広報じょうほく No.423 1997(平成9)年 6月
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盆栽づくりに愛情をかければか けるほど、それが自分の好みの樹 姿となり、みごとな花や実などを 付け、その骨折りを返してくれま 盆栽つくりに生きガいを感じると 語る桧山さんご夫妻 _ す。このことに私は魅力を感じ、 長年、盆栽づくりに力を傾けてき ました。 盆栽は、見る人の心をなごませ、 盆栽を楽しお 一趣味や関心を生かして一 桧 山 力 長 学習紹介⑯ ( 生きるはりあいを人々にもたせる とともに、豊かな心を育むことが できると考えています。 盆栽も生きものです。同じ樹姿 を保ち、みごとな樹木に育てるに は、それなりの愛情と苦労が必要 なのです。 私が盆栽づくりを始めたのは、 ある友人の家を訪れたとき、そこ に飾られてあった盆栽の樹姿に自 然の趣きを感じ、心を打たれたか らです。 それからというもの、盆栽に興 味と感心をもち始めました。各地 で催される園芸展示会や即売会な どに足を運び、盆栽の見る目を養 い、楽しみながら盆栽を眺め、気 に入ったものを見つけては求める ようになっていったのです。 また、盆栽づくりや鉢植え等に も手を出すようになりました。 盆栽と鉢植えは、いずれも木や 草を鉢に植える点では同じですが、 仕立て方や観賞の仕方に違いがあ ります。鉢植えは菓や花、芙を楽 しむものとされ、盆栽は幹や枝ぶ りを楽しみ、鉢の中に自然の風景 を描くように仕立てたものとされ ています。 現在、私は「常北町園芸趣味の 会」に所属し、多くの人々とふれ あい、楽しみながらいろいろなこ とを学んでいます。 盆栽の歴史は古く、「盆栽」の 文字が日本で初めて文献に表れた のは、1818年(文政元年)と されています。当時は盆栽と書い て「はちうえ」と読んでいたよう です。現在のように盆栽と鉢植え の区別がはっきりとありませんで した。 また、盆栽は盆上に「自然の縮 図」を作りあげ、古木や大木の趣 をもたせるものだけに、鉢植えに 比べるとより長い年月をかけて育 てる必要があります。日本独得の 伝統芸術ともいわれており、栽培 技術や作り手の創意にも、よりき め細かなものが要求されます。 二れから盆栽を始めようとする 人は、鉢植えとの違いや技術の在 り方などをあれこれせんさくしす ぎるのも考えものです。それより も、まず一本の木や草を植え、あ せらずにゆっくり育てるという心 構えをもつことが肝心です。また、 初めから高価な苗木を求めず、手 入れの簡単な樹種をいくつか育て ′l\ ながら、少しずつ木に慣れるよう にするとよいと思います。 盆栽に対する審美眼を養うこと も盆栽づくりには大切です。よい 盆栽は自然を感じさせるという基 本を念頭に置き、できるだけ多く の盆栽を見て歩き、その実しさを つかむことです。 そのためには、折りに触れて盆 栽展や盆栽園などに足を運び、盆 栽を見る目を養うことです。また、 自然のなかにある木や草などの姿 を日ごろからよく観察し、生きた 自然を手本にするよう心がけるこ とも大切です。 盆栽でも鉢植えでも、愛情をも って楽しみながら育てることが上 達の第一歩だと思います。 「常北町園芸趣味の会」では、 春と秋に盆栽展示会及び即売会を 開催し、多くの人と楽しく触れ合 っています。同じ趣味や関心をも つ人が触れ合うことも上達のコツ です。 また、この会では、「手入れ講 習会」を開催し、それぞれの盆栽 や庭木等の樹種に合った手入れの 仕方や仕立て、樹形づくり、さら には、施肥・水の管理に至るまで 学習しています。 皆さんも始めてみませんか。 楽しく学び、磨きあいましょう。 広報じょうほく
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