広報じょうほく No.424 1997(平成9)年 7月
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¢157を防ぐ 昨年、過去に例を見ない規模で全匡lに食中毒を発生 させた病原性大腸菌0157。これまでにすべての都道府 県で発生し、9,700人に上る感染者と13人の死亡者ガ報 告されています(平成9年5月末現在九給食七ニノター や飲食店などで厳しい予防1本制ガ講じられる一方、一 般家庭での食中毒発生ガ自立ってきています。 加熱しない食品は よ<洗う 「いつ、どこで食中毒が発生し てもおかしくない」 - 0157 の汚染は、多くの専門家がそう警 告するほどの全国的な広がりをみ せています。 0157は感染から発症までの 潜伏期間が4〜8日と長いため、 感染ルートが解明できないことが 少なくありません。原因食品と特 定できたものも、その種類は牛レ バーから野菜サラダまで多岐に及 んでいます。 厚生省では、「広範な食品が0 157感染の媒体になり得る」と しながら、「特に熟を通さない食 品の取り扱いに注意が必要」と呼 び掛けています。ビニール包装し ← てある野菜やカット野菜は調理前 によく洗い、肉や魚は中心部まで 十分に加熱して食べる必要があり ます。 注意すべき食中毒菌は、015 7だけではありません。昨年最も 多く発生した食中毒は、サルモネ ラ菌(肉・魚・卵が原因食品、加 熱に弱い)によるもので、報告さ れているだけでも全国で1、63 0人の食中毒患者が出ています。 気温や湿度が高く、食中毒菌が 繁殖しやすいこの時期、食品の保 存や調理の方法、台所や調理器具 の衛生管理には十分注意する必要 があります。 食品を取り扱うときは、その前 後に必ず手を洗いましょう。 加熱する食品は 病原性大腸菌O157とは? 中心部まで十分に火を通す 大腸菌は家畜や健康な人の腸の 中にもいる1~2ミクロンの細菌 です。無害のものが多いのですが、 人に下痢などを起こさせる病上京性 大腸菌と呼ばれる種類があります。 0157は157番目に発見された病J京 性大腸菌(現在173種類)の意味。 ふんべ.ん 家畜の糞便から見つかることが多 いようです。 0157は、病原性大腸菌のなか の腸管出血性大腸菌に分類され、 毒性の強い「ベロ毒素」を出すの が特徴です。腸炎ビブリオの約1 万倍ともいわれる強い感染力をも ち、わずか数‾百個の菌が体内に 入っただけでも感染する可能性が あります。 ●暖かい料理は650C以上、冷やして食 べる料理は100C以下に保ち、早く食 べる。室温で放置すると、例えば 0157は15~20分で2倍に増えます。 0157は感染後、通常4〜8 日の潜伏期間を経て症状を現しま す。健康な大人は感染しても症状 がなかったり、軽い下痢で、便に 血が混じることもあるようです。 発症後3日ほどで出血性大腸炎、 約1週間で溶血性尿毒症症候群を 併発します。腎臓や脳に機能障害 を起こして、最悪の場合、死亡す ることもあります。 血便が出たらすぐに病院で検査 を受けることが大切です。むやみ に下痢止め薬などを飲むと、腸の はたらきを悪くするう、え、病原菌 を排せつできず危険な状態を招く ことがあります。 感染から発症まで ●生の肉、魚、卵を取り扱う前後 に、手・指を洗う。 ●肉や魚を切った包丁やまな板を 洗わすに、生で食べる野菜や果 物、調理済みの食品を切らない。 ●いたみやすい良品は、すくに冷戟庫▲冷凍庫に 入れる。冷蔵庫は100C以下、完凍屋は-150C以 下の温度に保つことガ目安。 広報じようほ< 2

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