広報じょうほく No.358 1992(平成4)年 2月
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てるてる坊主 この歌は、大正10年『少女 の友』6月号に「てるてる坊 主の歌」として発表されまし た。この大正10年という年に は、「赤い靴」、「青い目の 人形L、「赤とんぽ」、「ど んぐりころころ」など、今日 まで広く歌い継がれている童 諷の名曲が、数多く生み出さ れています。 鏡村が葦謡の作詞を手がけ たのは、唯一「てるてる坊主」 だけです。 作詞 浅原 鏡村 作曲 中山 晋平 天気になることを祈って、 てるてる坊主をつるすという 伝承的な風習をもとに、当時 の幼児語(例えば〝たんと飲 ましょ″など)を効果的に用 いて、子どもの感覚や生活感 を素直に、かつ端的に表現し ています。 発想自体に郷愁の味わいが あるこの歌詞を、晋平は冒頭 の部分に民謡音階によるわら べ歌の旋律を用いることによ って、一層親しみやすいもの に仕上げました。 つまり、伝統的な節まわし が、みごとな居場所を与えら れたわけです。 〝いつかの夢の〞からは、ヨ ナ抜きの短音階が使われてい ますが、童謡にしてはかなり 高度な転調が行われているに もかかわらず、自然な音の流 れを妨げないのは、まさに晋 平のセンスの表れといえるで しょ、つ。 子どもの祈りにもにた願い を、軽く弾むように表現した 部分と、その余韻を包み込む ように続く短調の世界とが、 絶妙な呼吸でもって結びつけ られた歌「てるてる坊主」- 屈託のないあどけなさと、 人恋しさがかきたてられるよ うな切なさとが共鳴しながら とけ合う、魅力あふれる音楽 となっています。 佐野 清 (東京芸術大学助教助) いでしょうか。 ヒバリは、麦畑や草む らの中に巣をつくります。 体の色は、外敵から身を 守るために、地面の色に 似た灰色がかった褐色で す。派手な鳴き声に似ず 姿は地味です。 塵 ひばけ 雲雀……天鶴とも書きます。 ヒバリは、春がくると空の上 で、ピーチクバーチクとさえ ずる鳥としておなじみです。 ヒバリの声はよく知られてい ますが、さて、その姿は…‥ あまり印象に残っていないと いう方が、多いのではな ヒバリの雄は、繁殖期にな ると、縄張りの上を舞いなが らさえずります。巣に戻ると きは、巣の位置を知られない ために、少し触れたところに 下り、歩いて巣に戻ります。 しかし、飛び立つときは、 巣から直接飛び出します。 昔はヒバリを捕えて飼育し 「ヒバリかご」という背の高 いかごに入れて、その鳴き声 〔 と、さえずり始めます。 3〜5月は、「国土緑化運 動強調期間」です。各地でさ まざまな行事が行われます。 緑を守り育てるために、森林 との触れ合いを深めましょう。 を楽しむ風習がありました。 揚げヒバリといって、かごか ら空に飛び立たせ、またかご に戻らせるという遊びもあり ました。 このように、ヒバリを捕え て飼育するために、ヒバリ笛 というのがありました。 細い竹のなかに水を入れて 吹き、ヒバリのさえずりに似 た書を出して、ヒバリを 誘うのです。 現在は、野生動物であ るヒバリを捕えたり、飼 育したりすることは禁じ られています。自然の声 を楽しみましょう。 ヒバリは草が緑になる 広報じょうほく

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