広報じょうほく No.362 1992(平成4)年 6月
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豊か 埋蔵文化財って なあに? 埋蔵文化財という言葉は、 文化財保護法という法律的な 用語の「土地に埋蔵されてい る文化財」 の稔称で、「遺跡」 と「遺物」とに大別されます。 住居跡、古墳、貝塚など、 土地と切りはなすことのでき ないものや、遺物散布地、遺 物包含地などを「遺跡」とい います。 石器、土器、金属器、その 他埋蔵文化財包蔵地から出土 するものを「遺物」といいま す。つまり、古墳は「遺跡」、 古墳から出土した埴冷や土隅 は「遺物」ということです。 なぜ保存 するの? 大きく二つあります。 ー 子孫に残そう 時代があります。 こうした時代の理解のため に埋蔵文化財が私達に与えて くれるところの価値には計ケ 知れないものがあります。 埋蔵文化財は、土地に埋も れている状態そのものが、在 り方自体が学術上の研究の対 象として大切にされます。無 雑作に掘り出された完全な形 の土器よりも土器の破片が散 布している遺跡を学術的調査 によって掘り出した方が多く な郷土鵬 一つ目は、学術的な面にお ける必要性です。 常北町の歴史、文化等につ いて正しく理解しようとする とき、そこには文字による記 録の全く欠如している時代や たとえ文字による記録がある 程度備わっていてもなお埋蔵 文化財に期待するものの多い ( の生活に精神的な面で豊かさ と潤いとを与えてくれます。 さらに、創造的活動の面で も らしさを感じさせてくれたり、 認識を深めさせてくれます。 こうした働きかけを有する という点では、「貴重な国民 的財産」であり、だれもがそ の恩恵に浴することができる 共有財産として永く保存され て行くことが望ましいでしょ 、つD の情報を私達に伝えてくれる こともあるのです。 ところが、埋蔵文化財は、 たとえ学術上の発掘をしても 一度発掘調査して壊されてし まうと二度と元の状態には戻 すことができません。 だから、できる限り現状の まま保存し、後世に伝えてい くことが大切なのです。 二つ目は、人間にとっての 埋蔵文化財の必要性です。 埋蔵文化財は、現在の私達 存しよう さて、埋蔵文化財の保護と 真正面からぶつかり合うもの に地域開発の問題があります。 豊かな町づくりに向けて地域 開発も大切です。 そこで、埋蔵文化財を保護 して行くためには両者の意義 と性格を良くふまえて調和を 図っていかなければならない のです。 どのようにして 保存するの? 私達の住む常北町内には、 遺跡・古墳等が多く、これま でに二〇か所確認されていま す。 しかし、開発等によって、 既に摩滅(いんめつ)してし まった遺跡がいくつかありま す。また、今後新たに遺跡が 発見される可能性もあります。 埋蔵文化財は学術的研究や 文化的な面ではかり知れない 価値を持ち、国民の財産とし て今後も保護・保存しなくて はなりません。 そこで、遺跡所在地で止む を得ず開発をする場合には、 ( 発掘調査を実施して記録保存 を行い、後世に永く残すこと になっています。 ですから、埋蔵文化財の所 在する場所や隣接地・周辺地 で土木工事等を実施する計画 を立てた場合には、速やかに 教育委員会までご連絡下さる ようお願いします。 教育委員会では、所在の有 無の確認と遺跡の範囲や概要 についてお知らせするととも に、その取扱いについての協 議をいたします。 また、工事中等に埋蔵文化 財と思われるものを発見した 時も速やかに教育委員会まで お知らせ下さい。 (次号は常北町内にある二〇 一か所の遺跡・古墳等について お知らせします。 川け仁山訂u 凝- / ● 広報じょうほく
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