広報じょうほく No.364 1992(平成4)年 8月
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投 稿 偶 感(その二) 増井 今瀬 敏一 大東亜戦争の置き土産とも いうべきこれらの犯軍非行 の数々は、元はといえば、い つちか ずれも崩壊家族で培ったもの にほかありません。そして、 一部の「ザーマス・ママ」の ごときものです。 このザーマス・ママは、自 分の子弟を教育するのに、白 みえ 分の見栄をもってし、肝心の 子弟はそのすきに逆方向に進 んで行くのを知らないのです。 すなわち、現在騒がれている 犯罪、非行の道をたどる様に なるのも知らないのです。見 栄に走る人間ほど恐ろしいも のはありません。この様な結 果、未熟な一個の分子が、社 会人となって、自分勝手な道 を歩むとき、そしてこれらが 結集して、一つの物体を構成 したとき、犯罪や非行は、大 きな形で発生するのです。 私は常に主張しています。 「法は厳しく、更生保護は徹 底的にLと。犯罪者予防、青 少年の非行防止ということは、 いかに頑張っても、地球上に 人間が存在する限り、現在の 姿だと絶対になくなることは ぞく ありえないのです。「俗に、 蒔かぬ種は生えぬ」といいま すが、ザーマス・ママ等の存 在する限り、「権兵衛が種蒔 からす く、鳥がほじくる」を繰り返 さら すのみで、関係者の労を更に 大きくするばありです。私は、 鳥がほじくらない手だてを常 に考えてきました。 それには、家族の浄化と教 育がもっとも大きな使命をも つでしょう。それではこの使 命を果たすものはだれか、私 は、更生保護婦人会が最適で あると信じ、常に強調してき ました。幸い常北町には、常 北地区更生保護婦人会という 立派な団体があります。参考 までに、更生保護婦人会(以 下更婦という) の性質、使命 等を簡単に述べてみましょう。 一口にいって、「広く更生 保護事業に携わる婦人団体」 ということが出来るでしさフ。 会員は全国で約五十万人(昭 和四十三年調査)を教えます。 特に婦人として、母としての 立場から罪を犯した人や、非 行青少年の保護更生に協力す る特種婦人の組織ともいう事 が出来ます。主な活動内容は、 犯罪、非行の予防活動、施設 収容者に対する更生激励及び その家族の援護等であり、そ して、保護司には絶対必要な. 協力者であって、婦人でなけ ればできない仕事に重点をお くものです。すなわち婦人の 立場にたって、母や姉として、 これらの罪を犯した人や、非 行者によき話し相手、指導者 となって、更生保護に勤める ものです。この様に更婦の任 務は幅広くかつ重大なものな のです。常北地区更生保護婦 人会は、今年で十数年の実験 を持ち、現在会員数二十数名 の少数精鋭主義をとり、県下 氏の頑張りは、さらに前任に 拍車をかけて、全会員一丸と なって頑張っております。 以上簡単に、更婦と、常北 地区更生保護婦人会について、 その概略を説明しましたが、 現在の更生保護事業には必須 の婦人団体であり、保護司に とっては、まさに、よき女房 役といえましょう。なお、更 婦のほかに、B・B・S会と いう団体がありますが、これ は清三十歳までの男子で、仕 事の内容は大体同じです。 小林千枚子氏に譲られました。・るい社会が生れるのです。更 でも、押しも押されもせぬ地 位にありますパ初代会長戸崎 長子氏は、保護司会共ども随 分と苦労を重ねられ、茨の道 を歩いてこられましたが、つ いに現在の位置にまで、強固 な態勢作りに成功しました。 そして、現在会長の職を、 さて、もとに束って、家族と問題、すなわち犯罪者に付す 婦の任務たるや誠に重しとい うペきでしょう。 以上私の日頃考え悩んでい ることの一端を述べましたが、 更生保護の現在の仕事は誠に 多事多難というべきでしょう。 目標は生きた人間です。「法 務省は、事後の問題、すなわ ち家庭の教育には特に触れて おりません。私は不思議で仕 方ないのです。目覚めよ、法 務省と絶叫したい気持ちで一 いくど 杯ですノ幾度もいうようです けれども、更生保護は事後の の浄化、教育は、だれが行う かという時に、それは更婦が 最適であるといいましたが、 ま すなわち更婦は犯罪者更生保 護を主とするよりは、婦人と しての立場から、家族のよき 友、よき話し相手となって、 いち 立派な種を蒔き、逸早く抜き 取るという使命が、絶対であ ると思います。もちろん、犯 罪者更生保護、青少年の非行 防止も行うことは当然です。 更婦のこの仕事が完全に実っ た時、はじめて犯罪のない明
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