広報じょうほく No.352 1991(平成3)年 9月
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みながら、酢の効用に ついてみてみましょう。 食べ物の栄養素で、 でんぶんなどの炭水化 物が消化されると、ブ ドウ糖になります。 これが吸収されて体 内で燃焼すると、体を 動かすエネルギー源に 変わります。 健康なときは、ブド ウ糖は体内でよく燃焼 されます。しかし、疲 れがひどいときや体が 酢は、疲労回復などにいい と昔からいわれています。 どうしてでしょう。体内に おける栄養素の分解の過程を 不調のときは、ブドウ糖は体 内で完全に燃焼されません。 すると、ブドウ糖は不完全 、‘間-■ 食欲を増進させ体調を#持 ¢ 燃焼のまま乳酸に変わり、血 液を酸性にし、疲労や肩こり、 全身がだるくなるなどの症状 を引き起こすのです。 ところで、夏は食欲が減退 しがちです。なかには食欲が なくなり、体に変調をきたし、 いわゆる夏パテになってしま う人も少なくありません。 「体がだるい」「食欲がない」 というトきには、すすんで酢 を使った料理を食べるように してみてはいかがでしょうか。 面でも役に立ちます。「酔を 入れた水で畳をふくときれい になる」・「水揚げの悪い草 酢には、食べ物の昧 をひきたてる効果があ りますし、また、食欲 を増進させるメリット があります。 料理のかくし味とし て、ドレッシングの代 わりとして酔を優って みましょう。二杯酢や 三杯酢など、・俗に言う 酢の物も効果がありま す。体調の維持に、夏 パテ予防に役立ちます。 このほか酢は、生活 花は、酢につけると長持ちす る」・「梅干しを入れたご飯 は腐りにくい」など、酔には 実にさまざまな数多くの効用 があるのです。 この歌は、大正十二年、あ たらしい童謡(一)で発表さ Lきい れました。作詞の子細につい なかむちうこう て中村雨紅は、明確に思い出 せないとしながらも、創作へ のイメージを喚起させてくれ かみおんがた た、現在の八王子市・上恩方 ゆうやけこやけ 作詞 中 村 雨 江 信 作曲 芋 川 に鳴きかわしながら南側の高 尾山、八王子城、陣馬の連山 へ帰っていく折から、恩方街 道に数多い寺々 - 宝生寺、 心源院、輿慶寺などから一斉 つ ばんし裏つ に撞き出される梵鐘の音、蒼 はう 茫上暮れていく山村の情景は、 号つかん あいLゆう 何ともいえない壮観と哀愁の 一大パノラマでありました」。 幼い頃から心にしみ込んで いる光景と、この往復のある 印象が、郷愁などの感傷など も加わって直接の原因になり、 作詞されたものでありましょ う。葦川信は、このほのぼの かも とした気分を醸しだす詞をヨ 染まり、山々の頂ま 好天の日、夕 まち 町の情景について、次のよう に輝く時、あの に述べています。 焼 け 鳥 の プb ニュニ 「 大 でが さ 群が真とす が金紅くが 互奈色にに ナ抜き音階(第4度と第7度 を抜いた音階)を用いた、な だらかな起伏の旋律で包み込 みました。八分音符の連続に よる単純なリズムと相まって、 たいへん歌いやすい曲になっ ています。 「皆帰ろ」の箇所は、こと ばの素朴な味わいが、とりわ け巧みに表現された部分です。 簡単な書の仕組みですが、 かね 描写的な伴奏からは、寺の鐘 ひび の響きわたるなかを家路につ くこどもたちのぎが浮び上が ってきます。 東京芸術大学助教授 佐野 靖 広報じょうほく
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