づけて訴えました。 また、慶悟君の妹の茜さん(同 3年)も絵画の部で佳作に入選し、 「うれしいです」と賞 状を手にする冨安君。 引率の笠井校長先生や 阿久津町長らと 兄妹での受賞となりました。 ‡ 十サ ‡ 十十 ‡ ‡ ‡ 未来の川を美しい川に 小松小 六年 冨安 慶悟 ぼくは、スポーツ少年団で野球 をやっています。毎週土曜日に練 習をする広場へいくと中のことで ′′〜 す。いつものように近道を通ろう とすると、道の真ん中に大きな看 板が立っていました。 「工事中か‥・。」 よく見ると、そこには「下水道工 事のため、全面通行止め」と書か れていました。ふつうなら見過ご してしまう「下水道」という文字 ですが、まっ先に目についたのは、 ぼくが今、関心を持っているから かもしれません。 ほくが住んでいる小松学区には、 藤井川という川が流れています。 この藤井川では、夏になると、ホ タルがたくさん飛びます。ホタル の美しい光を守っていこうと、ぼ くがかよっている小松小では、さ まざまな活動をしています。 ホタルは幼虫のとき、きれいな 水の中で過ごします。最近では、 川のよごれのために、ホタルが見 られなくなった所も多いそうです。 では、藤井川のよごれはどうなの か、水質検査を行いました。 ちょっと見たところでは、すき 通ってきれいに見える藤井川も、 観察場所を変えていくと、よごれ が目につくところがありました。 ごみが投げすててあったり、洗ざ いのあわがういていたりするのを 見て、なんてひどいことをするの だろうと、悲しくなりました。排 水をそのまま川へ流しているよう でした。 昔の藤井川の様子について、お 父さんやお母さん方にアンケート をとったとき、ほとんどの人が夏、 川にはいって泳いだり、スイカや トマトを冷やして食べたりした思 い出を書いてくださいました。今 よりもずっと川の水はきれいだっ たそうです。 では、どうして川はよごれてき たのでしょうか。 よごれの原因を調べてみると、 「生活排水」が問題となっている ことが、分かりました。 「生活排水」とは、家庭の台所や ふろ、水洗トイレなどから出るよ ごれた水のことです。生活排水は、 ぼくたちのくらしから出るわけで すが、水を使って生活しているの で、まったく出さないわけにはい きません。 でも、よごれた水をそのまま川 へ流したら、川はよごれ、飲み水 として利用することもむずかしく なります。よごれた水をきれいに してから、自然へ返さなくてはい けないのです。その役目を果たす ものが「下水道」です。 下水道は、生活排水を下水管に 集めて運び、下水処理場できれい にするので、川などの水をきれい にすることに、大変役立っていま す。それだけでなく、どの家庭で ′\、 も水洗トイレが使えるようになっ て、いやなにおいがなくなり、衛 生的にもなります。さらに、大雨 がふっても、雨水が道路にあふれ ることもなくなるそうです。下水 道は、きれいな川をつくるだけで なく、ぼくたちが生活するために、 なくてはならないものだというこ とが分かりました。 でも、いくら下水道ができても 正しく使わなければ、ほんとうに 役立つことにはなりません。水洗 トイレでヤわらかい紙以外のもの を流したり、台所からゴミや油を 流したりしたら、下水管がつまっ てしまいます。油は、家庭で調理 をした後は、ふきとったり、流し にはネットをはりゴミを流さない ようどの家でも工夫をするのが大 切です。また、使う水を節約し、 生活排水をできるだけ少なくする ように心がけたいと思います。 生活に役立つ下水道がぼくの町 にもどんどん広がってきているこ とはうれしいことですが、日本で は、まだ十分にはゆきわたってい ません。すみずみにまで下水道が ゆきわたれば、藤井川だけでなく、 どの川もきれいになり、ホタルも 増えることでしょう。 未来の川を美しい川にするため に、下水道の大切さをよびかけて いこうと思います。 広報じようほく
元のページ