広報じょうほく No.386 1994(平成6)年 5月
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き=享子:≡ 町民の皆様には、益々お健 やかにお過ごしの事と心から お慶び申し上げます。 私はこの度、本年四月一日 付で前根本消防団長の後任と して、常北町消防団長に就任 いたしました。 昭和三十七年四月、常北町 消防団に入団以来三十二年間 自治消防にたずさわってまい りましたが、今搬はからずも 団長をおおせつかったわけで あります。 消防団月は日頃多忙な職業 を持つかたわら崇高な郷土愛 護の精神と旺盛な責任感をも って地域住民の生命財産の安 就任のご挨拶 正、 常北町消防団長 江 幡 全、保護のため献身的に消防 業務に精励されております。 今後は消防団月の要として 団の運営並びに消防活動に尚 一層の精進を傾ける所存であ ります。町民の皆様がたの御 理解と、旧に倍する御支援、 御協力をお願い申し上げて就 任のご挨拶といたします。 ′-1ヽ むかし、むかしの話。まだ ヤマト(大和)朝廷に従わな い者が多かったころ、鹿島神 かとり (タケミカヅチの神)や香取 神(フツヌシの神)が常陸の 国でヤマト朝廷に反抗する者 を懸命に平定していた。その いしなぎか ころ、久慈郡有名坂(現日立 市石名坂)一帯を支配してい - ∴・′・・ 神さまにまつわる話① 魔王石ガ石塚に落ちる 「イシヅカ」の地名の起り 文.今 瀬 義 次さん たのはカカセオ(天否々背男) である。この神の勢力は強く、 激しく鹿島神に抵抗した。そ して大きな石となった。驚い たことにその石はみるみる大 きくなり、天をも突き破る勢 いで育っていく。これにはさ すがの鹿島神もどうすること もできずに因ってしまった。 しず ・丁 その時、静の里(現瓜連町 はたおり 静)で機織を教えていたタケ ハヅチ(建葉槌)の神は鹿島 神を助けて、早く平和な里に しょうとかけつけた。魔王石 をじっとにらみつけていた静 神ははいていた金の靴で「え えっ」と魔王石を励とばした。 するとこれはどうしたわけか 石はくだけて飛び散り、カカ セオは血をはいて死んでしま った。これをみていた鹿島神 の軍勢は驚き、そしてどっと 歓声をあげた。 魔王石は、石名坂で三つに ( 分かれて飛んで行った。その 三つは石神(現東海村石神) と、石井(現笠間市石井)そ れに石塚に落ちてそれぞれの 地名になった。 石塚に、後にできた城あと かしやま の山をふるさとびとは「檀山 というが、そこに小さなほこ らがある。この近くの土の中 に石があるが、その石は堀っ ても掘ってもなくならない。 これが魔王石である。その石 の大きいものが石塚の神 社の御神体となって今も残っ ている。 (主に「新編常陸国誌L 「風 隼神社由緒」による) ■魔王石ガある石塚の 見筆神社
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