広報じょうほく No.430 1998(平成10)年 2月
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言葉です。 私も「ハ 「さりげなくいけられたいけ花 に、ふと季節のもてなしを感じ、 心がなごみ、うれしく思います」 とは訪れてくださったある友人の 「いけ花や茶道」を指導している皆さんと (右端ガ加藤木先生) いつでも どこでも ぜ乃でも J■m ■rト」臥■”“Hl ■ 蔽って くれるのです。 ■ もらえたことに、花をいけてよか った」と思うのです。 いけ花はだれでも簡単にでき、 人を楽しませたり、自分で楽しん だりして、暮らしに潤いを与えて みんなで生涯学習 □ 学習紹介⑲ 花をいけて楽しお ふれあい塾「華道・茶道・礼法」指導講師 加藤木 和 子 1自然をかたどって楽しむ 私は、いけ花を始めて久しくな りますが、自然の趣よく描写でき るのもいけ花の大きな楽しみの一 つだと思っています。 いけ花では、植物の姿そのもの を美しく生かして鑑賞するばかり でなく、植物を使ってあたかもス ケッチをするように、自然の景観 を描写して楽しむこともできます。 もりばな 挿し口の広い花器を使う盛花に みられるいけ方は、写景挿花、景 色いけ、景花などと呼ばれていま す。 一般に大きめの水盤を使い、日 陰かずらなどの細かな菓を下草に 敷いて陸地を表します。そして残 りの水面を海とみれば海浜の景観 となり、渓流とみれば山の景観と なり、池とみれば池畔の景観とな ります。いけ方としては花材を実 際の草木が縮尺されて盤上にある ように見せるのがコツですが、あ まりこだわらず、自分の好みで自 然を描写して楽しむのもまた面白 いものです。 2花村を取り合わせて楽しむ 四季を通じて、いろいろ花材の 取り合わせを自分なりに工夫を凝 らして考えるのも楽しみです。 どんな花材と花材を取り合わせ て、どう構成し、どこの場所に飾 るのがふさわしいか、など考えな がらいけるのがとても楽しみです。 花材の取り合わせ一つとっても、 その花材の特徴や表情を生かす工 夫と配慮をすることが必要です。 四季おりおりの取り合わせを自分 なりに考えていければよいのです。 例えば、春は色どりの取り合わ せを考えたり、夏には取り合わせ をいろいろ工夫して涼しげに見せ るようにしたり、秋には花・菓・ 実などの花材の取り合わせをし、 色のトーンや質感等に変化をつけ て楽しんだり、冬には露地に咲く 花が少ないのですが、枯物等を使 っていけ花を飾り、暮らしに潤い を求めたりするのですっ 3花器を選んで楽しむ 花器は単に水を入れるだけでな く、花材とともにいけ花を形づく る重要な役目を持つものです。 花器には木製、陶製、磁製、ガ ラス製のもの、形や色、挿し口の 大小等さまぎまなものがあります。 これらの多くの花器の中から、季 節や花材、置く場所などにふさわ ′J■ しい花器をあれこれと考えて選ぶ のもとても楽しいものです。 4野辺の花をいけて楽しむ 今は、四季を通じていろいろな 花材がふんだんに出回っています が、何もお店で花材を求めるばか りがよいのではありません。 自然を散発して、その季節に合 った草花や枝ものなどを手に入れ ていけ花を楽しむのも、愛着や新 鮮な味わいを待ったりするもので す。 野辺には、たんばばやすみれの 花や雑草など、花店にない魅力的 な花村がたくさんあるものです。 l枝切って小品のいけ花にして もよいし、雑草の二、三種と庭木 の小枝と取り合わせても大いに楽 しむことができます。 5最後に 「いけ花」は、古くから日本の 伝統生活造形芸術として崇高なも のであり、いけ方一つとっても流 派により様式や手法、技法、礼法 などにいろいろな違いがあります。 が、とにかく自分の好みによって いけ花を楽しみ、心に潤いを持た せるという軽い気持ちでいけてみ てはいかがでしょうか。 私にとって、「いけ花」は単に 観賞して楽しむだけでなく、心の 友であり、心の支えになっている のです。 広報じようほ<

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