広報じょうほく No.353 1991(平成3)年 10月
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よ あかとんば 赤晴蛤 三木露風の研究家である安 部宙之介は、童謡をつくる露 風について、こんなふうに述 べています。「露風は童心と 易しい言葉と好い調子とを重 んじた」 『轟軒』も例外で はなく、子どものころの素朴 な経験や感情が極めて平明な 表現で描きだされています。 この詞を、山田耕搾は言葉 の抑揚やアクセント、流れを 損なわないのびやかな旋律で 歌い上げました。特別な音楽 の技法を用いたわけではない のですが、写実的な描写の背 後にある、詩人・露風の繊細 でこまやかな感受性、優しい まなぎしを見事に引き出して います。ゆったりとした三拍 子は、言葉のもつ自然なリズ ムを巧みに表現し、各フレー 度に長さを保っています。 ズは、歌唱的に無理のない程 順次進行と跳躍進行をうま く組み合わせて感動的に盛り 上がる「夕娩小焼の」の部分 も、節度ある表現の中に収め られています。 また、東京弁の古いアクセ ントに由来するといわれる「赤 とんぼしの部分の旋律線、つ まり「あ」が「かとんぼ」よ り高い音に置かれているとこ ろは、かえって新鮮な響きと なって、わたしたちの心をと らえます。このように、言葉 と音楽が、緊密に結びついた この『赤晴蛤』は、鮮やかな 秋の色ではない、あかね色と 暮れ色に包まれた独特な色彩 感をもつ歌に仕上げられてい ます。それが、郷愁や肉親へ の思慕と相まって、この曲の かけがえのない魅力となって いるのです。 佐野 靖 (東京芸術大学助教授) めぎせ卓球 全国鮮添 ●●● 常北中卓球部 ●●● 9月23日、笠間市民体育館 において、平成3年度全日本 硬式卓球選手権大会、茨城県 大会カデット(中学1・2年) の部が行なわれ、常北中の男 女ダブルス一組ずつが熱戦の 上、見事に準優勝の栄誉に輝 き、全国大会の切符を手にし ました。 出場権を獲得したのは、常 北中2年男子ダブルス 冨永 信貴・大越涼一組、女子ダブ ルス 松崎礼子・線引理香組 がそれぞれ全国大会に出場し ます。 また、大健闘しました女子 ダブルス 阿久津奈緒・町井 美由紀組、女子ダブルス 部理恵さんは第3位。 現在、11月23日・栃木県宇 都宮市で行なわれる全国大会 を目指し、桧山久長、菅一郎 両先生の指導のもとに猛練習 中。 ガンバレ、選手の皆さん〃‥ めざせ、全国制覇を〃‥ 匡l 広報じょうほく

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