広報じょうほく No.386 1994(平成6)年 5月
7/14
宍聯餌】彗 コレステロールとは血液の 中にある脂肪で、体をつくる 無数の細胞の膜をつくる働ら きをします。また副腎皮質や 性腺ホルモンの材料や、脂肪 の消化に欠かすことのできな い胆汁酸の原料になるなど、 生命の維持になくてはならな いものです。しかし多くなり すぎると血管にこびりついて 動脈硬化をすすめます。また 少なすぎると血管がもろくな り脳出血を起こす原因にもな ります。 コレステロールは水に溶け ないので、血液の中では水に 溶けやすいタンパク質にとり 囲まれ、リボ・タンパクとい う粒子を作っています。その うちの低比重のリボ・タンパク をLDL(悪玉)高比重のもの をHDL(善玉)といいます。 コレステロールを 知ろう LDLは、体の末梢軌嶽や副 腎、性腺にコレステロールを 運び入れ、一方HDLは、体 の各組織にたまりすぎた余分 のコレステロールを取り除い て肝臓に運び込む働らきをし ます。このことからLDLが 多くなり、たくさんのコレス テロールを運んで動脈壁にコ レステロールがたまってしま うと動脈硬化が進みます。反 対にHDLが多く、動脈壁の コレステロールをとり払って くれれば動脈硬化はおこりま せん。そこで、LDLを悪玉、 HDLを善玉と呼びます。 季節を感じさせたり、情景 を浮かばせたり----㌦喚起力〞 とでも表現すればよいのでし ょうか、歌には、さまぎまな ものを呼び起こす力がありま す。大正8年(1919年)、 雑誌『少女号』に発表された 「背くらべ」も、そんな力を もつ歌の一つです。 「富士山を遠く仰ぎ見、ちま きを食べながら兄第で背くら べをする」という詞は、わた したちの幼かったあの日を思 い出させます。これは作詞の 海野厚が、実体験をつづった 健康テレホンサービス 雪空土浦(0298)22十2600 8月のテーマ 月 日焼けについて 火 毛ジラミの話 水 女性のむくみ 妊娠検査薬の 本 注 意 点 高脂血症の 金 食 事 療 法 腰の痛みに ≡塑B つ い て 背くらベ 作作 曲詞 中海 山野 菅 平厚 からこそ生まれ出た力なので しょ、フ。 詞の中に富士山がでてきま すが、静岡県出身の海野にと って富士の山は、とりわけ親 しみのある山だったようです。 ちなみに、海野の母校、西豊 田小学校(静岡市)には、こ の歌の歌碑がいまでも大切に 残されています。 子どものための歌を積極的 に発表し続けていた海野です が、肺結核のためにわずか28 歳の若さでこの世を去りまし た。 作曲は中山晋乎。各小節の 第1柏目を2つに割った 「タ・ タ・タン・タン」というリズ ムが、その詞にみずみずしさ を与えているあたり、晋平の 感覚の鋭さをたたえずにはい られません。 作曲に当たっていた当時、 晋平は北原白秋の「アメフリ」 も同時に手がけていましたが、 海野の病状がおもわしくない のを知り、「背くらべ」 のほ うを優先しました。また、海 野が2番の歌詞を急ぎ付け加 えたのも、晋平の進言があっ たからだといわれています。 - 佐野 靖 - (東京芸術大学助教授) 7 広報じょうほく
元のページ