広報じょうほく No.352 1991(平成3)年 9月
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〝自慢できるものが真の観 光資源〞ということを、私は 常々いっています。ところが、 全国のまちをお訪ねし てよく耳にするのは、 「いやあ、このまちに は、自慢できるものは、 なにもありません」 「観光資源となるよう な材料がありません」 といわれることです。 初めから〝ないないづ くし〞でそう決めてか かっては、何も生まれ ません。 まちの名前で 観光専を呼ぷ 4年ほど前のことですが、 福島県のロハ見というまちに行 きました。地元の有志の方た ちが、「夏はどうにか観光客 がくるんですが、冬はさっば りですよ。 日本ふるさと撃王宰・萩原 何もないですけど、 はありませんかね」 いいました。 そこで私はこう答えました。 「ないことはありませんよ。 只見というまちの名前があり ますよ。名前を売ったらいい でしょう。冬、人がこないん だったら、ただで芝居ぐらい すか㌔すると、居合せた人た 見せることをやったらどうで ちの目が輝き、すぐさま実行 に移したのです。「よし、.お れがフィルムを借りるから映 画会をやろう」商工会の会長 さんが、かつて映画館を経営 していた人で、話がとんとん 拍子に進み、イベントが実現 しました。 地元のことを もっとよく知ろう 5 乱 N 茂裕 いい方法 と口々に こうして『ただみ(只見) 映画祭』が行われました。 会場は屋外にセットし、 クリーンは、降り積もった雪 でこしらえました。観客はコ ートのえりを立てて……。 奇抜なアイデアに、マスコ ミが書きたてました。みんな が自信をもつようになったの です。 笹っ葉に目をつけ 観光資源に それまで〝何もない″とい っていた人たちが、自分たち のまちの名前を、観光の材料 としてとらえたのです。 笹っ菓ばかりしかないと思 っていた人たちが、次にはこ の笹っ真に目をつけ、これで 何かをつくれないかと考えま した。そして、笹を粉末にし て混ぜた〝そば″が誕生した のです。「笹そば」、これが 爆発的に売れているそうです。 ぐ、 自信をもった若者たちは、 お金をだしあって、「夢・食・ 人」という有限会社をつくり いろいろ新しい商品を開発し ました。好評のようです。 〝まち″も商品なのです。そ のまちに愛着をもてば、おの ずと自慢できるものの一つや 二つはでてきます。足元をみ れば材料はいくらでもあると 思うのです。 しかし、わたしたち日本人 は、ともすれば、自分の住ん でいるまちのことをよく知り ません。いろいろなまちを訪 ねて案内してもらうたびに、 そう思います。 わたしたちは、そこに住む かぎり、もっともっと、地元 のことを知らなくてはいけな いと思うのです。 ススキは、苦から日本人の 暮らしにとって、身潜な植物 ふ でした。屋根葺きの材料とし て、また、肥料や家畜の飼料、 炭俵やすだれの材料として、 なくてはならないものです。 いまでは、観光名所のスス キの草原、観光土産のみみず くなどで、ススキに親しむこで とが多くなりました。 さて、9月といえば「敬老 の日L。最近は元気なお年寄り が多くなり、外出先や運転中 の事故が増えてきています。 そこで、9月15日の 「敬老の 日Lを中心に9月11〜20日を 「高齢者交通安全旬間」とし ました。この期間、全国で交 通事故防止のための行事が行 われます。積極的に参加した いものです。 広報じょうほ<
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