広報じょうほく No.429 1998(平成10)年 1月
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「吟行の喜びと楽しきを知り、 毎月の楽しみがまた一つ増えまし た。季節ごとに新しい出会いが生 まれ、新しい感動に触れることが できますLとは、ある句会月の言 「発4回目本現代俳句協会賞」を 受賞し、喜びの小野草葉手先生 葉です。 この常北の地で、生涯学習の 『俳句教室』の御指導をしていら おのそうようし っしゃる那珂西在住の小野草葉子 先生を訪ねました。 l みんなで生涯学習 人々の他の支ぇに 一感動をつづる『俳句教室』から- ( 師の住みし越後は近し夕時雨 この俳句は先生の一句です。 先生は「18歳のとき、俳人高浜 虚子にあこがれて師事、50有余年 の間、師の客観写生を中心とした うたごころ 詩心にひかれ、かたくなに追い求 めてきた」ということです。 俳句教室の人たちは「そうした草 菓子先生のお人柄と才能に魅せら れ、句作に心をよせ、移りゆく自 然のさまや人生を考、え、生きる勇 気を育んでいる」といいます。 -、句作のすすめ 「自分のために俳句は詠むので す。一日一日のその一瞬のつぶや きやその時ひらめいた感動、驚き などを素直に言葉で表現しさえす ればよいのです。みなさんも句作 に挑戦してみませんか。そうすれ ばその一瞬、この世のわずらわし さから解放され、幸せをおぼえま す。何事もきっかけを逃がさない ことが大事です」と草葉子先生は hし おっしゃっていました。 また、「高浜虚子先生に師事し た後、虚子の客観写生を忠実に継 承した茨城県生まれの俳人高野素 十先生や山口誓子先生に師事でき たのも、俳誌『ホトトギス』に投 句したのがきっかけでしたLとお っしゃっていました。 2、楽しい出会い、ふれあいを 「私たちは、ややもすると今日 の一瞬一瞬を見失いがちになるも のです。その生きてきた一瞬を新 たな出会いとし、感動をもってふ れあ、つことが大切です。感動なく して佳作は生まれません」と草葉 子先生はおっしゃいます。 また「楽しいふれあいをもつ心 をもてば、詩心を磨くことにも通 じる」とも話してくださいました。 是非、楽しい出会いやふれあい を心がけてほしいものです。 3、自然にやさしい心を 句作は、自然にやさしい心を育 むといいます。 草葉子先生は、俳句は常に感動 を素直に表現することに心がける とともに、自然にやさしい心で対 峠することに心がけていらっしゃ るそうです。 また、句作の経験をもつ人は、 身のまわりのすべてのことによく 気づき、生き生きと見えてくるそ うです。そして、それが花や木や 、( 鳥であったり、季節の移り変わり であったり、多くの人とのふれあ いであったりするのだそうです。 「難かしいことは言わずに、自 分の生活を、その時々の自分の素 直な気持ちを五・七・五の音節に つづってほしいです。 そして、自分のために自分の喜 びや悲しみを表現するのだという ことをしっかりと心にとどめてほ しいものだと思います」。 4 活動を通して喜びを 俳句活動を通じて仲間づくりを し、喜びに浸ってほしいものです。 草菓子先生は、多くの『俳句教 室』や俳誌『草笛』 (月刊・主宰) 等に携わり、仲間との交流に喜び を感じているそうです。 また、先生は俳誌『ホトトギス』 の同人として活躍し、「平成10年 度、日本テレビ文学講座『ふれあ い俳句』の講師として出演し、営 んの心の支えになっていきたいL と意欲を燃やしておられました。 5 これからは 虚子が最後に到達した俳句観 ぞんもん 「日常の存間が即ち俳句である」 という言葉を心に銘じ、四季折々 の自然や人との出会い等の新鮮な 喜び、驚きを『俳句教室』の皆さ んと共に感じ、伝統俳句を継承し ていきたいとのことでした。 広報じょう履く

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