広報じょうほく No.447 1999(平成11)年 8月
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私は勉強が好きです。 こんなことを言ったら、「珍し い人ですね」とか、「無理しでい るんじゃないの」とか言われそつ ですが、本当なんです。 学ぶって、本当に楽しいことな のです。 -私の学生時代から ちょっと恥ずかしいのですが、 正直言って中学校時代の成債はあ まり良い方ではありませんでした。 「やらないからできない、できな いから嫌い」と悪循環を繰り返し ていたのです。 東京の女子校に通学していた高 校2年生のころ、私にも「勉強を 好きになるチャンス」が巡ってき ました。わかりやすい授業で理解 できるようになってきたからです。 この間、両親は「勉強しなさい」 という言葉を一度も口にしません でした。それは多分、両親が私を 信じ、私が自然に目覚めるのを気 長に待っていてくれたからだと思 います。このような両親に対して 心から感謝しております。 お陰で、おしっけのやらされる 勉強ではない、自ら学ぶ習慣が身 についたと思っています。 2 最近の私の学習体験から 一昨年の春、茨城大学の構内に 放送大学が開設されました。大学 を卒業してちょうど20年経つ私は、 もう一度学んでみたいとの思いを 胸に資料を取り寄せました。 私は300科目近くある中から 「障害者福祉論」と「カウンセリ ング」を選び、放送大学に1年間 通いました。 茨城大学の構内にある放送大学 は距離が近く、1単位4、000 円と費用の負担も少なかったので 大助かりでした。また、ビデオや カセット等を借りて自宅でも学習 できるため、仕事との両立が可能 でした。 放送大学で学ぶ時間は家事、育 児、仕事から開放され、私にとっ てはひとりの自分に戻れる大切な ひとときでした。 放送大学にはいろいろな年代の 方やさまざまな仕事を持つ人達が 集まって来て学んでいます。若い カップルがデートを兼ねて仲良く 学習している姿も見られました。 単位認定試験に際しては、お決 まりの一夜漬けになってしまいま したが、久々に味わう緊張感は心 地良いものでした。 3 放送大学での体験発表から 事務局から「放送大学で学んだ 体験発表をお願いします」との依 頼がありました。 私は、「こんなおばさんの話で もいいのかしら」と思いつつも、 怖いもの知らずの性格からこの依 ′l\ 頼を引き受け、入学式に新入生の 前で体験発表をする横会をいただ きました。 最初の発表者である、元大学教 授の理路整然とした話に続き、私 の発表が始まりました。自分と同 じ年代の主婦らしき女性の数人が 熱心にメモを取りながら聞いてい てくれる様子を励みに、無事大役 を果たすことができました。 年を重ねると、自分を成長させ るチャンスが少なくなりがちです が、私はこのような横会に恵まれ てありがたいことだと思いました。 4 私の学習への想い 世の中には、海外旅行に出かけ たり、ブランド品を身につけたり するなど、たくさんの楽しみ(= ぜ いたく 贅沢)があります。 私は「好きな勉強をすること」 は一生続けられる心の贅沢だと思 /\ います。そして、いつも学び続け うつわ ることにより、〝心の希を拡げ、 少しでも優しい人間に近づけたら″ と願っています。 5 最後に 今度の通学で、「学ぶこと」の 大切さや楽しさ、喜びなどを再び 味わいました。 これからも勉強して、いろいろ な立場の人を理解し、暖かく接す ることのできる人になりたいと思 います。 「学習には何よりも、やる気が 大空ではないでしょうか。 ◇ ◇ ◇ ※町生涯学習課では、皆さんのた めの各種生涯学習の提供や学習相 談などを行っています。 気軽にご相談ください。 (℡288-6100) ■l 放送大学で貴重な学習 体験をした安田さん 広報じようほく
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