広報じょうほく No.408 1996(平成8)年 3月
8/12
-‾‾‾‘‘‾‘‾‘‘■一‾一‾‘‾‘‾‾‾■‾′‾■‾’‾■‾‘‾‘‾■‾■‾’‾1 l 「一‾■‾‾‾一‾‾‾一‾‾‾‘中一‾一‾’‾‘一‾一‾′一叫‾■‾′‾■‾‘‾■‾▼‾′ 頭痛麗 頓化原の とっけはら 文.今 瀬 義 次さん が敵、味方に分かれて戦うことに なってしまった。命を一門の争い で落とすことも恥ずかしいが、こ れも運命である。おのおのがたよ、 戦うからには親せきの伸といって も遠慮なく、一人でも多くの首を とりわが胸中の無念を晴れさせて くれ。もし運よく勝てばめでたく 小場へ帰ろう。恥ある戦や見苦し い死にかたはしないよう心得よノ と励ました。士卒たちは1我々は 小場城を出る時には命を城主に奉 ったはず。かばねを戦場にさらす のは覚悟のう、きと大いに士気を あげた、 この時、北西の方に白旗さっと 押立てときの声があがった。寄手 の大将義勝公は「我、多年のうら み積もってこの戦いになった。打 死して名を後世に残すも覚悟のう 、きと進み出て石塚城外の逆茂木 といっていばらの枝を逆立て垣に ゆったところの内まで馬を乗り入 れ、大声をはりあげて「この城に 小場三河守の父子がいると思う。 このたび小田部孫九郎に対して無 札な悪口許せない。そのうらみを 晴らすため親子で参った。さあ勝 負しよう。うらみの矢を受けてみ ょゾと言うや、三人張、十三東の (石塚城合戦のこと) 小場三河守は石塚城中の停たち に「このたびは僅かのことで一門 /し 長さの矢を立てつづけに放った。 城内からも「退くな、進めノと命 令の声があり、鉄砲矢玉の音、人 馬の声は天地にひびき、攻め合い、 激しく戦うこと約二時間。両軍の 多くの者がきずを受け、互に引き 退くというしゅら場であった。 その時、陣中からもえぎ(育と 薫の間の色)おどしのよろいを着 け、五枚甲の鬼目、黒毛の馬にう ち乗った若武者が大声をあげ、「遠 くの者も近くの者もよく見、そし て開け。我こそは大山義勝公の家 臣で一騎当千と呼ばれた小田部出 雲の長男孫九郎義行である。今年 十八歳。過日の小場三河守の御前 で口論によって、その時打果すべ きところを大勢の人にとめられ果 おくびさつ せず、臆病者と呼ばれる恥ずかし めを受けたことはかえすがえすも 忘れられないうらみ。今日こそ討 死しようと覚悟した上は誰でも相 手になる。我と思わん者は出て来 いノと三尺二寸(約一メートル) の大刀を振りまわし始めた。 城中から若侍四、五人が打って 出て孫九郎にかかったが、孫九郎 は左手に払い右手に防ぎひるまず に戦ったので若侍らもかなわない と引き返きはじめた。孫九郎がこ れを追いかけた時に黄糸おどしの よろいを着た武者があらわれた。 この武者は川又梅太郎と名乗り、 一丈(約三メートル)余りの十文 字の槍を手に走り出て孫九郎の相 手になって戦い始めた。お互に怠 らない勇士と勇士で、その激しさ はたとえようもなくすさまじい。 そのうち川又梅太郎は槍のえを切 られてしまい、これを捨て刀を抜 いて孫九郎と戦った。こんどは梅 太郎がいらだって思い切り打込ん だ大刀を孫九郎は受け損じて切ら れてしまった。傷は深く、孫九郎 は権太郎の手で遂に首をとられて しまった。 大将大山義勝はこれを知ると烈 火のように怒った。「味方が油断 したので孫九郎が討たれてしまっ た。孫九郎を殺した者を打取れゾ と命令し、義勝、義則の父子が一 所にくつわを並べて指揮をとった。 両軍入り乱れて攻め合い守り合い、 激戦はしばらくの間続いた。押寄 せた大山勢も逆茂木を打破って攻 め入り火花を散らして戦った。 その時城中から石突兵部と名乗 る武者が出てきた。大きな刀を打 ち振り、切りまわり、向うところ 敵なしという程だった。この石突 兵部を見て、身長七尺(約二メー トル)ほどの大男の川野辺又七郎 が躍り出た。叉七郎も長刀を打ち 振り兵部と激しく渡り合った。だ が、中川又次郎という弓の名人が 三人張りの弓に十三東の長い矢を .11ヽ もどうしようもなく大山城に逃げ なわないから、ここを一旦退くほ 大将大山義勝は大山勢の退却に 怒り、「見苦しいことじゃ、たと え敵が鬼神であってもおそれては いけない。引くな、進めゾと味方 を励まして攻め戦った。だが、後 峰山田織部の射た矢が新左衛門の 射通されてしまった。豪けつ又七 日も暮れになったので追い打ちを かないと逃げ失せた。大将も猛卒 馬に命中し、馬は死に、新左衛門 衆か赦せず退く外なかった。その まに打ち落ち息が途絶えてしまっ た。萩谷新左衛門もふみとどまっ 手になってやるL。と叫んだ。とこ 味方の不利を見て萩谷新左衛門 田代遠江、阿久津信濃、富田大操 の四人が進み出た。「大山家に有 名な一騎当千の武士と呼ばれる者 だ。我と思わん者は出て来い。相 郎もはかなく討死してしまった。 についてくるはずの人がとてもか は大山に逃げ道くという有様だっ た。 ろが、城中から射た矢が田代遠江 の胸の真申を射通し、馬から逆さ のびることにした。石塚義国らは つがいて又七郎をめがけて放った。 石乗兵部と戦っていた又七郎はそ て戦ったが、何せ城中の侍は多勢 の矢を払いのけるわけにいかず、 l ′も 0l ヽ一一一一-■-■一一一■-■一---一一一一-----一一一一--一一■-一-■一′-■■一一■一■一■一一一一■■′-′-′一●一●-′■■◆-′-■■■一一一′■●一■■一▼一■一′一′一■-■-′■■′-′一■一一一一一一■◆-′-▲一′一一▲■▼一一一′一一一一一′■′●一-′-′▲■一-■一■」■”一一一一一一-▲--一_一_●■-_■■■-■一●一一一一一■一_一■一一、-■_-一′-■-■-■一■-.′ 広報じようほく
元のページ