広報じょうほく No.360 1992(平成4)年 4月
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抱えきれないほど届く 講演会の感想文や手紙 私の講演は、通常3時間と いう長丁場です。当初は、こ んなに長い時間、みなさんが 耳を傾けてくれるだろうかと へ出かけました。その ほとんどは講演会です。 その講演会を、私は 〝お手伝い〞だと考え ています。というのも 私の講演会は、単なる 知恵や情報を提供する ためではないからです。 そのまちが、いまよ り少しでもよくなって もらおうと、そう心に 念じて出かけていくの です。 私がまちづくりという仕事 に情熱を傾け始めてから、か れこれ30年余りの歳月が流れ ました。全国津々浦々のまち 計本ふるさと撃王事・萩原 茂裕 心配でした。とりわけ、小学 校や中学校の生徒たちに話を するときは、なおさらのこと でした。 ところが、そんな心配は吹 っ飛んでしまったのです。 まちを訪ねるたびに、子供 ふるさとを愛せる精神を 子供たちの心にはぐくお 2 帖 うぼくたちの双肩にかかって いると思う』 (長野県、中学 3年・K君)や『まちづくりに も、何をするにも心を大切に しなければならない。他人を 思いやり助けてあげることに よって、自分だけでなく、周 りにも伝わり、素晴らしいま ちづくりができるのだ、と自 分なりに思いました◎ このまちにだって、いい所 がたくさんあるんだから、こ たちからたくさんの反響が届 くようになりました三とても 素晴らしい話だったと思う。 いま頭の中に残っているこ とをまとめれば、村にある小 さなものでも、拾い上げて膨 らませば、とてもよいものに なるということだった。 そのためには、これを見極 める日がなければ、よい材料 もすぐ枯れてしまうと思う。 こ町村がよりよい村になれ るかどうかは、21世紀を背負 のまち、いや、まずわたした ちの生活、心のもち方から変 えていかなければならない、 と思いました……』 (青森県 中学2年・T子さん)。 このような感想文や手紙が 私の手元に抱えきれないほど 寄せられています。それらを 眺めるたびに、私の胸は熱く なるのです。 「第四の教育Lで ふるさとを好きにさせる 教育には、3つの柱がある といわれています。「学校教 育」・「家庭教育」そして「社 会教育」 の3本の柱だといい ます。けれど、もう一つ足り ないものがあります。 それは「ふるさと教育」で す。ふるさとを好きにさせる 教育です。だから私は、教育 に4つの柱を立てて、これを 「第4の教育」と呼びたいの です。自分のふるさとを、心 の底から愛せるようなみずみ ずしい感性を子供たちの体に そして精神にはぐくんでこそ まちづくりの未来はひらける のです。 一 雪 河 口 よ り 里 今 す 瀬 て 着 剛 も 三もぎ春か 広報じょうほく
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