広報じょうほく No.391 1994(平成6)年 10月
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,頂 1 ■ 包 みんな㍑硝習 、 ■ に 生 き る ▲県芸術祭で出場者に詩吟を指導する鯉渕さん(右端) =県民文化センター前 鯉 渕 英 夫 吟詠を生涯の趣味として現 在に至っておりますが、幼少 のころから祖母の感化により 古典的なものに興味をもち、 なかでも詩吟については深い 感動を覚え、うれしいにつけ 悲しいにつけ今日まで朝夕口 ずさんでいます。 -初舞台!- 昭和3年小学校1年生のと き、担任の飯村民三郎先生か ら「近いうちに学芸会が開催 されるが、何かできる者は手 をあげなさい」と言われまし た。詩吟ができる旨申しあげ たところ、その場でやってみ なさいといわれ、徳川斉昭作 の大桶公を吟じました。 大変喜ばれて学芸会の当日 まで猛練習が行われました。 本番のときは我ながら驚く ほどのと賞賛に接し、そ れが大きな自信的なものを得 たと思っております。特に、 祖母の喜びはひとしお深かっ たようでした。 1黒沢止幾子と祖母- 祖母は、黒沢止幾子女史 (種村-錫高野) の門下生で、 女史不在の時は代範を依頼さ れたと言われておりました。 n′lく■Tつ 止幾子女史は李杏と号し和 漢の学を修められ、明治維新 時代の活躍や、明治5年学制 施行にあたり女性で日本最初 の教師に任ぜられたことは、 あまりにも有名なことです。 幼少時代に図らずも女史の 思想の一端に触れることがで きたのは、私の人間形成の上 において大いに役立ったこと をしみじみ痛感しております。 -吟詠と生涯学習- 吟詠は、漢詩唐詩等を朗吟 し、和歌俳句新体詩等を朗詠 することです。発音発声を格 調高く、床しく、美しき、力 強さ、.さらに、佗び等にも思 いを致し、聞く者をして感動 せしむるに至る人生修業の芸 術であり、情操豊かな人間形 成への道を学ぶ訳であります。 目前の21世紀を展望すると き、如何なる事態にも柔軟に 対応できる、心身の練成が強 く求められる時代であります。 中国晋末期の学者陶淵明の 詩「勧学」に、 盛年重ねて釆たらず ▲申した 一日再び農なり難し まさ 時及んで当に勉励すべし 歳月は人を待たず とあり生涯学習の基本理念で あることは明白であります。 吟詠が自主健康管理上、非 常に効果があることが確認さ れております。吟詠に年齢な しですから、幼少年から高年 者に至るまで大いに声を出し てみてください。 ※ 鯉渕英夫さんは、現在茨 城県吟詠剣詩舞統連盟理事長 であり、昭和14年茨城県第1 固詩吟朗涌大会で優勝。昭和 21年日本詩吟道吟光会を創立 され現在に至っております。 * * * 生涯学習については生涯学 習推進室までお問い合わせく ださい。℡88-3111 広報じようほ<
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