広報じょうほく No.435 1998(平成10)年 8月
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「物を作る楽しみ」には、物を 作る者のみが知る喜びと満足感が あります。 竹を利用しての生活用品作りは、 今始まったことではありません。 アイディアを生かした作品の 竹林と言えば、防風、防火等を兼 ねて、どこの家にも竹山があり、 生活に役立てていました。昔から、 その竹を利用して竹ぼうき、火吹 竹、ざる等の日常生活必需品から、 部と宮本さん みんなで生涯学習 学習紹介⑳ 完成の喜びを生きがいとして 「竹細工づくり」から 宮 本 和 ′■lヽ 竹とんぼ、竹馬、たこ等の遊具、 かご、肥ふご、笠木、おだあし等 の農作業の資材、更には、陽よけ、 すだれ等あらゆる生活用品の資材 として利用され、貴重品でもあり ました。 それなのに、今日ではプラスチッ ク等の合成製品にとって変わられ、 竹製品がめっきり少なくなってし まいました。今では、楽器の尺八 や竹笛、それに竹のうつぼくらい しか日にできなくなってしまつた のは誠に残念でなりません¢ 1 竹細エを始めたきっかけ 昔から我が家の貴重品として、 母や祖母が後生大事に使っていた 竹はしやざるの使い易さと手作り のよさに触れるにつけ、自らの手 で作ってみようと思いつきました。 また、孟宗竹や真竹等の資材を たやすく入手できることも竹細工 で物を作るきっかけとなりました。 更に、はしやざる等の日常生活必 需品を作り、妻や近所の人々の利 用に倹して喜ばれたことも竹細工 づくりを今日まで続けているきっ かけになっているのです。 2 自らのアイディアを生かす 竹素材の特徴である弾力性と強 じんさを生かすために、どのよう に組み立て、どう作りあげるか、 作りながら考え、考えながら作る。 そこに自らのアイディアを生かし て物を作る楽しさや喜びがありま す。小刀で竹を削る。ほのかに什 のにおいがする。どう形づくつて いくかアイディアを練る。何とも 言えない楽しみがあります。 また、完成したときの全体像を イメージしても、アイディアが浮 かばないときがあります。そんな とき、ひと息いれて考え直すこと もしばしばですが、それもまた楽 しみなのです。 3 「完成の喜び」を味わう 仕上げに入り、サンドペーパー ややすりをかけ、物によってはニ スを塗って仕上げをする。全体を 見直し、細かなところに手を入れ る。なかなか自分が気にいるよう にはできませんが、気に入ったよ うに「竹細工が完成」したときの 喜びはひとしおのものがあります。 それは、物を作りだす者のみが知 る喜びともいえるものです。 4 「竹細エ」のよさを味わう 竹細工のよさは、何といっても 自然色の温かさであり、苦労して ( 作りあげた「喜び」のよさでもあ ります。 心を込めて作りあげた物は、何 年経ても「飽きのこないこと」で あり、使いこなす間に「使いやす く」もなることです。 竹素材そのものからくる竹独特 のよさや味わいも見逃せないもの すす です。例えば、竹細工の素材に煤 だけ 竹や年を経たアメ色の竹を使えば、 それなりの色合いを示し、作る物 によってはより気品ある物になり ます。置き物等を作って鑑賞し、 いつまでもたんのうすることもで きます。 5 人それぞれに楽しみをもつ 夕暮れどき、仕事が終わって一 杯飲むのが楽しみという人もいま すペ休みにゴルフが楽しみという 人もいるでしょう。カラオケ、野 球、釣りなど、楽しみは人さまざ まです。私は竹細エづくりをして 楽しんでいるのです。鳥かごやう つぼ等、もう管関目ほどの竹細工 を作りました。今後も「完成の喜 び」を生きがいとして、作り続け ていこうと思います。これらの竹 細工づくりも生涯学習に通ずるも のと思っています。 みなさんも自分のしたいことに 挑戦してみてはいかがでしょうか。 広報じょうほく
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