広報じょうほく No.374 1993(平成5)年 5月
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国民年金加入者(第1号被 保険者)は、個人で保険料を 納めることとされています。 しかし、長い加入期間のうち には、病気や失業により一時 的に収入が減少したり、災害 などで損害を受けたりすると 保険料を納付することが困難 となり、滞納してしまう場合 があります。 この場合、将来、年金を受 けられないケースも考えられ ます。国民年金制度では、こ のような事態が起こらないよ うに、保険料納付を免除する 制度が設けられています。 この免除制度には、法律で 定めた要件に該当した場合に 免除される「法定免除」と、 申請して認められたときに免 除される「申請免除」があり ます。いずれの場合も、市町 村の国民年金係へ届lナなけれ 州 一 t:」q一l ご存じですか′ 国民年金保険料免除制度 ばなりません。 保険料の免除を受けた期間 は、老齢基礎年金額の算定に おいて、納付したときの1甘の 額になりますので、免除を受 けることは必ずしも有利にな るとはいえません。後で納付 できるようになったときには 免除を受けた分の保険料を追 納するようにしてください。 ■ おぼろ 臓 月 夜 潤いを帯びた空気の中、ぽ んやりと霞む騰月は、いか.に も日本的な、柔らかい風情を かも 醸し出しています。古くから、 多くの人たちの芸術的創造性 を触発してきた臆月卜、こ の作品では、近景の菜の花畑 と、遠景の山々とともに、ど こにでもあるような素朴な夕 暮れ時の田園風景を形作りま 喧適く瀾儲塩 由虚 世代誉つな 作詞 高野 辰之 作曲 岡野 貞一 作詞の高野辰之が若いころ を過ごした奥信濃の飯山辺り は、春ともなれば菜の花が一 面に咲き誇ったそうです。そ うした風景が高野の中で、い つまでも新鮮な映像として心 に刻まれていたのでしょう。 作曲は、高野と名コンビで 知られ、「故郷」 「紅葉」な どを辛がけた岡野貞l。『尋 常小学唱歌(六)』に収めら れた1臆月夜」は、落ち着き のある流れをもつ優美な旋律 で、際立って味わい深いもの になっています。また、強弱 の移り変わりを明確に示す西 洋的なりズムではなく、その 区別をややあいまいにするこ とによって、詞の言葉の配列 の生み出すリズムが巧みに生 かされています。 第三細目から歌が始まるた めに、子どもにとっては曲に 入りづらいという面もありま すが、いわゆる伝統的な唱歌 スタイルという枠組みの中で、 音楽性豊かな曲に仕上げたと ころに、作曲者の力量を感じ ずにはいられません。 何か心が解放されたような ほっとした気分と、のどかで 安らかな雰囲気を漂わせるこ の曲は、子ども時代やふるさ ととのつながりを実感させて くれる歌です。 - 佐野 靖 - (東京芸術大学助教授) 広報じょうほ< 8
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